■『蘇る逆転』解説『逆転裁判』。
語られることのなかった、
逆転裁判の新たなエピソード。
初代『逆転裁判』と
『逆転裁判2』をつなぐ物語。
新要素『カガク捜査』登場!。
みなさん、こんにちは、ガタルです。
(・ω・)ノ
株式会社カプコンが発売してきた歴代の逆転裁判・逆転シリーズを紹介する名目で、この記事は2005年に発売された『逆転裁判 蘇る逆転』(よみがえるぎゃくてん)について解説していきます。
今回の蘇る逆転で初代の逆転裁判を含めれば、4作品目の歴史になります。
■『逆転裁判 蘇る逆転』
発売日:2005年9月15日に『逆転裁判 蘇る逆転』発売。2001年に発売されたゲームボーイアドバンスの『逆転裁判』をNintendo DS用に移植したリメイク作品。
ほぼ1作品に匹敵する大ボリュームの追加シナリオが話題を呼びました。
■対応機種:ニンテンドーDS。
■ジャンル:法廷バトル・アドベンチャーゲーム、推理モノ、ミステリー。
■企画・脚本・監督:巧舟
■企画:山崎剛
■デザイン:塗和也
■プロデューサー:松川美苗
逆転裁判の制作スタッフも蘇る逆転で新たなメンバーが加わり、一新しました。
とくに山崎剛(やまざきたけし)さんは、後の逆転シリーズでは、『逆転検事1.2』、『逆転裁判5.6』の制作に携わるディレクターになります。山崎さんは『逆転裁判 蘇る逆転』で開発者デビューを最初に果たしました。
■話数:初代『逆転裁判』全4話の移植に、完全オリジナルの第5話を追加。
第5話『蘇る逆転』の新エピソードです。
話の構成は、4つから5つの独立したエピソードになりました。
■《蘇る逆転》ストーリーのあらすじ
『逆転裁判1』第4話の事件から、2ヶ月。綾里真宵が事務所を去ってから、弁護の仕事を避けてきた成歩堂龍一。そんなある日。1人の女子高生、宝月茜が成歩堂法律事務所へと駆け込んできた。依頼を受けるつもりはなかった成歩堂龍一だが、「お姉ちゃんを助けて」と訴える彼女に綾里真宵の面影を見る。そんな彼女からの依頼を受け、今回の弁護を引き受けたのであった。
■《逆転裁判 蘇る逆転》作品概要
2001年に発売された逆転シリーズ1作目『逆転裁判』をゲームボーイアドバンス〈GBA〉からニンテンドーDSへとゲーム機ハードの世代交代、プラットフォームを移し、様々な新要素を追加したシリーズ1作品目のリメイク(蘇る)。
ニンテンドーDSの移植作品ともいう。
蘇る逆転の立ち位置は、現在では『逆転裁判1』に入ると考えていただいてもかまいません。成歩堂龍一シリーズ三部作の第一期『逆転裁判』に入ります。
《蘇る逆転》の物語には、初代『逆転裁判』と『逆転裁判2』をつなぐエピソードとして、検事・御剣怜侍の失踪と死を選ぶ至った経緯もからんでいく。時間軸で1作目と2作目の間にはさむのが第5話『蘇る逆転』になります。
◇第5話の事件現場はなんと地方検事局!!
DS版で新たに追加された第5話「蘇る逆転」の舞台は、なんと地方検事局である。さらに登場する容疑者は現役の検事で御剣の上司でもある新キャラ・宝月巴だ。プレイヤーは弁護士の成歩堂龍一となり、宝月巴を弁護して、事件の真相を明かそう!。
◇空白の1年に何があったのか!?
《逆転裁判》GBA版の1作目と2作目の間、検事・御剣怜侍は1年間失踪していた。死を選ぶメモを残して。その理由が第5話「蘇る逆転」で、ついに明かされる。地方検事局で起きた事件が、どのようにして御剣の失踪にからんでいくのか?。ファン注目のエピソードだ。
■第5話《蘇る逆転》登場人物の紹介。
ゲーム『逆転裁判 蘇る逆転』に登場する人物たちのキャラクターを紹介します。
成歩堂龍一(なるほどうりゅういち)
24歳。成歩堂法律事務所の所長で弁護士。トゲトゲ頭と青いスーツがトレードマーク。弁護士としてようやく“新米”を脱した頃合い。
『逆転裁判1』第4話の事件以来、しばらく法廷から遠ざかっていたが、宝月茜と出会い、久しぶりに法廷に立つことになる。
ナルホドくんはプレイヤーの分身キャラクターでもある主人公キャラです。
宝月茜(ほうづきあかね)
16歳。科学捜査官を目指す女子高生。宝月巴の妹で、姉が逮捕されてしまい、綾里千尋の事務所を尋ねた結果、成歩堂龍一に弁護を依頼することになる。被告となった姉の巴を助けるため、カガク捜査で成歩堂をサポートする。
カガク捜査官に大きな憧れを抱いており、常日頃からさまざまな道具を持ち歩いている。特にルミノール試薬は思い入れがある。
茜ちゃんは真宵ちゃんのポジションを見事に務めるヒロインのような存在でもあります。
宝月巴(ほうづきともえ)
29歳。地方検事局の主席検事。宝月茜の姉で、今回の被告人。御剣怜侍の上司にあたり、彼と一緒に事件を担当したこともある。大学時代には、綾里千尋の先輩でもあった。
29歳の若さで主席検事に登りつめたエリートである宝月巴さん。今回の被告人だが、冷たい態度を取っている彼女にいったい何があった?。
《蘇る逆転》における茜ちゃんと巴さんの宝月姉妹は、『逆転裁判1』の綾里姉妹と対比される形でキャラ設定されています。そのため、妹の真宵と茜、姉の千尋と巴はそっくり似ている印象になります。
地方検事局の主席検事という肩書きだが、実際の現実の世界では、地方検察庁の『検事正』にあたる存在かと思われます。
(または『検事長』か『次長検事』の立ち位置か?。あくまでも逆転裁判の世界と現実の世界とは異なる部分があります。)
御剣怜侍(みつるぎれいじ)
24歳。ご存じ検事局きっての天才検事。検察にこの人ありと謳われる。優雅な身のこなしとクールな発言は、まさに絵に描いたようなエリート。この年の“検事・オブ・ザ・イヤー”を受賞したが、本人はあまり嬉しくない様子。
イヤミなほどに赤いスポーツカーを乗りこなす。御剣は実はトノサマンのファン。
《蘇る逆転》検事局に起きた殺人事件、被告人・宝月巴の裁判を担当する御剣検事。地方検事局で起きた事件が、《逆転裁判2》をつなぐ話として、その消えた真相も明らかになります。
御剣検事は弁護士の成歩堂龍一と対決する初代『逆転裁判』のライバル検事です。実は成歩堂龍一とは小学生時代からの友人。
巌徒海慈(がんとかいじ)
65歳。警察局の局長で警察のトップ。その厳しい外見とは裏腹にノリが非常に軽く、誰にでもお金を貸してあげる気さくさを持つ。会うたびに「泳いでる?」と聞いてくる。
裁判長をチョーさんと呼ぶほどの親しい間柄で、仕事以外の付き合いも長い様子。
後の逆転シリーズにおいて、ガント警察局長は『逆転裁判』の狩魔豪(かるまごう)、『逆転検事2』の一柳万才(いちやなぎばんさい)とは、同じ年齢の同期ということが判明しました。
『逆転裁判』の警察局長という警察トップの肩書きですが、実際の現実世界では『警察庁長官』、『警視総監』クラスにあたる存在です。
(逆転裁判の世界では、警察局という組織が警察の頂点にあたる機関の設定です。おそらく前者の警察庁長官にあたる。)
ほかにはイトノコ刑事やサイバンチョ、魅力ある濃いキャラクターたちも登場します。
(⊃・ω・)⊃。
■『逆転裁判 蘇る逆転』での魅力要素。
『逆転裁判 蘇る逆転』のゲームシステム、追加された要素などの魅力をほかにも解説。
1.ゲームシステムにカガク捜査が登場
『逆転裁判 蘇る逆転』の新要素『カガク捜査』が登場しました。特殊な捜査法を使い、犯行現場や証拠品を科学的に分析していくことで、推理だけでは到達できなかった真相の究明が可能になりました。
カガク捜査のやる内容は、1.証拠品を詳しく調べる解析、2.ルミノール試薬を使った血痕の検出、3.アルミの粉を使った指紋の採取など、3つの点になります。
操作方法は主にDSならではの下画面を使ったタッチスクリーンでした。
2.海外版(英語)を収録!
海外版(英語)が追加されている。これは文字通り、すべてのメッセージを英語でプレイするというものです。
海外版の舞台はロス。成歩堂はPhoenixに、「異議あり!」は「Objection!」。逆転裁判で覚える英会話にもなっていて、辞書を片手に英語を勉強することもできます。
3.携帯ハードがニンテンドーDSに
携帯ゲーム機のハードがニンテンドーDSになったことで、タッチスクリーンの操作、証拠品ファイルの操作方法の見直し、マイク(音声認識)機能を使った自分の声の「異議あり!」が可能になりました(ニンテンドーDSの機能)。
またゲームボーイアドバンスから、ニンテンドーDSに変わったことで、逆転裁判・逆転シリーズはDSソフトに移りました。
・DSソフトシリーズの逆転裁判・検事。
「逆転裁判 蘇る逆転」、「逆転裁判2」、「逆転裁判3」、「逆転裁判4」、
「逆転検事」、「逆転検事2」の計6作品。
・DSのダブルスロット機能。
GBA版『逆転裁判』があれば、第1~4話のシナリオを進めなくても、いきなり第5話からプレイすることができます。
方法はDSカード差し込み口にDS版『逆転裁判 蘇る逆転』を、ゲームボーイアドバンスのカートリッジ差し込み口にGBA版『逆転裁判』を差し込んで起動するだけ。
※ニンテンドーDS専用の機能です。3DSやニンテンドースイッチなどは不可能。
■逆転裁判の内容についてやること
主人公は弁護士の成歩堂龍一。殺人事件の証人や容疑者が語る言葉からウソやムジュンを成歩堂の視点を通じて指摘していくことで、真実を探る。探偵パートと法廷パートに分かれており、集めた証拠を元に法廷で証人に尋問をして、そのウソを暴いていく。そこに検事が弁護士の反論に異議の申し立てなど、検事とも対決をしていく。場合によっては被告人とも対決をする。
◇逆転裁判の世界観について
逆転裁判は基本的に現実の世界を舞台にしたアドベンチャーゲームです。ただし、あくまでもゲームに登場する人物や法律、法廷の仕組みはすべてフィクションです。
■用語解説「逆転裁判 蘇る逆転」
『逆転裁判』と現実の世界との違い。
ゲーム『逆転裁判』に登場する警察・検察機関と実際の現実世界に登場する警察・検察庁の機関との違いについて解説。
◇逆転裁判の世界
検事局(逆転裁判)
警察署で逮捕された容疑者を調べるという意味では、現実と同じ。ただ、ここでは量刑を判断することはせずに、あくまで有罪か無罪かを調べるだけのようだ。証人を裁判所に呼び、喚問する権限もある。起訴もあります。
逆転裁判シリーズでは『蘇る逆転』で初めて、検事局と警察局に訪れます。
警察局(逆転裁判)
警察の頂点にある機関。この下に位置するのが、各地域に存在する警察署である。現実の警察庁と違って事件を捜査する役割を持ち、ここに所属する刑事も存在する。『逆転裁判 蘇る逆転』では警察局長が登場する。
実は逆転裁判シリーズにおいて『警察局』という単語の名前が初めて登場したのは『蘇る逆転』が初めてだと思われます。
◇現実の世界(実際の警察・検察組織)
検察庁
犯罪捜査をしたり、警察から身柄を送られた事件の容疑者を調べて、求める量刑を決める機関。裁判所での判断を仰ぐ(起訴という)かどうかもここで決められる。法務省の特別の機関であり、長は法務大臣。
警察庁
国の公安に関わる警察の運営を行い、各都道府県の警察を指揮監督する機関。各所の警察署は、警察庁のもとで犯罪捜査や犯人逮捕などの活動をしている。犯罪の予防や治安維持のための活動も大きな役割。
ゲームの逆転裁判と現実との違いも知っておいてください。逆転裁判を通じて本物の弁護士・検事になりたい人は、知っておくといいでしょう。
■逆転裁判 蘇る逆転のおもしろいところ
ゲームシステムに『カガク捜査』が登場したことで、実際の警察がやる鑑識の雰囲気が味わえます。ニンテンドーDSのタッチスクリーンとの相性も抜群です!。
蘇る逆転の話も、警察関係者が登場したりなど、刑事物の雰囲気も楽しめます。
『蘇る逆転』の難易度は、逆転裁判2.3に匹敵するほどのむずかしい難易度かな?。
『逆転裁判 蘇る逆転』のプレイする順番について。
ゲーム『逆転裁判 蘇る逆転』は、『逆転裁判3』より後に発売された作品なので、『逆転裁判2.3』の小ネタがあったり、『裁判3』の人物と対比している人物もいます。
逆転裁判123の発売日順ルートで『蘇る逆転』を最後にとっておきたい人は、とっていてください。
《蘇る逆転》を発売日順ルートではなく、物語の順番ルートで進みたい人は、進んでください。
■当管理人:ガタルの『逆転裁判 蘇る逆転』の作品像について。
『蘇る逆転』では、おもに権力構造の世界、「検察や警察の抱える闇」というテーマなどで、今までの逆転裁判とは違ったシリアスで、大人の雰囲気が感じられます。御剣検事さんの失踪もそこにからんでいく。
そして逆転裁判3の5話「華麗なる逆転」にも勝るとも劣らなかった話です!。シナリオのボリューム、感動、濃いキャラクターたち、『蘇る逆転』も名作と言えますね!。
『逆転裁判 蘇る逆転』の評価は、5つ星の名作判定です。
ちなみに《蘇る逆転》発売以降の逆転シリーズの作品には、証拠品に関するねつ造のキーワードが絡むようになりました。『逆転裁判4』、『逆転検事1.2』、『逆転裁判5』、『大逆転裁判』など。
■まとめ感想
原作カプコンの巧舟作品『逆転裁判123』+外伝的な要素を持った『逆転裁判 蘇る逆転』の解説は終わりました~。(;・ω・)
『蘇る逆転』での解説文も長文になるとは思っていませんでした。さすが『逆転裁判』。おもしろい魅力の推理モノゲームです!。
次のページ解説は発売日順で『逆転裁判4』になります。第二期シリーズの逆転裁判の位置付けです。
それでは、さいごに逆転裁判のすすめ
『逆転裁判 蘇る逆転』の解説記事で、逆転裁判シリーズを知ったという人は、もし気にいっていただけたなら、ぜひ逆転裁判を遊んでみてください。とってもおもしろい推理物ゲームのアドベンチャーです!。
『逆転裁判 蘇る逆転』を今に遊ぶなら、携帯ゲーム機のニンテンドー3DS、ニンテンドースイッチ(Nintendo Switch版)などの逆転裁判123成歩堂セレクションがおすすめです。
スマートフォンのアプリでも逆転裁判を遊ぶことはできますが、アプリ版には一部の演出がカットされています。アプリ版を通じて逆転裁判に興味を持った人は、携帯ゲーム機本体とゲームソフトを買いましょう!。
それではこれにて!
( ・ω・)_σ異議あり!。
■余談
『逆転裁判 蘇る逆転』の宝月茜(アカネちゃん)に魅力を持った人は、『逆転裁判4』、『逆転検事1.2』、『逆転裁判6』をおすすめいたします。
■オマケ
1.蘇る逆転メインビジュアル
『蘇る逆転』雑誌用イラスト。
ドリマガ2005年10月号表紙の雑誌イラストです。成歩堂、御剣、巴、茜がメインになっています。シリアスで、大人の印象が感じられます。今ではメインビジュアルです。
2. ニンテンドーDS用パッケージ
DS用『逆転裁判 蘇る逆転』のパッケージイラストです。成歩堂、マヨイ、御剣、千尋の4人は『蘇る逆転』広告用イラストに一新されています。またDS以降の逆転裁判・逆転シリーズのパッケージには主要4人キャラクターが中心という形になっています。
3.成歩堂、真宵&茜イラスト。
成歩堂、真宵(まよい)と茜のコンビイラストです。ニンテンドードリーム2005年雑誌の表紙にもなってました。実際には真宵と茜は会ったことがないけど、もし居合わせたらの雰囲気なイラスト。
2016年の『逆転裁判6』では、ついに真宵と茜は居合わせることになりました!。
4.茜、成歩堂、御剣の3人イラスト。
ドリマガ2005年4月号表紙のイラスト。
成歩堂弁護士、女子高生の宝月茜、御剣検事が3人中心のイラストとなってる。