白の執権 〜第101話 間者の正体〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

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諸行無常の世の中…

我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。




1218年12月、源実朝(みなもとのさねとも)様は右大臣に任じられました。

源実朝



コアラ百人一首で鎌倉右大臣ってあるけど実朝さんのことだね。



政子(まさこ)様や御台所の信子(のぶこ)様、執権・北条義時(ほうじょうよしとき)らは喜びました。


泰時は相変わらず三浦氏(みうらし)の家臣、伊原光吉(いはらみつよし)のことが気になっていました。


そんな泰時に私からの文が届きました。それは泰時が知りたかったことを書いたのです。




私と泰時の家臣、尾藤弥助(びとうやすけ)が調べたところによると、伊原光吉は西面武士(せいめんのぶし)の藤原秀康(ふじわらのひでやす)の弟だったのです。


コアラ秀康さんには秀能(ひでよし)、秀澄(ひでずみ)の2人の弟はいるけど…光吉さんは物語だけの架空の人物なんだよね。



光吉はいつの頃からは不明だが、京から消えていたのです。



泰時『やはり光吉は京からの間者だ、三浦の人間は知らなぬのか?』




泰時は三浦の館に向かいました。



館には当主・三浦義村(みうらよしむら)がいました。


義村「おぉ、泰時殿、いかがされた?」

泰時「義村殿、聞きたいことがあって参りました。義村殿の家臣、伊原光吉のことだが…」

義村「光吉…実は光吉はここ数日間、姿が見えぬのだ。」

泰時「逃げたと?」

義村「うむ、面目ない限りだが、光吉が何かしたか?」

泰時「光吉は京の西面武士、藤原秀康の弟です…つまり京からの間者…」

義村「何⁉︎ 間者とは…奴の目的はなんだ?」

泰時「わかりませぬ…しかし、逃げたとなると、何か動きがあるはず。」

義村「今は…鎌倉殿の右大臣就任。それと光吉がどう関係するのか?」



泰時と義村は考え込みました。





一方、公暁(くぎょう)は鶴岡八幡宮(つがおかはちまんぐう)で参籠を続けていました。


公暁は髪も下ろさず、髭も伸びたままの状態で僧侶には見えませんでした。


祈祷をしている公暁に暗闇から声が聞こえてきました。

暗闇の声「実朝は右大臣になり就任式がある。そこが狙いだ…」

公暁「……実朝の人柄は優しい。その実朝が父を殺したと思えぬが…」

暗闇の声「いまさら何を言う⁉︎ そなたの父、源頼家(みなもとのよりいえ)を幕府から追い出し、暗殺を命じたのは実朝だ!」

公暁「………」

暗闇の声「右大臣就任式の詳しいことがわかったら、また来る…」



暗闇の声が消えました。

公暁は不安になっていました…。







つづく…
コアラ次回をお楽しみに〜




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