第五話「蔦に唐丸因果の蔓」、今回も目が離せませんでした。

ストーリーももちろん面白かったのですが、江戸の街の風景に釘付けになりました。

蔦屋重三郎と平賀源内が話しながら街を歩くシーン、二人の背景は細かく作ってありました。

 

ブランドマーク

二人の背景には、天秤で花や商品を売り歩くもの、俵を運ぶもの、店には大きな暖簾に屋号、源内が蔦重を連れて入ったお店の入り口には「書林」と大きく書かれたタペストリー(やはりこれも暖簾というのでしょうか)、何屋かがハッキリわかります。

暖簾には屋号のマーク、つまりブランドマークです。

こういうところに商いの基本を感じます。顧客に向いている商いをしていれば、自然とこのような形になると思います。顧客に向いているというのは、つまりがマーケティングです。

おそらく、このようなポイントは今後も画面の中で見ることができると思います。

 

国を開く

平賀源内が田沼意次のところに出向いた時のシーン、「いっそ国を開けば・・・」と話ます。開国まではまだ先の話ですが、例え話で二人の会話が始まります。

偉人と接すれば色んなことがはっきり分かる。物の価値、人の価値・・・。異国相手に商売すれば、値打ちのあるものを考える。世が変わる。と

 

その価値伝わるか

今現在商売になっていること、一歩地域を出れば、一歩海外に出れば、つまり一歩異なる市場に出れば今の商売の価値が伝わりますか? そんな厳しい問いかけのように聞こえました。

ネット販売も当てはまります。地域の実店舗では売れているけど、ネット販売では全く売れない。市場が異なりますから、当然、同じ商売の仕方が通用するとは限りません。

一旦自分の商売の存在価値を見直し、どういった人に、どういった価値を提供するのか、マーケティングの基本から考えねばなりません。

 

蔦重だけじゃない、物語の中には様々な気づきを与えれくれる要素がたくさんあります。次回も楽しみですね。

 

第四話「『雛形若菜』の甘い罠」、今回もマーケティングのヒントがありました。

このブログでは、ドラマの中からマーケティングのヒントとなるポイントに着眼し、ご案内しています。(一部ネタバレを含みます)

 

前回作成した「一目千本」により、吉原に客足が戻ってきたことを受け、旦那衆は更に客を呼び込もうと、錦絵の作成を蔦谷十三郎に持ちかけるところから話が始まります。

 

トレンドを読む

さて製作予算ですが、旦那衆は任せろと言っていましたが、結局そんなわけにもいかず、蔦重は資金を工面することに悩みます。

そんな時、街で出会った平賀源内にその話をしていた時、街の娘たちに注目します。

結った髷、帯の結び方、菊之丞(おそらく歌舞伎役者)の影響だと平賀源内がいいます。それに、着物の色や柄から呉服屋が儲かると。

錦絵の中の女郎に、呉服屋の着物を載せれば、資金は呉服屋から調達できるのでは。と蔦重は考えます。

 

錦絵とは浮世絵の一種で、多色刷りで鮮やかなものだったそうです。今では歴史の文化財ですが、当時はファッショントレンドを知る重要な情報源でもあったと思います。現代なら、ファッショントレンドをSNSでキャッチするように。

 

マーケティングとトレンド

マーケティングでは、市場の変化、つまりトレンドを捉え、その裏にあるニーズに応える価値を提供することが重要です。

トレンドをいち早くキャッチすることは、競争優位性を高めることに繋がります。わかりやすく例えれば、発掘した金山をいち早く掘り起こせるか。

ただし、一過性の流行に飛びつくだけではブームに終わってしまいます。トレンドの奥にあるニーズの本質を掴み、自社の価値と融合させ持続的なマーケティング戦略を立てることが重要です。

 

トレンドをキャッチする

私の行きつけの美容室の美容師さん、いつもおまかせカットなのですが、ネットはもちろん、ファッション雑誌やTVドラマの出演者などからヘアスタイルのトレンドを常にキャッチして提案してくれます。
そう、身近にキャッチする方法はいくらでもあります。
顧客のオーダーやクレームにもヒントはあります。「昨年までと、オーダーが違うぞ」と思ったら、それ今年のトレンドかも。
トレンドをキャッチしたら、自社(自店)の強み(提供する価値)とどう結びつけるか。
トレンドの向こうに、ビジネスチャンスが見えてきます。

 

 

 

第三話「千客万来『一目千本』」面白かったですね、今回もマーケティングのヒントがたくさんありました。(以下、ネタバレを含みます。)

 

企画し出資を募る

今回、蔦重は出資を募って作成する入銀本の企画を立てます。競い合って入銀額(出資額)を入れていくのですが、すごい企画を考えたものです。結果的にドラマでは多額の資金調達に成功します。

企画は、入銀本だけのことではありません、どの女郎に、どのようにプレゼンすれば、どのような結果が見込める、と言った動きをしています。これを瞬時に切り替えてやってのけるのですから、企画名人です。

 

コンテンツ制作

さて、資金は集まりました。目的は「吉原に人を呼ぶこと」つまり「集客」です。

人を呼ぶ本を作る必要があると、制作を進めます。

江戸時代ですから、紙面は文字と絵で作成します。で、絵を書いてもらうには「絵師」、今でいうイラストレイターに発注します。

 

出資が集まった分、掲載しなければならない出資者である女郎等がたくさんいます。ドラマでは120名と言っていましたが、120人も書くの!?と、絵師は思いますよね。そんなに書いたら、めくってもめくっても人ばっかりの本、面白くないですよね。

例えば、同じ業種ばかり集めた特集広告を作ろうと企画したとき、同じような内容が続くと・・・。

 

そこは蔦屋重三郎、見事に乗り切って「一目千本 華すまひ」が完成します。どう乗り切れたかはドラマに譲るとして、吉原のことをよく知っている蔦重だからこそ、できる技でした。

 

このシーンでは、コンテンツの重要性を説いています。この本の役割はなんでしたか? 役割から考えて、どんなコンテンツなら目的達成につながるか、コンテンツ企画のヒントになりますね。

 

目的からブレない

ドラマでも一貫して蔦重が言っていたのが、「吉原に人を呼びたい」ということ。作成した本はそのためのツールであり、目的ではありません。

 

ツールを作ることや使うことが目的になってしまうことって、ありがちです。例えば、パンフレットやホームページを作るとき、デザインなどの見かけばかりに力を入れて、そもそもの目的を見失うケースって、ありませんか?

蔦重は、「吉原に人を呼びたい」という思い一筋で、目的からブレることなくこの事業を成し遂げました。

 

ちなみに「一目千本 華すまひ」は、新規顧客獲得ツールです。これまで吉原に来たことがない人(潜在見込客)、しばらく来ていなかった人(休眠客)の掘り起こしになったと思います。

本を作るのが目的ではなく人を呼ぶことが目的、蔦重はブレずに成し遂げました。

 

 

※このテーマのイメージ画像を生成AIを使って作成しました。雰囲気はありますが、この人、何を持っているのでしょうね。(笑)

 

こちらもご覧ください。

 

 

 

 

第二話「吉原再見『嗚呼御江戸』」にも、マーケティングのヒントがありましたね。

 

蔦屋重三郎のことについて調べると、必ず「吉原細見」の話が出てきます。ドラマでも登場します。この吉原細見の巻頭の「序」(現代でいう、はじめに、の部分でしょうか)を平賀源内にお願いする、ということから物語が始まりました。

 

名コピーライター

平賀源内のエピソードで有名なのが「本日土用丑の日」と書いて鰻屋が繁盛したというエピソードは有名ですね。ドラマの中でも、平賀源内が書いた引札(現代でいうチラシ広告)の宣伝文句で売れた商品のことを描いていました。ヒット商品を生み出す人だから、ぜひお願いしたいと思いますよね。言ってみれば、「名コピーライター」。

平賀源内はコピーラーターではありませんが、多才な方だったようです。

 

リサーチ無くしてコピーは書けない

もしあなたが平賀源内だったとして、蔦谷十三郎からコピーを書いて欲しいと頼まれたらどうしますか?

サッと筆をとり、ササッと・・・書けますか? 私なら書けません。ではどうするか、吉原のことをよく知りたいですよね。ドラマでも蔦重とともに吉原に繰り出します。

さて、何を調べますか? 
そこがどんなところか、実体験から得るものは大きいですね、聞き取り(インタビュー)も重要です。「吉原のいいとこは?」とインタビュー。言葉を変えると、「あなたの会社の強みはなんですか?」。

さらに、どんな女郎がいるのか、どんな客が来ていて、どんな楽しみ方をしているのか・・・色々リサーチが必要です。ドラマでも描かれていました。

そして、無事平賀源内が書いた「序」は、蔦重のもとに届きました。

 

吉原再見をブラッシュアップ

この吉原細見、年2回発行されていたそうですが、ガイドブックだけに常に情報は新鮮でなければなりませんね。蔦重はそこにも目をつけました。「改め」とは、ブラッシュアップのこと。

情報を最新に保つことは、信頼に繋がります。吉原再見に持たせたい役割から考えれば、とても重要なことですね。

 

こうして出来上がった「吉原再見 嗚呼御江戸」、その続きはどうなりますか。

 

第一話のこちらもご覧ください。

 

 

※内容をまとめ直して改訂版といたしました。

 

 

2025年のNHK大河ドラマ「べらぼう」めっちゃ面白いですね。

大河ドラマは毎年、毎回欠かさず観ています。戦国時代や幕末の話も面白いのですが、今回の江戸時代、商人が江戸の経済に大きく影響を持っていた時代に焦点があてられたのは嬉しく思います。というのは、江戸商人のエピソードが大好きだからです。

P・ドラッカー氏の著書には、日本の江戸時代の商人によってマーケティングは発明された、といったことが書かれています。江戸商人が活躍していた時代のドラマ、きっとマーケティングのヒントがたくさんあるはずです。

 

さて、そんな期待を持って「べらぼう」を観ていると、ありました商売のヒント、マーケティングの話。あそこにも、ここにも! 毎回何かマーケティングのヒントを見つけ出すのも面白いと思い、ブログを書いていこうと思います。

タイトルは「大河ドラマ『べらぼう』de学ぶマーケティング入門」。専門的ではなく、誰にでも楽しんでいただけるよう、入門としました。毎回ドラマの中の話からシーンを取り上げ、私なりの視点でマーケティングのヒントをご案内していきます。また、一部ネタバレの部分もありますので、ご注意ください。

 

訪問営業でコミュニケーション

では早速初回放送第一話「ありがた山の寒がらす」から。

ドラマの初回放送では、主人公はもちろん、その背景や関わる人々の紹介をしながら話が進みます。

主人公の蔦谷十三郎は茶屋で働きながら貸本をしています。大きな風呂敷に本を包んで背負って、お得意さんを廻っていましたね。今でいう「訪問営業」でしょうか、馴染みの顧客とコミュニケーションを取りながら商売を進めています。

店舗を持たない商売は、積極的に顧客とコミュニケーションをとることが大切ですね。このコミュニケーションこそが固定客を産み、安定した経営につながります。また、このコミュニケーションから、顧客の情報やニーズをつかむスキルが磨かれていきます。この後、これが役に立つシーンが出てくるはずです。

 

何か人を呼ぶ工夫をしているのか

物語の山は、蔦重が田沼意次に警動を願い出るシーン。力説する蔦重に、田沼は蔦重に「何か人を呼ぶ工夫をしているのか」と問います。

ドラマは吉原を中心に話が進みますが、この吉原を「商店街」若くは、自店や商業地、市町などに置き換えてみてはいかがでしょうか。

ドラマのシーンを重ねると、自分たちの商店街の活性化を自治体に願い出ていくが、まず自分たちで何か努力をしているのか、と聞き返されるように捉えることもできます。

 

「何か人を呼ぶ工夫をしているのか」

ハッとした蔦重は、自分でどうすればいいかを考えます。

 

うまくいかない時、どうすればそれが実現できるか、自分がどう考え行動すれば実現できるか、まずは自分に問いかけること。この出発点が、マーケティングの始まりだと思います。