世は群雄割拠の戦国時代。
わしは北条氏康(ほうじょううじやす)です。
1571年12月、わしの死後、武田(たけだ)との同盟が再び結ばれたのを見て綱成(つなしげ)は氏政(うじまさ)に隠居を申し出ました。
氏政「隠居をしたいと?」
綱成「亡くなった大殿と我らは退こうと話し合っておりました。我が後は嫡男の康成(やすしげ)に任せとうございます。」
氏政「康成はよく仕えてくれておるが…」
綱成「私も56、北条は御館様や氏照(うじてる)様、氏邦(うじくに)様の時代です。康成も微力ながら一緒に北条家を支える時なのでございます。私は隠居し影ながら微力を尽くす所存です。」
氏政は綱成をじっと見つめて、
氏政「…父上の申したとおりだったな。」
綱成「大殿が申されたこととは?」
氏政「父上は亡くなる前にこう申された…」
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氏康「氏政、わしが死んだら綱成は隠居したいと言ってくるだろう」
氏政「なんと?関東平定には綱成にはまだ活躍してほしいと思っているのですが…」
氏康「綱成はわしと同い年だぞ。此度の深沢城(ふかざわじょう)の守りが最後の務めだ。それに氏政、氏照、氏邦そして綱成の嫡男・康成の時代だぞ。」
氏政「…隠居を申し出てきたら許せと?」
氏康「うむ。わしからも頼む。綱成は北条家に来る前から戦に立ち向かっているのだ。もう50年近くにもなる。ゆるりとさせてやってくれ。」
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綱成は氏政の話に感じ入ったのか、うつむいていました。
氏政「父上の頼みでもある…綱成、隠居を認めよう。」
綱成「御館様、ありがとうございます。」
氏政「長年仕えてくれて礼を言う。ただ康成の補佐は頼むぞ。」
綱成「はっ。」
氏政は綱成に頭を下げ礼をしました。
綱成は家督を康成に譲り、隠居しました。
さらに剃髪、出家し上総入道道感(かずざにゅうどうどうかん)と名乗りました。
しかし隠居した綱成には隠居後、悲しい出来事が待っていたのです…。
つづく…
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