今日の読書~『それでも空は青い』 | ヒズモのブログ

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荻原 浩 著 『それでも空は青い』 (2021年)

角川文庫  定価:748円(税込)

 

先日、読み直して、NHKドラマも観た「海の見える理髪店」に心揺さぶられ、荻原浩さんの短篇集を読みたくなりました。

裏表紙の紹介文です。

「うん」「いや」「ああ」しか言わない夫に、ある疑いを抱く妻。7歳年上バツイチの恋人との間にそびえる壁をどうにか飛び越えようと奮闘するバーテンダー。子どもの頃から築きあげてきた協力関係が崩壊の危機を迎える双子。外ではうまく喋れずに、じいちゃんと野球の練習ばかりしている小学生……。
すれ違ったりぶつかったり、わずらわしいことも多いけれど、一緒にいたい人がいる。人づきあいに疲れた心に沁みる7つの物語。

 

今回も、著者の引き出しの多さを楽しみました。どの物語も好きでした。

 

君を守るために』はホラーでした。読みながら著者の『押入れのちよ』を思い出しました。あの物語も面白かった。

 

あなたによく似た機械』はSFでした。「夫の心がわからない」主人公の不安に同情しながら読み進み、終盤でそうだったのか!

 

ダブルトラブルギャンブル』は全くそっくりで生まれてきた双子の大変さ、面白さ、辛さを少し理解できた気がしました。

 

人生はパイナップル』がいちばん強く印象に残りました。「じいちゃん」の言葉が心に響きます。「人生はパイナップルだ」、「無理って言葉で言う前に無理をしろ」、「手榴弾を投げられたら、投げ返せ」、「自分の頭で考えない馬鹿にはなるなよ」、「好きなことと、うまくいくことは、別なんだ」、「自分のことは自分で決めろ。そうすれば、失敗はしても後悔はしない」

 

確かに好きなことと、うまくいくことは、別であり、思い通りにならないのが人生だけれど、くじけずに頑張ろうと思ったことでした。素敵な短篇集でした。

 

お読みいただき、ありがとうございます。