世は争乱…
我は室町幕府、第9代征夷大将軍・足利義尚(あしかがよしひさ)である。
政元「崇徳上皇(すとくじょうこう)様が讃岐の守り神?」
細川政元(ほそかわまさもと)は讃岐国の国人・植田景綱(うえだかげつな)から意外な名前を聞いたのだった。
意外な名前に政元の家臣・上原賢家(うえはらかたいえ)と紗奈(さな)もいささか驚いた。
紗奈「崇徳上皇様は保元の乱(ほうげんのらん)に敗れ、讃岐に流され、この地で亡くなりました…。」
景綱「はい、しかし亡くなられた後、讃岐…いや四国の守り神となりました。かつて細川頼之(ほそかわよりゆき)公は崇徳上皇様の菩提を弔い、四国平定を成し遂げました。我が御館様の細川の守り神でもあります。」
政元は内心、
政元『確か、その話は聞いていた。我が祖、頼之公以来の守り神だと…』
政元「我らも崇徳上皇様の菩提に参ろう。」
景綱「讃岐にきたのだから、それがよい。ところで…畿内から来たのなら、京の我が御館の細川様には会ったことはおありか?」
賢家「えっ…と、細川様の当主のことかな?」
景綱「はい、今の当主は…政元様だが…まだお若いと聞いておる。」
政元は賢家が話そうとするのを遮って話し始めた。
政元「いえ…我らのような旅の商人には機会がごさいませぬ。景綱殿は会いたいと?」
景綱「わしはかつて先代の勝元(かつもと)を尊敬していたのだ…実は勝元様を最近見かけたのだ。」
政元「父…いや勝元様?確か勝元様は亡くなられたはず…」
景綱「先月のこと、春日川で今日のように水汲みをしている時に向こう岸から、こちらを見ていたのだ。」
紗奈「まさか…他人のそら似では?」
景綱「わしは尊敬する勝元様を見間違いはしない。だから政元様に会って勝元様は本当に亡くなったのか聞いてみたいのだ。」
政元は唖然とした。
『亡くなった父が生きている?そんなはずはない!』
政元は動揺する気持ちを隠し、
政元「我らが京に行くことがあれば聞いてみよう。」
景綱「頼みます。」
政元らは景綱に別れを告げ、崇徳上皇様の菩提に向かった。
賢家「勝元様が生きているわけはありませぬ。一体、景綱は何を見たんだろうか?」
政元「…うむ…」
政元は歩きながら、あることを考えていた。
『まさか…わしの前に現れていた天狗…父では…』
つづく…
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