「ポスト菅」争い、またも増税回避ですか? | ジャーナリスト 石川秀樹

ジャーナリスト 石川秀樹

ちょっと辛口、時どきホロリ……。理性と感情満載、世の常識をうのみにせず、これはと思えばズバッと持論で直球勝負。
3本のブログとFacebook、ツイッターを駆使して情報発信するジャーナリスト。
相続に強い行政書士、「ミーツ出版」社長としても活動中。

民主党の『ポスト菅』争い、反増税派が勢いを増していると言う。
国の借金が国家予算の10倍、924兆円もあるというのに、
震災財源など何もかも、国債に頼めばいいと言うのである。
またも後世に付け回し。
ここまで財政規律が規律が緩んでいれば、個人なら、とうに自己破産だ。


なのに誰ひとり火中の栗を拾おうとしない。
(増税を主張していた野田佳彦氏も争点化を避けている様子)
心は「選挙に勝ちたい」。
国会議員自身、「今の情勢では選挙に負ける」と思っているから、
「この上、増税を言われたら万事休す」という訳。
だから増税論者を代表にしようとはしない。
候補たちもそれが分かるから「増税はしない」と腰が引けるのだ。


誰だって増税なぞ回避したい。
しかし、このままでは国が破たんすると多くの国民は思っている。
まして大震災だ。
この復興コスト、20兆円になろうというコストは皆で負担するしかないと覚悟している。
震災直後、
「これは国民一人ひとりにとって長い戦いになる」と僕らが主張したのはそういう意味だ。


なのに政治は逃げ腰だ。
これは民主党に限らない。
自民党が「増税」を言うことは金輪際ないだろう。
選挙が近付くと「危ない」争点は避けて回る。保身なのだ。
「選挙に落ちたくない」一心。
百年の大計どころか、5年先、10年先の指針も示せない。


ああ、この国の政治、ほんとうに泣きたくなるほどレベルが低い。



■レベルの低さ、僕らも同様だ

嘆いて見せたが、レベルが低いのはなにも政治ばかりじゃないね。
えらそうなことを書く僕自身、「カネ出すのは嫌だな」と内心では思っている。


メディアもそうだ。
1社くらい「いま必要なのは増税。国民は歯を食いしばって震災復興に心一つにしよう」
と言い出しても罰は当たらないと思うが、新聞もテレビもそんな会社は1社もない。


みな、民主主義を担うにはまだ「水準」に到達していないのだろう。
「利己」の範ちゅうにとどまっている。
こういう状況で僕が「政治」を批判するのは、
「政治」こそが国民の利害を調整できる唯一の機構だからだ。
国民各層の(対立する各層の)利害を調整し、落とし所を決めるというのが政治の役割だ。


そのお役目を務めるべき人間が、真っ先に自分のこと(選挙の当落)しか考えていないから、
情けないと思うのだ。



■国民にだって責任があるぞ!

ほんとうに、今は国難だと思う。
大きな地震・津波に遭い、多くの犠牲者を出した。
さらに福島第一原発の事故が追い打ちをかけ、放射能汚染は止めることさえできていない。
さらに、さらに、こんな日本の「円」が、
狙い撃ちされたかのように極端な円高に向かっている。


民主党代表選なぞコップの中の嵐だが、次の首相選出にも直結する。
国民はこぞって「菅首相は無能だ」として引きずりおろしたのだ(まだ粘ってはいるが)。
僕は今の与野党が衆参院でねじれた状況で
「無能でない首相」にお目にかかりたいものだと思っているが、
まあ、みんなの選択だから仕方ない。


しかし、ならば国民にも責任があるぞ。
「増税」をのむかのまないか、それは個人が選択すればいい。
しかし民主代表選で「増税」が争点にならないなぞ、
断じてありえない。


こそこそと、大事なことを語らず、あるいは口先ばかり国民に甘いことを言いぬける、
こんな者たちばかりでコップの中で戦いをしようとしている。
このことに満腔の怒りを発してもらいたい。


それでなければ「低級な政治」と僕らも同罪だ。



■facebookに悪口雑言 浴びせたくなった…

午前中、怒りにまかせてfacebookのノートに叩き込んだ。
冷静になってからブログにまとめようと思ったが、このまま載せることにした。
「怒りは大切だ」と言うことが一つ。


もう一つは、これ以上、時間をかけるのがばかばかしいからだ。
怒りを込めて書いている最中にも、
NHKテレビの日曜討論では、各党の代表者いずれも
「増税より、景気回復が大事。増税は回復がなってから」と、
お題目のように、できもしない楽観論を説くばかり。


本当にあきれた。かつ腹の中が煮えくり返った。
景気回復のためにまた、いくら国民の税金と
「借金」(でねん出したカネ)をつぎ込む気だろうか。
未来に借金を付け回していることに、天下の政党の代表者が
ただの一人も気づけないのだろうか。


しかし、そんなことは今に始まったことではない。
僕がほんとうにがっかりしたのは、facebookにおける無反応だ。
日曜の朝にこんな主張だから、辛気臭いと思う気持ちは分からなくはない。


写真をアップし、さりげない日常をつぶやけば、
20も30もいいね!かぜ返ってくるのに、
国の危機を懸命に訴えても無反応…。


前々からfacebookのこの傾向は分かっていた。
つまり、facebookは意見を言う場ではない(現状ではね)。
当たり障りのない、ごあいさつコミュニティーの場。
悔しいけれど、今のfacebookのレベルはその程度に見える。


まあ、facebookに悪態ついてもしょうがないか。
「反応がないのは今のあんたの力だよ」と言われそうだ。



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