諸行無常の世の中…
我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。
「出陣!!」
声が響き、東海道方面の泰時らが鎌倉を出発しました。
急な派兵であった為、泰時は18騎で出陣したのです。
泰時さんは東海道から京に行くんだ。他に東山道、北陸道からも京に行く兵がいるんだよ。3箇所から京に向かうんだね。
泰時には叔父であり、義時の弟・北条時房(ほうじょうときふさ)が付いていました。
泰時は少し浮かない表情をしていました。
時房「泰時殿、出陣の晴れ舞台にどうされた?浮かない顔をしておるぞ。」
泰時「これは…申し訳ない。……叔父上、兵をこのまま進めてくだされ。私は一旦、鎌倉に戻ります。」
時房「どうされた?」
泰時「父上に聞きたいことがあるゆえ。すぐ戻ります。頼みます。」
そう言うと泰時は馬を鎌倉に向けて走らせました。
鎌倉に着いた泰時は御所にいた義時の元に行きました。
義時「泰時!総大将が1人で戻ってくるとはいかがした!?」
泰時「父上にお尋ねしたいことがございます。此度の戦、帝、自ら兵を率いてきたら…その時はいかがしましょうや?」
義時「帝、御自ら…」
義時は少し考え…
義時「帝には弓は引けぬ。その時は鎧を脱ぎ、弓の弦を切って降伏せよ。」
泰時「戦わぬと…」
義時「うむ、ただ京より兵だけを送ってくるのであれば、力いっぱい戦うのだ!」
泰時は義時の言葉を聞いて、
泰時「かしこまりました!!では行ってまいります!」
吹っ切れた様子の泰時はすぐさま出発し東海道を進む軍勢に追いつきました。
泰時が軍勢に合流した頃は兵の数が増えていました。
幕府軍には道々に兵が集まってきており、最終的には19万騎になったのです。
一方、京では…
「何!? 鎌倉の軍が出撃しただと!」
後鳥羽上皇(ごとばじょうこう)様の声が御所に響きました。
後鳥羽上皇様だけでなく、順徳上皇(じゅんとくじょうこう)様も驚いていました。
後鳥羽「秀康(ひでやす)、どういうことだ?義時追討の院宣を出せば鎌倉の武士たちは朕に従うのではなかったか⁈」
順徳「義時に従う武士はいないはずではないのか⁈」
藤原秀康は何も答えられず、あたふたするばかり。
朝廷方は予測しなかった幕府軍の出撃に狼狽したのです。
後鳥羽「秀康!こちらも出撃するのじゃ!京に入れてはならぬぞ!」
秀康「はっ!集まっている兵で迎え撃ちまする!」
朝廷方は秀康を総大将とし出撃したのです。その数、1万7500期余りでした…。
つづく…
次回をお楽しみに〜
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