世は争乱…
我は室町幕府、第9代征夷大将軍・足利義尚(あしかがよしひさ)である。
細川政元(ほそかわまさもと)や紗奈(さな)らはようやく雪の越後国に着いた。
政元「季節は春なのに越後はまだ雪がこんなにあるのか…」
紗奈「京とは大違い、これが雪国なんですね…上杉房定(うえすぎふささだ)様の館はどちらでしょう…」
しばらく歩いていると山村が見えてきた。
あちらこちで雪かきをしている。
政元「人に出会えた。上杉の館の場所を聞いてみよう。」
同行していた政元の家臣、薬師寺元一(やくしじもといち)が、
元一「殿、私があちらの爺さまに聞いてきます。」
元一は薪を背負った老人に声をかけた。
元一「これ、この辺りに上杉様の御館はあるか?」
老人「ん?上杉の館をお探しか?そなたら、どこから来たんだ?」
元一「我らは京から来たのだ。」
老人「…そうか…上杉の館なら、わしも今から向かうところじゃ。ついてなされ。」
そう言うと老人は歩きだした。
元一は政元に、
元一「殿、爺さまが案内してくれるそうです。」
政元「あの老人…何者だ?」
元一「館に仕える老人でしょう。さっ、行きましょう。」
しばらくすると館に着いた。
老人「こちらが上杉の館じゃ。」
元一「爺さま、礼を申す。」
すると老人が館の中に入っていき、
老人「さて…そなたらが細川殿の御一行かの?」
元一「なぜ、それを…?」
政元「…あなたが…上杉房定殿では?」
老人「遠路はるばるよう来たなぁ、細川殿。わしが上杉房定だ。」
元一は驚いた。
房定「中に上がられて、ひと息休まれよ。」
政元らは館の居間に通された。
しばらくして房定が現れた。先程の百姓姿と違い、見るからに武士といった姿であった。
政元「先程は失礼いたしました。わしが細川政元です。」
房定「あらかじめ、政元殿が来られることは聞いておった。雪国は初めてか?」
政元「はい、春というに、こんなに雪が残っているとは驚きです。知らぬとは怖いものです。」
房定「百聞は一見に如かず…よい経験になったであろう。」
政元「房定殿、2人で話がしたい…」
房定「ほぉ…」
政元は紗奈や元一らを下がらせた。房定も人払いをした。
房定「さて、2人っきりになりましたぞ。」
政元「…わしに与してほしいのです。」
房定「わしに?何をするのだ?」
政元はひと息つき、
政元「将軍、足利義材(あしかがよしき)様を追放いたす!」
房定は驚いた…。
つづく…
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