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この大敗で毛利元就(もうりもとなり)は命からがら敗走したのだ。
元就さんは九州の大友軍との戦いもあって、尼子との戦いを一旦退却を決めたんだよね。退却の時に尼子軍に襲われたんだ。
10月になり尼子晴久(あまこはるひさ)は自らの居城、出雲の月山富田城(がっさんとだじょう)に帰還した。
月山富田城絵図(画像はお借りしました)
晴久「わっはははははっ!」
晴久は上機嫌に酒を飲んでいた。それに嫡男の義久(よしひさ)と家臣の宇山久兼(うやまひさかね)が付き合っていた。
久兼「殿、ご機嫌ですな。」
晴久「石見銀山(いわみぎんざん)を守れただけでなく元就が尻尾を巻いて逃げたのだぞ。こんな嬉しいことはない。」
義久「また攻めてくるのでは?」
晴久「その時はまた尼子の力を見せつけてやる。その上で元就の首を取ってやろうぞ。まぁ、義久も飲め!」
晴久は義久に酌をした。
久兼「ところで此度の合戦で吉川元春の姿が見えませんでしたが…討ち取ったのでしょうか?」
晴久「元春、影が討ったのであろう。いずれ影も戻ってくる。それより、わしは気分が良い。久兼も飲め!」
尼子晴久
晴久は上機嫌に酒を飲み、酔い、うたた寝をしていた。
義久も久兼もその場を離れた。
そこへ…
「殿…」
「殿、申し上げます。」
晴久は寝ぼけ眼で、
晴久「…んっん、弥太郎(やたろう)か?」
弥太郎「はい、ただいま戻りました。」
晴久「おぉ、弥太郎。此度はご苦労であった。元春は討ち取ったのか?」
弥太郎「はい…ただ私1人では元春を討つのは至難の業なので、手助けのものを使いました。」
晴久「ほぉ、そのものも忍びか?」
弥太郎「武士にございます。そのもの、殿に仕官したく今宵連れてきておりまする。お目通り叶いますか?」
晴久「よいよい。連れてまいれ。」
弥太郎「…入れ。」
弥太郎の後ろに1人の武士が現れた。
「お初にお目にかかります。」
晴久はマジマジと見た。
晴久「暗いせいか、よく見えぬ。もそっと近くに来い。」
その武士は晴久の前に来て平伏した。
晴久「ん、此度は吉川元春を討ち取ってくれたそうな…名をなんと申す?」
その武士はゆっくりと顔を上げ、
「名は…元春、吉川元春を申す!」
つづく…
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