諸行無常の世の中…
我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。
1229年、長雨と冷夏による天候不順が続き…
作物の育ちが悪く…
ついには飢饉になる地域が出てきたのです。
泰時は至急に評定を開きました。
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時房「奥州では飢饉になったところがあると聞く。」
三浦義村(みうらよしむら)「うむ。昨年来よりの天候不順のせいで米や作物がまともに育たんのだろう。」
中原師員(なかはらのもろかず)「不穏なことの前触れ…」
泰時「ここは…まずは作物を飢饉の起こっている村々に運びましょう。民を救うのが最優先。」
義村「しかし、運ぶというても、そうすれば鎌倉に作物がなくなるのでは?」
泰時「自然災害の起きていない各地の御家人に命じ、運ばせるのです。」
時房「東海道や西国なら作物に余力はあるでしょう。」
泰時「さらに我らも倹約して少しでも作物を送るのです。我らの姿勢を皆に見せねばなりませぬ。」
泰時は自ら率先して質素倹約に努めたのです。
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この頃、鎌倉の名越にある北条朝時(ほうじょうともとき)の館では朝時とその嫡男・光時(みつとき)が言い争っていました。
光時「父上、我らは北条の嫡流ではありませぬか!なぜ庶流の泰時叔父が嫡流になっているのですか!?」
朝時「今さら何を言うのだ!」
光時「父上が祖父・義時(よしとき)様に義絶なれなけば…」
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朝時「終わった話をいつまでも言うな!…泰時兄のおかげでわしは今、こうして鎌倉にいられるのだぞ。」
光時「私にはわかりませぬ。家督を奪って嫡流になればよいのです!」
光時はそういうと、その場から去ってしまいました。
朝時「光時め…変なことをしなけばよいが…」
泰時らが運んだ作物が功をそうし、飢饉の村は助かり落ち着きを見せました。
…が天候不順はさらに続いたのです。
そう…飢饉は終わりではなかったのです。
1230年になり、泰時はある決心をします。
泰時の嫡男であり京にいる時氏(ときうじ)を鎌倉に戻すことにしたのです…。
つづく…
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