亡くなられたのは21日とのこと。もう1週間になってしまうんだ。
自分でも予想外な程の、なんとも例えようのない悲しみがこみ上げてきました。
私は学生の頃、山本寛斎さんのコレクションのアシスタントのアルバイトをしたのがきっかけで、寛斎さんと出会い、そのパワフルなお人柄に即魅了され、懸命にアシスタントのバイトに励みました。装苑賞で佳作二位を頂いた時のデザイン画選考の審査員は寛斎さんでした。表彰式で「僕の選んだ作品が受賞したのは初めてです!」と、おっしゃったのが私にとっては良い想い出です。対談の時には「あれ!あなただったの!」と驚かれて、沢山アドバイスを下さいました。ここには書くことが出来ませんが、その時に頂いた言葉は今も自分自身の力を信じる支えになっています。その後も学生をしながらちょっとしたお仕事をさせて頂いて、新入社員の募集もないのに自ら嘆願して、デザイナーとして雇って頂きました。今振り返ると本当に楽しい仕事をさせて頂きました。私の人生の中の華やかなデザイナー時代だったと言っても過言ではないと思います。
大変だったことも沢山あったけれど、今思い出せるのは楽しかったいい思い出ばかりです。熱い心のともしびが消えてしまったような、寂しい気持ちでいっぱいです。叶うことならば、もう一度お目にかかりたかった。そのためにも頑張ってこの道でこれからもやっていこうと本気で思っていました。夢は夢のまま叶わぬ夢となってしまいました。
寛斎さん
ありがとうございました。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。