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天下を競望せず…
わしは吉川元春(きっかわもとはる)の三男広家(ひろいえ)です。
毛利(もうり)軍の奇襲で大軍の陶(すえ)軍は大混乱、兵たちは我先と逃げていた。
元春の吉川隊は陶晴賢(すえはるかた)を追いかけていた。
「ここから先は行かさん!!」
吉川隊の前に現れたのは陶軍の弘中隆包(ひろなかたかかね)とその隊であった。
ガチッ!!
隆包「元春!!行かさんぞ!!」
元春「そなたを斬るまでだ!!隆包!!」
元春と隆包はかつて大内館で剣術を競い合う仲であったのだ。
弘中隊と交戦する吉川隊は陶軍の別隊に横から攻められ不利になった。
しかし、そこへ新たな兵が駆けつけた。
「元春殿!!助勢致す!」
その声は元春の義父である熊谷信直(くまがやのぶなお)であった。
熊谷隊の助勢で吉川隊は弘中隊を退却にまで追い込んだのだ。
弘中隊は吉川隊の前進を阻止すべく、ついには火を放ったのだ。
それを見た元春は、
元春「いかん!厳島神社に火が移ってはいかん!」
ここで家臣の福原元正(ふくはらもとまさ)が、
元正「殿!ここはわしが火を消しまする!殿は追撃してくだされ!!」
元春「いや、まずは消火だ!!追撃はその後だ!!」
火は消され厳島神社は無事であった。
一方、逃げた晴賢は大元浦まで来ていた。
晴賢「はぁはぁ…船は…」
そこには使える船は無かったのだ。
そこへ小早川隆景(こばやかわたかかげ)の手勢が追いついてきたのだ。
隆景「晴賢!!覚悟!!」
晴賢「くっ!!」
晴賢は苦戦したが、家臣の三浦房清(みうらふさきよ)の手勢が割って入ってきた。
房清「殿には手を出させん!!殿!逃げてくだされ!!」
房清の隊の抵抗は激しく隆景は手傷を負うほどだった。
そこへ消火を終えた吉川隊が追撃してきた。
元春「隆景!!」
隆景「兄上!!」
吉川隊の合流で形勢は逆転、房清は討死したのだ。
元春「隆景、陶殿は?」
隆景「逃げられました。しかし、厳島からは逃げられますまい。村上水軍(むらかみすいぐん)が陶方の船を全て沈めましたゆえ。」
ごく僅かな近習に守られた晴賢は大江浦まで来た。
晴賢「船は…」
ここにも船は無かったのだ…
つづく…
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