ツイッターのフォロワーを売る会社が現れた 有害さはfacebookの「いいね!自動化」ツール以上 | ジャーナリスト 石川秀樹

ジャーナリスト 石川秀樹

ちょっと辛口、時どきホロリ……。理性と感情満載、世の常識をうのみにせず、これはと思えばズバッと持論で直球勝負。
3本のブログとFacebook、ツイッターを駆使して情報発信するジャーナリスト。
相続に強い行政書士、「ミーツ出版」社長としても活動中。



「ツイッターフォロワー販売会社好調」



きょうのヤフーニュースである。
長男が見つけ「こんなニュースがあるよ」と教えてくれた。
聞いてすぐ、「エッ?」と思った。意外だったのだ。
「おもしろいなぁー」と、思わず僕はつぶやいていた。
そして心の中で、『ほんと、バカだなぁ』と嗤(わら)っていた。



販売価格は、7万フォロワー=14万円、10万フォロワー=20万円 etc…
1フォロワー=2円に設定されており、
すでに7万、8万、9万、10万フォロワーのパックは売り切れ。

(12月1日10時現在)


■ステイタスにもビジネスにも役立たない!

僕が「バカだ」と言った相手は無論、その会社だし、フォロワー付きアカウントを買った人である。
即刻アカウントが凍結されるかどうか、は別として、
フォロワー「何万人超」という数字に何の意味があるだろうか。



個人で買った人は「ステイタス」になるとでも思ったのだろうか。
法人が買った場合は、「ビジネスに役立つ」とでも…。
いずれも、有効ではないし、錯覚だと断言できる。



「おもしろい」と嗤ってしまったのは、誰しも考えそうだが、
それを実際にやってしまう無鉄砲な会社が表れたからだ。
いやはや、驚いた。そして、あきれた。
さらに言えば、『こいつは止めなきゃいかんな!』と心に決めた。



このビジネス自体、それほど難しいことではない。
エセアカウントで(自動ツールを使って)フォロー&リムーブを繰り返したのだろう。
後は時間の経過を待つだけ。
日本では「相互フォロー」してくれる人が多いから、この方法は成り立つ。


■手動でコツコツ、15万人のフォロワー

僕は、はばかりながら15万人のフォロワーさんがいる。
自動化ツールなんて一切使わない。
1人ひとりツイートを読み、フォローさせてもらった。
その中で、1週間以上たっても反応のない人は、申し訳ないがリムーブする。
毎日毎日、それを繰り返してきた。



お察しの通り、ばかにならない時間がかかっている。
だから僕は『修行僧だね、まるで』と、時々思ったりもする。
なぜ自動化しないかと言えば、それが最も安全だからだ。



僕は(志としては、どんな仕事をしているときでも)ジャーナリストだと思っているので、
情報を発信し続けたい。
情報の受け手は、人数が多いほど励みになる。
だから、読んでくれる人を自らフォローしにいくのだ。
ツイッターの管理者に誤解されて、万が一にも「凍結」されてはかなわない。
そういうわけで、僕には手動でコツコツ、フォローするしか手立てがない。


■フォローしたから「良き出会い」を得られた

愚痴めいて聞こえたかも知れないが、人をフォローするのはけっこう楽しい
だからこれは趣味であって、少なくとも苦行ではないし、時間の無駄とも思わない。
いちいち書かないが、フォローの過程で何と多くの「良き出会い」があったことか。



だから、フォロワーの多寡は「価値(ステイタス)」とは結びつかない。
数百人のフォロワーであっても、鋭いつぶやきをする名手は大勢いる。
実際、交流を大切にするなら、フォロワーが多すぎるのは弊害になるかもしれない。
全員のつぶやきを読むことは不可能になるからだ。



「交流」を主体にする人はフォロワーを一定数以上に増やさない。
僕のような”発信型”は、絡んでくれた人のつぶやきをていねいに読む。
そして、フォローした中で『これは』と思う人を「リスト」に入れ、
リストを読むようにしている。


■「信用」は付け焼き刃では生まれない

僕は「発信者」と書いたが、来年以降は、起業家にもなるつもりだ。
力もない、世の中に知れてもいない、能力を示しようもない一個人の僕にとって、
ツイッターは(facebookもだが)、僕および僕がやらんとしていること、
その存在を世間に知ってもらうための、大切な大切なツールだ。



だから、どうしたら「つぶやき」を読んでもらえるか、研究を重ねている。
その結果、ツイッターやfacebookでPRすることは、かなり難しいことに気づいた。
もし自分の「宣伝行為」が人の心に届くとしたら、
それは「僕という存在」を認めていただいている場合に限られる。



きのう今日、何万人のフォロワーを得たとしても、「信用」は生まれない。
心を打たないつぶやきは、何万人いようと、反響は得られないだろう。
お金の無駄遣いするより、つぶやきの質を上げろと言いたい。


■ツイッターは確かに「強者のツール」だが…

フォロワーを増やしたいという気持ち、もちろん分からなくはない。
ツイッターは「強者のツール」だと、つくづく思う。
孫正義さん1,447,769人、堀江貴文さん777,749人、勝間和代さん533,300人
これらの人は立派なつぶやきをしており、人気ぶりもうなづける。



しかしそう言っては何だが、つぶやきシロ―氏の518,340人は到底納得できない。
つぶやきの質がお粗末すぎるのだ。
名前にたまたま「つぶやき」が入っているので、勘違いしてフォローするのだろう。
これほどのチャンスに恵まれていながら、彼は忘れられた芸人のままでいる。
言葉を発する「能力の問題」と言うしかない。



能力があろうとなかろうと、有名人であれば、勝手にフォロワーは増える。
普通の人は「相互フォロー」頼み、時間をかけて増やすしかない。
つぶやきの内容によってフォロワーが増える、と言うのは残念ながら、幻想だ。


だから、1フォロワー=2円で買えるなら買いたい人が現れても不思議ではない。


■1人「2円」とは見くびられたもの

それにしてもツイッターをやっているみなさん(僕自身も含めて)、
1人「2円」と値付けされたとは、見くびられたものだよね。



こういうことが起きると、
「相互フォロー」というささやかな楽しみが「バカにされた」ような気がする。
その結果、ツイッターそのものに嫌気がさす人が出てきはしないかと、心配だ。



よって、こういう会社は
ソーシャルメディアの健全な普及」を願っている僕の「敵」だ
心ある人は、徹底的に批判してもらいたい。



そしてツイッターの管理者よ、厳しく対応するのは当然である。
こんなビジネスを許せば、ツイッターそのものが荒れ果ててしまう。



有害さは、facebookの「いいね!自動化ツール」と同等か、それ以上である。


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