スポット015
「真実の仁徳天皇」” 福永 晋三 (「神功皇后紀」を読む会主宰) 不知火書房
“地名研究会メンバーによる新著のご紹介” ②
20150426
久留米地名研究会 古川清久(編集員)
十五年ほど前に、九州王朝論の御本家、古田武彦氏、古賀達也(古田史学の会事務局長:当時)氏と三人による「九州王朝論の論理」を共著として出されていますが、今回の出版を皮切りに今後も続刊を考えておられます。
福永先生は福岡県鞍手郡旧宮田町出身の都立高校の国語の先生です。
当然のことながら、「古事記」「日本書紀」「万葉集」「古今」「新古今…」に明るいだけでなく、中国文学専攻だった事から中国の史書をはじめ、漢文を白文で読む事ができるといういわば古代史研究のエキスパートと言うべき方です。
地名研究会でも何度も講演をお願いしていますし、久留米大学の公開講座では初回から講演されています。
そして、それらの講演内容がユーチューブでも数本オンエアされていますが、最もアクセス件数の多い研究者です。
今回の「真実の仁徳天皇」“倭歌が解き明かす古代史”も、“神武は筑豊に東征した”“万葉集の天の香具山も金も銅も採れない大和三山の香具山ではなく筑豊は香春町の香春三山の事である”…といった驚愕のメッセジが織り込まれた古代史ファン必読の一書と言えそうです。
今回も詳しい話に踏み込むとせっかくの好著が台無しになりそうですので控えますが、福永先生は毎年毎年、遠路東京から筑豊を中心に長期間滞在され調査されてきました。
そういったこともあり、研究拠点としての別荘を取得され、結果として九州王朝論の立場からの研究者向けの研修所の設立の運びとなったものです。改めて敬意を表するとともに感謝するものです。
筑豊から豊前にかけての歴史や古代史に関心を持たれる方、勿論、「万葉集」の愛読者、研究者、「古事記」「日本書紀」の研究者から豊前王朝の研究者向けの重要な手引きとなる一書です。
特に、万葉集の舞台が奈良県の大和や飛鳥だと本気で思われている方、疑問をお持ちの方に是非とも読んで頂きたい驚愕の一書です。
福岡県内の書店では配本が進んでいますが、遠方の方、県外でも配本が遅れている地域の方は、直接、不知火書房℡092-781-6962に電話され住所をお知らせ頂ければ定価(税込)でお送りできるそうです。
不知火書房(社主 米本)〒810-0024福岡市中央区桜坂3-12-78-205
福永先生の今夏の講演スケジュール
先生は今年の夏も夏休みを利用し調査旅行に来られます。これを利用し、早くも多くの講演依頼があり、今年オープンした地名研究会の研修所は、早くも九州王朝論研究の拠点としての立派な役割を果たす事になりそうです。
5月31日には、同じく菊水史談会の主催で古田史学の会の編集長古賀達也氏の講演が行われますが、鹿児島県から内倉武久氏の講演依頼(現在調整中)が入るなど久留米大学の公開講座を軸に、日蔭者扱いにされていた邪馬台国九州説、九州王朝論の講演会が方々で行われ始めました。
福永先生の講演日程は現段階での予定ですので、正式に決定した時点で随時久留米地名研究会のHPなどでお知らせしていきたいと考えています。



