天狗将軍 〜第12話 勝元の苦悩〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

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世は争乱…

我は室町幕府、第9代征夷大将軍・足利義尚(あしかがよしひさ)である。



文明5年(1473年)3月18日、山名宗全(やまなそうぜん)死去。

山名宗全



細川勝元(ほそかわかつもと)と聡明丸(そうめいまる、後の政元〔まさもと〕)は(さと)から、そのことを知った。

コアラ里さんは勝元さんの正妻であり、宗全さんの養女なんだよね



勝元「死因はなんだ?」

里「前年に自害をされようとした時の傷が悪化したと…」

勝元「……こうも簡単に雌雄を決した相手が亡くなるとは…」

聡明丸「お祖父様…」


聡明丸は前年に宗全と最後に会った時の笑顔を思い出していた。


里は泣き崩れ…

里「殿、父は乱を起こしたことに強く責任を感じ、終わらせることを、和睦を強く望んでおられました。」

勝元「うむ…わしも同じ思いだ。」

里「父の願い、叶えてくださりませ。」



里は実父・山名熙高(やまなひろたか)を嘉吉元年に嘉吉の乱(かきつのらん)で亡くなっており、宗全が引き取り育てたのだ。

コアラ里さんとしては、宗全さんは実の父親と同じ…いやそれ以上の存在だったんだね






勝元は悩んだ。宗全亡き後、西軍は主戦派が台頭すると予想され、これでは和睦が難しいと思われたからだ。


さらに勝元の東軍では、宗全が亡くなった今こそ西軍を攻める好機と見る諸将もいたのだ。


勝元「…もはや、これまでか…」


細川勝元




その後、勝元はお堂に籠ることが多くなり、人前には姿を見せなくなった。








同年5月、勝元は聡明丸を連れて、ある場所へ行った。


聡明丸「父上、ここは?」


そこは寺の焼け跡だった。




勝元「ここはかつて、わしが建立した寺があったのだ。名を龍安寺(りょうあんじ)と申す。」

コアラ龍安寺は宝徳2年(1450年)に創建した禅寺なんだ。


聡明丸「龍安寺…乱で焼けてしまったのですね。」


勝元「うむ…そなたに見せたいものがある。」



そういうと勝元は歩き出し、綺麗な庭地へ出た。

聡明丸「これは…」



その庭には複数の石が点在していたのだ…。





つづく…
コアラ次回をお楽しみに〜





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