「流れ行くさきに ~3.11」 | フラメンコギタリスト樫原秀彦のブログ 

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日々の気づき
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変わるもの変わらないもの

「流れ行くさきに ~3.11」  4分31秒に込めた思い。

時として本能は思考を凌駕し、人として真の尊厳はその中に在ることを目の当たりにした。
あのとき確かに起こっていた亊が、心を静かに浄化していく様に温かく包み、
僕は何度も何度も泣いた。
寒さに震えている人が隣にいれば自分の毛布を手渡す。
僅かな水や食べ物しかなければ分かちあう。
自分の命が途絶える瞬間まで誰かの命を守ろうとする。
そこに大きな躊躇いはあったのだろうか?

心の奥深くで温かな声がするなら、その手を差しのべればいい。
もし誰かが手を差しのべてくれたなら、その手をしっかり握ってもいいんだ。
人は誰も心の中に愛を持っているのだから。

もう、多くの人が気づいているんじゃないか。何かがおかしい亊を。
様々な理由で心の中に元来、持っているものを抑制しているに過ぎない亊も。。。

9.11以後、世界は変わっただろうか?
生きる気力を奪われるには充分過ぎる社会の惨状。
その影で、息を潜め立ち上がる亊さえ出来ない人々を横目に飽食を貪り、我先に行かんとする。
抑制すべきはそんな亊なんじゃないか。

あまりにも自分達の亊で精一杯だったけれど。
気付いたら僕は絶望の中の住人になっていて、消えてしまいそうで、本当に悲しくて怖かったけれど、
まだ心の中に確かに残っている温かなものをもう一度だけ信じて生きてみよう。
今度こそ本当に変われるかもしれない。
僕達には勇気と覚悟を持って向かわなければならない未来がある筈だ。

流れ行くさきに、平穏な日々の中で
人々の愛が何の躊躇いもなく、凛と存在している世界になって欲しい。
この曲は僕のそんな思いで溢れています。