諸行無常の世の中…
我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。
泰時と妻・優子(ゆうこ)が離婚して、3年が過ぎ1210年の暮れが近づいていました。
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京では後鳥羽上皇(ごとばじょうこう)様が相変わらず歌詠みに熱中していました。
そんな上皇様にある男が側にいました。
後鳥羽「鎌倉の様子はどうだ?」
男「変わった様子はございません。将軍の源実朝(みなもとのさねとも)も歌詠みに熱中しております。」
後鳥羽「ほう、それは良いことじゃの。武士の頂点である将軍が歌詠み好き……ところで北条の若僧…泰時は何をしておる?」
男「ずっと付けておりますが…新たに妻を迎えたようです。」
後鳥羽「一度離縁したのだのう、泰時からは目を離すでないぞ…そろそろこちらも準備を始めねばならぬのう。」
この後、上皇様は土御門天皇(つちみかどてんのう)様を譲位させ、新たに自らの第3の皇子を即位させたのです。
新たに順徳天皇(じゅんとくてんのう)様が誕生しました。
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鎌倉では泰時が新たに妻を迎えていました。
その妻は御家人、安保実員(あぼさねかず)の娘の佐奈子(さなこ)でした。
泰時「そなたの祖父、実光(さねみつ)殿は源頼朝(みなもとのよりとも)様に従い、一ノ谷や奥州で戦った強者。その家と結ばれるとは心強い。…一つ頼みがある。」
佐奈子「頼みとは?」
泰時「わしには前妻の子、太郎(たろう)がおる。太郎を我が子のように接してくれ。甘やかすだけでなく時には厳しくな。」
佐奈子「心しておきます。殿は安心してください。」
再婚したのは泰時だけではありませんでした。泰時の前妻、優子も実父・義村の命で再婚していました。
相手は三浦一族の佐原盛連(さはらもりつら)でした。
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しかし、泰時と優子は文で連絡は取り合っていたのです。
1211年になり、私にも結婚の話が来ました…。
つづく…
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