ヒズモのブログ

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本好き、映画好き、落語好き、卓球好きのパート社員です。

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前回、ご紹介した、

 

高山裕美子  編著 『写真文庫 オードリー・ヘプバーン』 (2019年)

発行 クレヴィス

 

 

の中から、印象に残ったヘプバーンの言葉を引用させていただきます。

 

私をいつも助けてくれたのは衣装でした。私には役柄をそのまま演じるテクニックがなかったので、その役らしく見えるだけで安心できたのです

 

「12歳から仕事をしてきたから自分の体のことはよく知っているの。自分を客観的に見ることが大切。弱点は隠そうとせず、正面から向き合って、ほかの長所を伸ばせばいいのよ

 

毎日、撮影現場に行くときは…とても心細かった。セリフをとちらずにいえるかしら、ちゃんと演技ができるかしら、と不安でたまらなかった。たから、“はい、OK!”の声がかかったときは、どんなにほっとしたことか

 

「世界一美しい目の持ち主」と称賛されたが、その度に「いいえ、世界一美しい目のメイクです」と担当のメイクアップアーティストの技術とセンスを絶賛した。

 

この世でいちばん素敵なのは笑うことだと本気で思うわ。笑いは病気を吹き飛ばしてくれる。笑いより大事なものなんてないんじゃないかしら

 

エレガンスに装う秘訣は引き算だとバレンシアガはいったけど、私も同感よ。だからジバンシィが好きなの。ジバンシィの服は余計な飾りを徹底的に排しているから

 

オランダにこんなことわざがあるの。“先のことを心配しても仕方ない。どのみち予想通りにはならないのだから”。本当にそう思うわ

 

天賦の才能に恵まれていると思ったことはないわ。仕事を心から愛して最善を尽くしただけよ

 

田舎に庭と果樹のある家を持つのが夢だったの。これほど心穏やかに過ごせる場所は世界中どこを探しても見つからないでしょう。飾らず、自分らしくいられるのはスイスの田舎で暮らしているおかげです

 

ひとりぼっちは嫌だけど、そっとしておいてほしいときもあるの

 

チャンスはめったにめぐってこない。だからいざめぐってきたら、迷わずつかむべきです

 

この本、ヘプバーンの魅力がつまったとても素敵な写真集でした。

 

 

お読みいただき、ありがとうございます。

 

 

 

 

オードリー・ヘプバーン写真展」に行ってきました。

 

九州芸文館で9月10日から10月23日までの開催で、最終週にようやく行けました。

 

女優オードリー・ヘプバーンのオン・オフの多くの姿を見せてくれる写真展。1993年1月、63歳の若さで他界されてもうすぐ30年なんですね。

 

有名な写真も、はじめて見る写真も、ヘプバーンの魅力に溢れていて見惚れました。

 

知的で、気品があって、お茶目で、素敵な笑顔、ファッションセンス…

 

ヘプバーンと信頼しあう写真家による写真の数々、思わず立ち止まってじっと見つめてしまいます。

 

そして、ジバンシィとのファッションデザイン、着こなしのセンス…

 

本当に素敵です。

 

文庫版の写真集を買ってしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

喜多川 泰 著 『よくがんばりました。』 (2022年9月)

サンマーク出版 定価 1,650円(税込)

 

楽しみにしていた喜多川さんの新刊を読みました。コロナ禍の息苦しい世の中も背景に、今回も学びの多い素敵なストーリーでありました。

 

 

サンマーク出版の紹介文です。

だんじりが駆けめぐる祭りの夜。

決して交わることのなかった父と息子におとずれる奇跡。

著作累計100万部を突破した
小説家・喜多川泰が紡ぐ心の再生物語。」

 

帯には「今日もできる限りいい一日にしようと人生を必死で生きている人たちへ」とありました。

 

私の心に響いた言葉を引用させていただきます。

 

「授業がすごいとか、惹きつける力がすごいとか、話術がすごいといった、いろいろな面で「すごい」と呼ばれている人は「人間の器」という意味て゜も大きな人がほとんどだった。」(P016)

 

「言うなれば、通勤電車のなかの読書は嘉人にとって「心の温泉タイム」だった。」(P029)

 

授業というのはライブだ。先生一人でつくるものではなく、そこにいるたくさんの生徒と一緒につくっていくアドリブが詰まったライブである。」(P030)

 

「見た目も賑わいも何もかも変わってしまったこの町のなかで、黒木の言う「変わらないもの」があるとするならば、祭りを楽しみにする人々の熱量のような気がする。」(P097)

 

「彼女は、自分の環境を呪うようなことはありませんでした。

本当に今あるものに満足して、今できることを楽しんで、自分の機嫌は自分で取ろうとしてたの。そして、よく言ってたの。

『私ほど運がいい人はいない』って。」(P153-154)

 

「哲治さんが、旅させている本、すべて本当はあなたに届いてほしいって考えてやっていたんじゃないかと思っているんです。」(P159)

 

「明らかにするっていうのは、強い光を当てて、子どものアラを白日の下に晒すという意味ではない。月あかりの下で見るように、その子の美しさを全体として捉えること。子どもたちのことは、そうやって見てあげなさい。それが、私が先生になって最初に学んだ教えなの。」(P167)

 

「嘉人は、心の底から思った。「(人生には祭りが必要だ)』」(P175)

 

「特に、家族なんて迷惑のかけ通しやけん。子どもは親に迷惑かけ通しやし、親もそれ以上に子どもに迷惑かけ通しや。迷惑かけたらいかんのじゃなく、思い切って迷惑かけてええ。それが家族ってもんじゃ。」(P187)

 

「つまり、人間の凄さっていうのは、すべての人が、その人の人生を懸命に生きているところにあると」(P196)

 

「つまり人の性格なんて、周りの人の価値観という光をその人に当てて見えた投影図でしかないということよ」(P199)

 

「人は変わるのよ。そして私には、彼は影を気にしていないんしせゃなくて、影すらないんじゃないかと思えた。哲治さん自身が光源となって生きているように見えたの。私もどうしてそんな風に見えたのかが不思議だった。でもなんとなくわかったの。彼はいつだって『今・ここ』に集中しているからじゃないかなって」(P201)

 

「自分が生まれ、生きてきたなかで、起こることすべてを受け入れて、誰にもその苦しみを理解してもらえないままに、ひとつの旅を終えた人に対して湧いてくる言葉は、嘉人のなかではひとつしかなかった。

よくがんばりました」」(P214)

 

「ここは貸本屋ですか。いやぁいいですね。私は本によって命を救われましたから。きっとここで借りられた本もたくさんの命を救っていると思いますよ」(P227)

 

 

そして、「あとがき」で作者はこう述べられています。

 

「あなたの人生は、あなただから乗り越えて生きていけるのだ。そういう、自分しかない強さをあなたは持っている。」

 

「「あなたという人生」を生きるその強さ、優しさは、あなたにしかない。そして、その人生を生きることこそ、人間の凄みであると僕は感じているのだ。」

 

「お互いに誰よりも迷惑をかけ合いながらともに生きていく存在が家族なのだ。だからこそ、そこに「お互い様」という「ゆるし」の心を持った本来の人間性が育つのだと思う。」

 

 

読後、自分の人生を自信を持って歩いていこう、そして、迷惑をかけてばかりの家族を大事にしようと、思い直したことでした。おすすめです。