読書記録 2013年5月 | ひでのブログ

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おもいうかんだことをいろいろかきます

今月は7.25冊。堅めの本中心といきたかったが,やはり面白く読みやすい本に先に手が伸びてしまう。

光の教会―安藤忠雄の現場/建築資料研究社
¥1,995
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ひとりでは建物を建てることはできない。
デザイン設計・構造設計・予算管理・工程立案・施工など,
ひとつの建物に携わるいろんな人たちの人間模様が丁寧に描かれている。
綿密な取材に基づく記述と要所要所に過去のエピソードを織り込む明快ながらも創意に富む構成には,筆者自身が建築家であることも関係しているのだろうか。
予算という制約をむしろ楽しむかのように独創的なアイデアを繰り出す建築家と赤字をだしながらも自分の惚れ込んだ建築家の仕事を形にしようと奮闘する工務店社長,彼らに振り回されながらも自分の仕事をやり遂げたそれぞれのチームのメンバー。
依頼者の教会の人たちの織りなす人間模様もまた面白い。
実に「人間臭い」物語であり,世界的建築家がとても身近に思えるすばらしい本だ。
磯崎新の「都庁」―戦後日本最大のコンペ/文藝春秋
¥2,300
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「光の教会」と同じ著者の本で,同じく建築をテーマにしたノンフィクションであるが,全く毛色が異なる。
都庁は建物というよりはひとつの有機体であり,その社会が目指す未来像を具現化したものだ。あれだけの予算をつぎ込む事業であるからには,そこには必ず政治がある。丹下の政治とは,クライアントの要求にひとつの「軸」を設定し,それを圧倒的なスケールで描き出すやり方だ。それに対して磯崎の政治とは,アナーキーなAn-archie(無政府/無起源)な政治である。ドゥルーズにとっての哲学と同様,磯崎にとっての建築とは「概念を具現化すること」である。彼がことばにこだわるのは,彼が建築を通して生み出そうとするのが「概念」であるからだ。
さきの本がひとつの建物ができあがるまでのドキュメンタリーだとするなら,こちらは都市と社会をめぐるひとつの建築思想史であり,「目利き」岸田日出刀,「闘将」前川國男,「老獪な策略家」丹下健三,そして磯崎新とその弟子たちに連なる偉大な系譜を一望できる著作である。
非常に読み応えがあり,示唆に富んだ本だった。
バイバイ、ブラックバード (双葉文庫)/双葉社
¥680
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さすがです。キャラがたってる,それだけでもう面白い。
火ここになき灰/松籟社
¥2,520
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ずっと前,近所の本屋さんでなぜかデリダが売っていたので,衝動買いした。久しぶりに読んだが,久々のこの感覚にうれしくなってしまう。

Architecture Now!: 100 Contemporary Architects .../Taschen America Llc
¥1,101
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都市への権利 (ちくま学芸文庫)/筑摩書房
¥1,260
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これはなかなか難しかった。
何がテーマになっているのかさえ,分かりかねる。

報道記者のための取材基礎ハンドブック/リーダーズノート
¥1,365
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「敵と闘う」にせよ「共に闘う」にせよ,闘うにはまず相手を知ることから。
記事の書き方にはなかなかこれまで気づかなかったことも多い。


以下は読みかけの本
リチャード・ローティ=ポストモダンの魔術師 (講談社学術文庫)/講談社
¥1,680
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渡辺幹雄氏のローティに関する論文集。
2章の途中までを読んだ。
ここまではほぼロールズの正義論の弁護に捧げられている。(ロールズとローティは前から名前の雰囲気が紛らわしいと思っていたのだが,ほぼ同程度の頻度で両者の名前が出てくるため,少し混乱しそうになる。)1章と2章はあまりにも有名な「無知のヴェール」にまつわる誤解を解くために,その理論の道筋を辿り直しながら,ロールズの論理展開の失策と誤解の経緯を明らかにする「意欲作」だ。
ポストモダニストらしい大胆な論調(言っていることはけっこう普通だったりする)と秀才的な懇切丁寧な引用,執拗な論理展開が特徴的で,良くも悪くも優等生の「修士論文」といった趣の著作になってしまっているのが少し残念。テーマの性質かもしれないが。
ただし,サンデルを始めとするコミュニタリアンを小気味良く批判しているのが昨今の風潮としては新鮮か。
続きに期待したい。
来月は堅め路線を継続。
渡辺幹雄「リチャード・ローティ」
村上春樹「羊をめぐる冒険」
Kahneman: Thinking Fast&Slow
ゴンブリッチ「美術の物語」
マルタン「ドゥルーズ」
バルザック「谷間のゆり」
ジャーナリズム関係を数冊の予定で。