天狗将軍 〜第64話 雪国の爺さま〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

前回まではこちら⬇️




世は争乱…

我は室町幕府、第9代征夷大将軍・足利義尚(あしかがよしひさ)である。



細川政元(ほそかわまさもと)や紗奈(さな)らはようやく雪の越後国に着いた。

コアラ政元さんは東国旅行してるんだよ



政元「季節は春なのに越後はまだ雪がこんなにあるのか…」

紗奈「京とは大違い、これが雪国なんですね…上杉房定(うえすぎふささだ)様の館はどちらでしょう…」


しばらく歩いていると山村が見えてきた。

あちらこちで雪かきをしている。


政元「人に出会えた。上杉の館の場所を聞いてみよう。」


同行していた政元の家臣、薬師寺元一(やくしじもといち)が、

元一「殿、私があちらの爺さまに聞いてきます。」



コアラ元一くんはまだ14歳、幼くして政元さんに仕えているんだよ



元一は薪を背負った老人に声をかけた。



元一「これ、この辺りに上杉様の御館はあるか?」

老人「ん?上杉の館をお探しか?そなたら、どこから来たんだ?」

元一「我らは京から来たのだ。」

老人「…そうか…上杉の館なら、わしも今から向かうところじゃ。ついてなされ。」


そう言うと老人は歩きだした。


元一は政元に、

元一「殿、爺さまが案内してくれるそうです。」

政元「あの老人…何者だ?」

元一「館に仕える老人でしょう。さっ、行きましょう。」




しばらくすると館に着いた。

老人「こちらが上杉の館じゃ。」

元一「爺さま、礼を申す。」


すると老人が館の中に入っていき、

老人「さて…そなたらが細川殿の御一行かの?」

元一「なぜ、それを…?」

政元「…あなたが…上杉房定殿では?」

老人「遠路はるばるよう来たなぁ、細川殿。わしが上杉房定だ。」


元一は驚いた。


房定「中に上がられて、ひと息休まれよ。」



政元らは館の居間に通された。


しばらくして房定が現れた。先程の百姓姿と違い、見るからに武士といった姿であった。



房定「改めて…わしが上杉房定でごさる」

政元「先程は失礼いたしました。わしが細川政元です。」

房定「あらかじめ、政元殿が来られることは聞いておった。雪国は初めてか?」

政元「はい、春というに、こんなに雪が残っているとは驚きです。知らぬとは怖いものです。」

房定「百聞は一見に如かず…よい経験になったであろう。」

政元「房定殿、2人で話がしたい…」

房定「ほぉ…」


政元は紗奈や元一らを下がらせた。房定も人払いをした。



房定「さて、2人っきりになりましたぞ。」

政元「…わしに与してほしいのです。」

房定「わしに?何をするのだ?」


政元はひと息つき、


政元「将軍、足利義材(あしかがよしき)様を追放いたす!」



房定は驚いた…。






つづく…
コアラ次回をお楽しみに〜






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