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63番 体の異常な症状に気づくと

63番の詩。膵臓に陰があるのを心配している友人を思いながら。

 

体の異常な症状に気づくと

とても心配になる。

癌ではないかと思うと

急に死神を感じてしまう。

 

メメント•モリなどと言ってみても

何の慰めにもならない。

いつか死ぬことは分かっていても

死ぬ不安は取り除けない。

 

でも、症状は死ではない。

病気であるうちは

生き残る希望がある。

生きているうちは死は来ない。

 

病気は何かを教えてくれている。

何かをやり過ぎていることを、

何かが過剰なことを、

体の中のアンバランスを教えてくれている。

 

症状に謙虚に耳を傾けて、

自分の行いを反省し、過剰な行動を改めれば

症状はきっと改善する。

病気に感謝し、病気を愛することができる。

 

 

 

62番 若いお嬢さんたちのグループが

62番目の詩。欅坂46を聞きながら。

 

若いお嬢さんたちのグループが

世界には愛しかないと歌っている。

六十も過ぎて、僕は、

愛しかないと信じている。

 

若い時はといえば、

受験地獄と貧乏と

恋ばかりがあった。

世界には愛はなかった。

 

お金を稼ぐ身分になって、

僕はけっきょく

他者よりも豊かになろうと

仕事に明け暮れた。

 

大切な人たちも沢山いたのに

叱りつけることが僕の役目だと思い、

大声で怒鳴って震え上がらせた。

僕は怖がられていた。

 

若いお嬢さんたちが

世界には愛しかないと歌っている。

彼女たちに夢中になっている若者たちより、

今は、僕の方が愛を信じている。

 

 

 

61番 どうしても憎しみを捨てられず

61番目の詩。憎しみが人生を破滅に追いやるのを感じながら。

 

どうしても憎しみを捨てられず、

あなたは大切な人を独房に入れたまま。

あなたが憎んでいるのは大切な彼ではなく、

あなたを裏切った彼女。

 

あなたはただ一生懸命働いただけ、

何も裏切ることはしていない。

なのに彼女はあなたを憎み、

怒りを抑えきれなくなった。

 

仕方なく一緒になったと

彼女は思っている。

あなたは型にハメてしまえば、

自分の王国ができると思っていた。

 

長い間、あなたは王を演じていた。

長い間、彼女は王妃を演じていた。

長い間、お互い支配者になろうと闘っていた。

長い間、彼は二人の奴隷を演じていた。

 

あなたの大切な人は、今、独房で、

絶望と語り合いながら、

どうしても憎しみを捨てられないあなたが

愛に気づくのを待っている。