彼女の母親は南北戦争の際、敵味方問わず負傷兵の衛生環境を改善するため、地域の女性を結束させる活動をしていました。母親の死後、彼女は亡き母を偲んで教会に花を贈ります。その気持ちに感動した人々は、母をおぼえる日として毎年その日を祝ったそうです。これが母の日の起源と言われています。
御坊市内でスターチスなどを生産する斎藤さんはこのことを知り、自身が所属するJA紀州青年部の仲間たちと「フラワーボーイズ」を結成。母の日にお墓参りをする「母の日参り」を全国に広める活動を始めました。
「母の日参り」を通じて大切なものを伝えたいという斎藤さんに、これまでの活動や、今後の目標についてお聞きしました。
◆「母の日参り」を広める
― 現在のお仕事について教えてください。
御坊市はスターチスの出荷量日本一で、現在約120軒がスターチスを生産しています。うちもその一つなんですが、スターチスの出荷が終わった夏場には「斎藤農園」という屋号で小玉スイカやメロンなども生産しています。
特にメロンは今年から県内のふるさと納税の返礼品として使っていただけることになりました。メロンをブランド化し、和歌山から全国、世界に発信したいと思っています。
― 今の仕事に就いたきっかけは?
家が元々農業をやっていて、高校卒業後に県外で花の勉強をしたあと、地元に戻ってきました。家を継ぎたいと思った理由は、自分たちがつくった花や果物は人を笑顔にできると感じたからです。
― 確かに、大切な人に花束を贈ったりしますよね。
それからしばらくして、母の日の起源がお墓参りにあるということを知りました。スターチスは仏花としてよく使用される花なんです。自分たちの育てたスターチスを使い、「母の日参り」を通じて家族愛や命の大切さを伝えたいと感じました。
そこで、僕の所属するJA紀州青年部の有志で「フラワーボーイズ」を結成し、9年前から「母の日参り」をPRしています。
◆フラワーボーイズの活動
― 具体的にどのような活動を?
まずは自分たちのできることからやっていこうと思い、JR和歌山駅前で花束を配りました。母の日の起源がお墓参りということを知らない人がほとんどで、皆さん喜んでくれましたね。
それを何年か続けていたんですが、ある時、和歌山県知事が出席するパーティーに参加できることになったんです。そこでダメ元で知事に「母の日参り」のPRへの協力をお願いしたら、県と御坊市、JA、青年部からなるプロジェクトチームを作ることになって。
― すごい行動力ですね。
いきなりだったので、あとで怒られましたけどね。(笑)
また、2014年に「母の日参り」の商標登録をとり、花業界全体で自由に使えるようにしました。このことがきっかけで、色んな所からイベントへの出展やコラボレーションのお話をいただけるようになったんです。
他にもJAの全国青年大会で活動について発表させてもらったり、新聞等で紹介していただいたりしました。そうして賛同者を募った結果、31都道府県の花業界が「母の日参り」を実施してくれることになりました。
さらに今年から、日本の花のイベント等を手がける〝花の国日本協議会〟に認められ、新しい形の花育活動として全国展開していくことになりました。
本当に皆さんのおかげで広がっていると思います。
◆ぜひ「母の日参り」へ
― 今後の目標を教えてください。
「母の日参り」のことをより多くの人に知ってもらいたいと思っています。また知るだけじゃなくて、実際にお墓参りに行って欲しいですね。
アメリカでは母の日に家族でお墓参りに行く習慣が今でもあるそうです。お墓が遠くにあったり、あまりお墓参りに行かない人にとって、「母の日参り」がそのきっかけになれば嬉しいです。
「母の日参り」のポスターは、子供達にもわかりやすいように、花束に風船をつけて天まで届けるという意味を込めて作りました。
「花で愛を語り、より良い社会に」をスローガンに「母の日参り」を広めていき、皆さんが家族愛や命の大切さを考える機会にしていただきたいと思います。
― 最後に斎藤さんからお知らせです。
5月12日に、東京の有楽町で花束を配って「母の日参り」のPRをします。また母の日当日の13日には、地元・御坊市で開かれる「みやこ姫よさこい祭」で花を配らせていただく予定です。
スターチスの花言葉は、「永遠に変わらない心」。これからも変わることなく「母の日参り」のPRをしていきますので、皆さんもぜひ「母の日参り」をしてください!
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斎藤さんはインスタグラムで「母の日参り」のPR活動や農作業の様子を紹介されています。ぜひご覧ください。
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