人間は何に遭遇したら心底震え上がるだろうか。
幽霊、モンスター、サイコキラー・・・
そういった連想をする人が多いかもしれない。
だが、もっと冷静になって考えてほしい。
もし車で事故った相手がステイサムだったら…
どうだろうか?
震え上がらないだろうか。
少なくとも俺は震え上がった!!劇場で!!
内容で3カウントどころか10カウント取られたにもかかわらず、更にラストで受け身の取れないジャーマンスープレックスを繰り出すような映画であった。
思えば、当時劇場で鑑賞した際、「シックスセンス」以上の衝撃のラストに観客席がドヨめいたのは記憶に新しい。
あれから2年・・・
いよいよステイサムがワイルドスピードに殴り込みをかける!!
ポールウォーカーの訃報で製作も危ぶまれたが、無事完成に漕ぎ着けたワイルドスピード・スカイミッション である。
今日び、ヴィンディーゼル、ロック様、ステイサムと肉団子三兄弟が出演する映画が世界レベルで発信される日が来ようとは思いもしなかった。
これは俺も神輿を担ぐしかない!!と約10日遅れで劇場に駆けつけました。
遅刻だよ‼︎
というわけで、ご存じの通り、このブログも気がつけばステイサムブログと化しているので、今回はあくまでステイサム主演作としてワイルドスピードスカイミッションをご紹介します。
ロンドンの病院。
ステイサムは怒っていた。
冒頭から。
唯一の肉親である弟が前作ユーロミッションで植物人間にされてしまったのだ。
こんな目に合わせた連中を兄としてタダで済ますわけにいかない。
よく弟がケンカを売っては尻ぬぐいをしていた、と想いで話をしんみり語るステイサム。
「今回も俺がカタをつけてやる。」
ここから、長回しでステイサムが病院の出口から出るまでが模写されるのだが、もう違った形でカタをつけているのだった。
もはや理不尽なレベルにまで到達したステイサムの強さが見れる重要なシーンだ。
ともあれステイサムの孤独な戦いは始まった。
敵は、ストリートでDVDプレーヤーを盗んでいた窃盗団から始まり、弟の国際的犯罪組織を潰すレベルまで進化した凶悪なドミニク一味。
一方のステイサムもイギリスの特殊部隊、諜報部にまで所属したものの、あまりの戦闘力によって抹殺されかけた過去のオーナーであった。
麻雀で言えば、もう「いつものステイサム」の役満状態に裏ドラが乗ったようなものだ。
ステイサムに仲間などいらない。
まずは捜査官にも関わらずドミニク一味に肩入れするホブスとタイマンを張るステイサム。
互角の勝負を繰り広げ、結果的に爆弾で本部ごとホブスを吹き飛ばしたステイサムは、一味の情報を入手する。
普通なら即死に近い状況ながら、こうして「許せぬ!奴らだけはタダでは済まさぬ!!」というコマンドーモードに突入したステイサム。
もはや止められる者は誰もいなかった。
手始めに東京で調子をこいていた一味の一人、ハンを事故死に見せかけて抹殺!
その後に「ドミニクトレットだな。初めて話すな。いずれ会える。」 と宣戦布告するや否や、ボスであるドミニクの家を日本からのお中元で爆破!!
更にしんみりモードでハンの葬式をしている場に車で乗りつけ、ドミニクとカーバトルを繰り広げるのだった。
もうドミニク一味もコロナビールを飲んでBBQをしている場合ではなかった。
この危機に、急きょファミリーを集結させるドミニク。
しかし理不尽なレベルのメカニックと言えるステイサムに勝つ手段そんなドミニク一味にミスターノーボディと名乗るカートラッセルから、テロリストに奪われた世界中の電子機器をハッキングするゴッドアイと開発者のハッカー救出を依頼される。
協力すればステイサム打倒への協力を約束され、ドミニク一味はハッカーの救出、ゴッドアイの強奪の為にSEX&the CITY2でお馴染みのアブダビへ出張する。
だがステイサムにとって、そんなもんは知った事ではなかった。
呼ばれてもいないのにハッカー救出作戦にデスレースばりのカスタムカーで乱入したかと思えば、金持ちのパーティを違う意味で盛り上げるステイサム。
もう振り返ればステイサム、状態である。だが、たった一人のステイサムの奮闘も虚しく、ゴッドアイはドミニク一味の手に渡ってしまうのだった。
いよいよ追う者から追われる者になってしまうステイサム。
早速ゴッドアイによりアジトがバレてしまう。
特殊部隊を引き連れたドミニクが踏み込むのだが、衝撃のシーンを目の当たりにする!!
何とステイサムは悠長に飯を食っているじゃないの!
勿論、一人で!!
逃げ隠れしながら飯を食うのは男じゃねえ。
そう言わんばかりに不敵な態度で飯を食うステイサム!!
果たしてゴッドアイを使う意味あったのかしら・・・という俺を尻目にステイサムは難なく修羅場を突破するのだった。
結果、なんやかんや世界中を行ったり来たりしたものの、最終決戦の地をドミニクたちのホームでもあるロサンゼルスのストリートに舞台を移す。
そんなアウェイ戦に、やっぱり単身で挑むステイサム。
果たして、勝つのは天井知らずのビッグダディか、最凶のアウトローか・・・
こうして雌雄を決する最終決戦の幕が切って落とされるのだった・・・
・・・というあらすじ。
前作ユーロミッションでもラストは「俺、メカニック見てたのかなあ・・・」 と思ったものだが、のっけからメカニック丸出しの不穏な曲で幕を開ける本作。
年末にメカニック2公開を控えているステイサムだが、「メカニック1.5」といっても過言ではない。
俺も「いくらなんでもステイサム一人ではワイスピファミリーに立ち向かわないだろう・・・ 」と高を括っていたのだが、何とステイサムが一人で復讐を遂行する。
そして、悪役ながらも、男なら明日から真似したくなる姿勢に溢れいている。
思えばワイルドスピードもシリーズを重ねて仲間との絆を深めてきた。
見てるこっちも、それはそれで熱くなっていたが、ステイサムは単独で殺しにかかる。
このアウトローの矜持。
家族や仲間が周りにいなくても、ここまでやれる!!と俺も目頭が熱くなった。
やはり、俺が追いかけていたステイサムは間違いではなかった、と思った瞬間であった。
誰にでも家族がいるわけではない。
ましてや自分の目的の為に誰かとつるむなんて野暮な真似はしない。
たった一人の肉親の為とは言え、ここまで出来るか?一人で!!と言わんばかりに場所を問わずに喧嘩を売るステイサム。
映画を通してステイサムがワイルドスピードのテーマ「家族」に対するアンチテーゼを見る者に「これでもか!?」と叩き込んでくる。
これはこれで、男気といえるのではないだろうか。
この姿勢は、男なら是非明日から真似したくなる姿勢だ。
俺も劇場に行った際、ニューエラ帽子やら夜にも関わらずグラサンを首元に引っかけた高校生のカップルだらけであった。
これは完全に偏見になるが「ズットモ♪」とか「マジ最高の出会いに感謝♪」とか言ってるんだろうなあ・・・と一人でポップコーンセットを俺はついばんでいたのだが、俺が孤独な戦いに挑むステイサムに感情移入するのは当然のなりゆきだった。
今作のステイサムは、そういうお独り様の観客の味方だ。
あらすじにも書いたが、例え特殊部隊が乗り込んできても「この人数で俺を捕まえる気か?」と飯を食い続ける。
思わず鑑賞後にサイゼリヤか牛丼屋で飯を一人で食いたくなるシーンだ。
コロナビールよりグッと来るものがある。
あるシーンではドミニクの車と正面から向き合うステイサム。
世に言うチキンレースだが、お互いアクセル全開で正面衝突!!
二人の男の間にブレーキと言うものは存在しないのだった。
男なら逃げも隠れもしない、という、この姿勢。
これも男なら是非とも真似したい姿勢だ。
前作のラストもそうだが、呼ばれてもいないのに現れるステイサムの神出鬼没ぶりは、もはやホラーの勢いだ。
女のケツが写ったかと思えば、ステイサムが現れる。
正に一瞬の油断を許さない。
監督はSAW、インシディアス、死霊館などのホラーで名をはせたジェームズワン。
恐らく、あの前作のホラーなラストを考えてのブッキングだと思うのは俺だけだろうか。
そして、ステイサムについてばっか書いて色々大事なシーンを端折ってる気がするが、それ以外にも見所はある。
相変わらず迷い知らずのドミニクの即決ぶり。
車は飾るもんじゃない!走らせてブツけてナンボだ!という男気溢れるカーアクション。
若いころのギバちゃんばりにオールバックのトニージャー。
ラストで唐突に披露するホブスのコマンドー襲名披露。
そして、涙なしでは見れないポールウォーカーの卒業式だ。
ポール・ウォーカーの新作は見れないかもしれないが、ブライアン・オコナーとしてワイルドスピードの世界で生き続ける、という粋な計らいとでも言おうか。
ラストシーンで冷静さを失ってしまうのは理解できる話であった。
事実、俺も生まれて初めて劇場で泣いてしまった。
今まで「劇場で泣くなんて死んでもねえよ!」とのたまっていたのに。
年齢30にして、ターミネーター2のラストでT800が「人間が何故泣くか、わかった気がする・・・」と言った気持ちが分かるのだった。
俺と隣の席のカップルの彼女2人でラストは泣いていたのだが、彼氏にどう見られたんだろう・・・
だが、それを差し引いても見逃してはいけないのは、全編に溢れるコマンドーイズムだ。
ヴィン、ロック様、ステイサム がコマンドー王位争奪戦を今作で争う。
もう天下一ハゲ武闘大会じゃねえか、と。
もう俺もポールに泣いていいのか、破壊につぐ破壊に笑えばいいのか迷う、という異常事態に陥るのだった。
しかし、ここまで広い振り幅で人の感情を揺さぶる映画は、そうそうないんじゃなかろうか。
最近はツイッターでも「ワイスピ泣ける!!」という感想が溢れている。
俺もエンディングで流れる「see you again」を聞いて涙する日々を送っていたのだが、ふと冷静になって考えてみた。
「待てよ・・・もしや、あれは劇中のステイサムに対してのsee you againでもあるのではなかろうか・・・!?」
また俺が震え上がったのは、言うまでもない。
この泣く子も黙らせるステイサムの説得力。
早速続編も決定したワイルドスピードシリーズから、ますます目が離せない。
そんな、明日から真似したくなる漢の映画である。
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