世は群雄割拠の戦国時代。
わしは北条氏康(ほうじょううじやす)です。
1570年12月、深沢城(ふかざわじょう)に籠城した綱成(つなしげ)は嫡男の康成(やすしげ)と共に城を包囲した武田信玄(たけだしんげん)の軍勢の攻めを凌いでいました。
康成「父上、このままだと武田軍は小田原城(おだわらじょう)を包囲した時と同じように退却するのでは?」
綱成「そう願いたいが、信玄はこの城を奪い取りたいだろう。引き退るとは思えぬ。小田原には援軍を要請したか?」
康成「はい。援軍が来れば我々が有利になります。」
綱成は「信玄がこのまま終わるわけがない」と一抹の不安を感じていました。
さらに綱成から武田の内情を調べるよう密命を受けた忍びの美咲(みさき)は今だ戻ってきてはいませんでした。
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そして綱成の不安は的中したのです。
ボコッ!ガガァッ!ダダァッ!
康成「何だ⁈ この音は?」
家臣が慌てて、走ってきました。
家臣「若殿!二ノ丸の城壁が崩れています!」
康成「何⁉︎ 」
さらに崩れた城壁の脇から武田軍が攻めてきたのです。
家臣「武田軍が城内に入ってきました!」
康成「!!どこから来たのだ⁈」
綱成「武田軍を城内から追い出せ!!康成、行くぞ!!」
綱成は二ノ丸に走り、武田軍の兵を斬っていったのです。
城内に侵入した武田軍の兵はわずかだったので、綱成らは侵入から防ぎました。
綱成「康成、見よ。この穴から城内に入ってきたようだ。」
康成「地下を掘ってくるとは…では城壁が崩れたのも地下から地盤を崩したからでは⁉︎」
綱成「そのとおりだ。武田には金山衆という金掘りがいる。それらを使ったのだ。」
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その後、城壁の無くなった深沢城の二ノ丸は武田軍に落とされてしまいます。
綱成「地下から攻めてくるとは…どこから来るかわからぬ。これでは防ぎようがない!」
本丸のみとなった深沢城、綱成らは必死になり武田軍と攻防を繰り広げていました。
そんな夜、深沢城に矢が飛んできたのです。
その矢文は信玄からだったのです…。
つづく…
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