白の執権 〜第120話 見捨てる上皇〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

前回まではこちら⬇️





諸行無常の世の中…

我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。



京に突入した泰時率いる幕府軍。

コアラ京に集結した幕府軍は19万なんだ。

かたや突破された朝廷軍の藤原秀康(ふじわらのひでやす)、三浦胤義(みうらたねよし)、山田重忠(やまだしげただ)らは後鳥羽上皇(ごとばじょうこう)様がいる御所に駆けつけました。


しかし…


御所の門は固く閉ざされていたのです。


「開門!!」

秀康は大声で叫びますが、門が開く気配はありません。


胤義「門を開けてくれぬとは…まさか上皇様は…見捨てられたか…」

秀康「そんな…」


秀康や重忠は何度も門を叩き叫びましたが…


重忠「もはや、これまで…大臆病な主上に騙されたわ!!」




秀康、胤義、重忠らは残った朝廷軍の武士と共に東寺に立て籠もりました。


現在の東寺

コアラちなみに東寺は『古都京都の文化財』として世界遺産に登録されているんだよ。




一方、幕府軍は京に乱入し朝廷方の公家や武士の館に火を放っていたのです。



泰時の陣では叔父の時房(ときふさ)、三浦義村(みうらよしむら)が状勢を見ていました。


そんな時、泰時の家臣・尾藤弥助(びとうやすけ)が陣に駆け込んできました。

弥助「泰時様、御所の後鳥羽上皇様の使者より書状を預かってきました。」

泰時「上皇様から…」


泰時はその書状を読みました。

義村「上皇様はなんと?」

泰時「…此度のことは全て謀臣の企て、義時(よしとき)追討は取り消し、謀臣の藤原秀康、三浦胤義らの逮捕を命じる…と言っておられる。」

コアラ謀臣ってはかりごとをめぐらす家臣のことだね。

時房「上皇に尽くした武士らを見捨てるのか…御自らがお命じになったのに、なんと身勝手な上皇…」

泰時「ならば!東寺を攻めましょう!義村殿、頼みます。」

義村「うむ。我が愚弟も東寺におる。わしに任せておけ!」



義村は軍勢率いて東寺に向かいました。



時房「泰時殿、我らはどうされる?」

泰時「我らは身勝手な上皇様の元へ参ります。御所を囲みます!」





義村率いる幕府軍は東寺を攻め、秀康、重忠は敗走し、胤義は奮戦したが…



胤義「兄上が最後の相手とは本望だった…されど…もはやこれまで!」


胤義は自害したのです。






一方、御所を幕府軍に囲まれた後鳥羽上皇様は…

後鳥羽「なぜ泰時が大軍で御所を囲むのじゃ?どうするのじゃ…」


そこへ後鳥羽上皇の御子の土御門上皇(つちみかどじょうこう)様に仕える土御門定通(つちみかどさだみち)が来ました。

定通「幕府軍の総大将・北条泰時が上皇様に御目通りを願っております。」

後鳥羽「泰時!…あの東夷が…しかたあるまい。会ってやろう…」




泰時は後鳥羽上皇様と相対したのです…。






つづく…
コアラ次回をお楽しみに〜




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