世は争乱…
我は室町幕府、第9代征夷大将軍・足利義尚(あしかがよしひさ)である。
文明5年(1473年)3月18日、山名宗全(やまなそうぜん)死去。
細川勝元(ほそかわかつもと)と聡明丸(そうめいまる、後の政元〔まさもと〕)は里(さと)から、そのことを知った。
![コアラ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/163.png)
勝元「死因はなんだ?」
里「前年に自害をされようとした時の傷が悪化したと…」
勝元「……こうも簡単に雌雄を決した相手が亡くなるとは…」
聡明丸「お祖父様…」
聡明丸は前年に宗全と最後に会った時の笑顔を思い出していた。
里は泣き崩れ…
里「殿、父は乱を起こしたことに強く責任を感じ、終わらせることを、和睦を強く望んでおられました。」
勝元「うむ…わしも同じ思いだ。」
里「父の願い、叶えてくださりませ。」
里は実父・山名熙高(やまなひろたか)を嘉吉元年に嘉吉の乱(かきつのらん)で亡くなっており、宗全が引き取り育てたのだ。
![コアラ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/163.png)
勝元は悩んだ。宗全亡き後、西軍は主戦派が台頭すると予想され、これでは和睦が難しいと思われたからだ。
さらに勝元の東軍では、宗全が亡くなった今こそ西軍を攻める好機と見る諸将もいたのだ。
勝元「…もはや、これまでか…」
その後、勝元はお堂に籠ることが多くなり、人前には姿を見せなくなった。
同年5月、勝元は聡明丸を連れて、ある場所へ行った。
聡明丸「父上、ここは?」
そこは寺の焼け跡だった。
勝元「ここはかつて、わしが建立した寺があったのだ。名を龍安寺(りょうあんじ)と申す。」
![コアラ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/163.png)
聡明丸「龍安寺…乱で焼けてしまったのですね。」
勝元「うむ…そなたに見せたいものがある。」
そういうと勝元は歩き出し、綺麗な庭地へ出た。
聡明丸「これは…」
その庭には複数の石が点在していたのだ…。
つづく…
![コアラ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/163.png)
にほんブログ村
![コアラ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/163.png)