荒野に希望の灯をともす | 小さな宝物を探して。

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2022年に夫と死別。
ドラマ、映画、B級グルメ、犬・猫・息子との暮しを綴ってます。

 
5年前に亡くなった医師・中村哲さんの、
 
ドキュメンタリー映画と、監督のトークイベントに行きました。
 
 
積極的に本を買うほどではなかったですが、
 
亡くなった時にニュースで見て気になっていました。
 
医療の届かないアフガニスタンとパキスタンの山村に赴き、
 
戦争や干ばつで飢えて命を損なう人々を救った先生です。
 
寄付を募り薬や食料も提供しましたが、
 
やはり一時的な事では健康を維持することは出来ません。
 
生きるため、生活と農耕に必要な「水」
 
最初は井戸をいくつも掘りましたが、すぐに干上がってしまう、
 
中村先生は独学で土木工学を学び、ほとんど重機も無いまま、
 
川幅1㎞を越える大河・クナール川から水を引くため、
 
用水路の建設を決意します。
 
それはあまりに無謀に思えた計画ですが、
 
地元の協力で始めは路面を手作業で掘り始めると、
 
出稼ぎや傭兵で離れていた男達が噂を聞きつけ地元に戻り、
 
数々の困難を乗り越え(そこは映画で見せてもらいました)
 
7年の歳月をかけて13kmに及ぶ用水路を完成させる事ができました!
 
 
ゼネコンなし、地元マンパワーのみ! 奇跡じゃない!?
 
食物で栄養が摂れれば病気も減りますし、
 
男達は戦争に行かなくても、実りで家族を養う事が出来るので、
 
そこには「平和」が生まれます。
 
先生は、同じ時代を生きたイエス・キリストなんじゃ・・・
 
そんなこと言ったら怒られるかな・・・と思ったら、
 
監督のトークで、中村先生がクリスチャンだと仰ってました。
 
でもモスクと学校も建ててあげたんですね。
 
河川の氾濫時には命がけで用水路を壊しに行った先生、
 
勇敢なエピソードも、地元に称えられているそうです。
 
武力に武力で返さない、裏切られても裏切らない、
 
信頼と親愛を積み重ね築き上げた功績、用水路のおかげで、

今も65万人の人々の生活が守られ、先生と共に学んだ技術で、

水路の拡張工場も進んでいるそうです。


この日はたまたま、樹木希林さんの「あん」の録画も見ました。
 
中村先生も治療に尽力したハンセン病患者のお話でした。

かなり地味な映画ですが、ドキュメンタリーのような、

樹木希林さんのとても自然な演技に引き込まれました。

違う世界に想いを馳せる1日になりました。ニコニコ