私にとって、営業成績でもなく、お給料でもなく、お客様の賞賛が
自分の価値のすべてだった。
「すごいですね」
「女性なのに営業やってるなんて」
「あなたに任せてよかった」
ダイレクトにお客様から言われる言葉に、自分が傾倒したのは仕方ないとも今は思う。
自分が死ぬほど頑張って、24時間のほとんどを投げ打って、出した結果で
目の前のお客様から褒められて、それがそのままお給料に反映する。
それこそが自分の価値。生きている理由。そう全力で信じた。
だからこそ、お客様を断るなんてありえなかった。
自分が休みだろうと時間外だろうとなんだろうと言われていることが理不尽だろうと
なにがなんでもしがみついて、契約しようとしたし、お客様が離れていくことが
とにかく恐ろしかった。
クレームは当然嫌なものだけど、私にはそれ以上に「自分を否定するもの」に
なっていて、だんだん仕事として対処ができなくなっていた。
「あなたでは売れないので他社に切り替えます」
こう言われることが、本当に恐ろしくて、ものすごく傷ついた。
どんなお客様とも契約できて、できる営業。条件の悪い商品を売ってこそできる営業。
お客様の期待に応えないと、自分に価値がない。
・・・・・・・・・・・・・。
美プロの中で「嫌なお客様を断る」っていうバンジーで
それはもう必死に、ケンカしてまで断った、ということがあった。
理由。「自分と合わなくて、正直ちょっと変な人でやりにくかったから」
ありえなさすぎる。今までならね。自分の気分を優先するとか、本当にありえない。
でも、それがきっかけで、だんだん意識が変わってきた。
この前、あるお客さんから「他社にも声かけたい」って言われ
私的にはやりにくい案件だったので「わかりました!(助かった!)」と思って快諾。
返送されてきた書類には、頼んでもいないのに解約理由に「売れないから」って
書いてあって、思わず爆笑した。(笑えたんだよ!すげえ)
他のお客さんの時にも、自分ひとりで抱えたらしんどい案件だな~と思って
「他社さんにも声かけた方がいいですよ(私が気楽だから)」って自ら提案した。
・・・・・あ、って。帰り道運転しながら、それで気がついたんだ。
私、もう、お客さんからの賞賛が、自分の価値だって思ってない、って。
成果を出せる自分、褒められる自分、すごいですねって言われる自分、
そういうものに依存していない。
「仕事の成果」と「自分の価値」を切り離せてる、かも。
そう思った時、なんかふわっとあったかくなって、嬉しかった。
なにもしなくても、私はどうせ素晴らしいし。
こういうことなのかな、って思った。
美プロで散々言われてきた「自分の気分を優先して仕事する」ということ、
こっちの方向でいいのかな。嫌なことをやめて、好きなことをする。
気分よく。好きなお客さんとだけ、仕事をして、いい。
楽な案件だけ、やっていい(笑)
苦手な案件も、合わないお客さんも、がまんして、がんばって、それで
スキルアップとか、だから会議で褒めらるとか、もうそんなのも手放していい。
自分を損なう仕事はもうしない。
仕事も「自分を楽しむための人生」のうちの、単なる一要素に過ぎないんだってこと
それを、何度も何度も、忘れないように繰り返し心に刻む。
今自分がこう思ってることを書いておく。
立ち止まった時に、こっちでいいんだって確かめられるように。