箱根と言えば、、、1年前の地固め療法中に、主治医には内緒で1泊の小旅行した自分にとって思い出の地だ。去年も東海道線の快速アクティーや、小田原駅からの送迎バスにも乗ってここまでやって来た訳で、今思い返せばかなりの冒険だったと言える。
去年の自分は心も体もボロボロだった。地固め治療の3クール目から最終クールの間の血球回復の為に1ヶ月半という時間があったので、その間に気分転換にとパートナーが連れ出してくれた。どん底だった自分だが、パートナーと芦ノ湖畔で時間を過ごしているうちに、きっとまた元気になってここに来たい、との思いが強くなっていった事をハッキリと覚えている。病気療養中であり、精神不安定で、体調も良くなかった自分をここまで連れてきたパートナーはさぞかし不安だっただろう。言葉では言い表せない位に感謝している。
あれから1年、念願叶いパートナーと箱根に訪れている。まだ病との闘いは終わった訳では無いが、今はこころは穏やかだ。本退院から10ヶ月が経ち、抗がん剤でボロボロになった体調もかなり戻って来ている。
あの経験から、人の命なんて儚いものだと知った。でもだからこそそれにはドラマがあり、様々な感情が生まれる。冬を超えて春の歓びを感じられる四季がある日本のように、人生にも大きな波がある程ドラマは感動的になる。苦しかった日も、悔しかった日も、落ち込んだ日も、それら全てが積み重なって一生が形成されているのだ。
人間だから常に前向きでいることは出来ないし、いつも良い人間でいられる訳でもない。でも、後悔も、失敗も、弱かった自分も、忘れたい過去も、全て引っくるめて今の自分が成り立っているんだと考えると、どんな1日も何だかとても愛しくなるのである。
そして、命は儚いと思う反面、人間の生命力は凄いとも思う。白血病から、あのどん底の体調から、ゆっくりではあるがしっかりと回復することができる。こうして今日も日常生活が送れることに感謝である。


