前回、秘密兵器である「何切る?の羅列」を載せて、麻雀記事で何か作ろうと思った。
そこで今回は受け入れ枚数4倍の法則というものを紹介していきたい。
(下のブログは何切るを種類別に分けて600個、掲載されている)
問題A-1
上の問題A-1を見てほしい。
打2m、打7p、打3sのどれを選ぶかが問題になっている。
筆者は打2mを推奨したい。その理由をいくつか説明する。
今回は
①打2m
②打3s
として取り扱うとする。
①打2mとした場合、3-6mが裏目になる。仮に②打3sとした場合、裏目でテンパイしてしまう確率は受け入れ枚数全体で8/(18+8+4)=0.266666
すなわち26.6%程度の裏目が存在する。
②打3sした場合、3sの周りの受け入れ枚数が裏目になる。仮に①打2mとした場合、裏目でテンパイしてしまう確率を細かく説明すると・・・
受け入れ枚数全体より先に3s周りの牌を引く。
次に3-6m以外の牌でテンパイする確率が裏目でテンパイしてしまう確率となる。
3s周りの牌は1s~5sまで合計19枚。7p周りの牌は5p~9pまで合計18枚、萬子は3-6m、4m、8mの12枚。
これらすべてを合わせると49枚。
1s引いた場合、4/49の内、2s、4m、8mを引いた場合8/16。4/49×8/16=0.040816
2s引いた場合、4/49の内、1s、4s、4m、8mを引いた場合12/20。4/49×12/20=0.048979
3s引いた場合、3/49の内、3s、4m、8mを引いた場合6/14。3/49×6/14=0.026239
4s引いた場合は2sと同じ結果になる。0.048979
5s引いた場合は1sと同じ結果になる。0.040816
これらすべての合計は0.20583・・・・
すなわち20.5%程度の裏目が存在する。
結果をまとめるとイーシャンテンを維持した②打3sの方が20.5%と裏目が少ないので打3sが良いと結論がでそうであるが、比較対象である①打2mの26.6%と大差がない。
打2mとした場合に受け入れ枚数全体から3-6mを引く確率は8/49=0.16326・・・
16.3%程度で5,6回に1回あるかないかの世界。
さらに孤立牌を7p1つにするか、7p、3sの2枚にするかで両面でテンパイできる確率が2倍程度あるため、この点が致命的だと考え、筆者は打2mを推奨するに至った。
そこでシャンテン数を戻す牌画を集めまくってシャンテン数を戻す時に規則性があるかないかを調べたところ、なんと発見することに成功した。その法則が受け入れ枚数4倍の法則だ。
受け入れ枚数4倍の法則
「失う受け入れ枚数に対して、4倍以上の受け入れ枚数があれば、シャンテン数を戻しても良い。」
後日、この法則が正しいか正しくないかを鳳凰卓の観戦、天鳳位の牌譜の検証したところ、受け入れ枚数4倍の法則を使って戻した方が圧倒的にいい結果に繋がっていることに気が付き、この法則に従って何切る?を解くようにした。
またイーシャンテン時の受け入れ枚数が8枚、12枚時に受け入れ枚数4倍の法則を適応した方がいい結果が得られやすいと体感することもできた。
イーシャンテン8枚で断点上昇なしでシャンテン数を戻すか戻さないかの境界
例B-1
例B-2
例B-1はイーシャンテン8枚を拒否すると受け入れ枚数4倍の法則を適応すると32枚の受け入れ枚数が必要になる。2pなどを含まめると34枚あり、打9mが推奨となる。シャンテン数を戻して最終的に受け入れ枚数11、12枚、16枚のイーシャンテンを目指した方が効率的になる。
例B-2は2pなどを含めると27枚と若干足りておらず、打8sが推奨となる。32枚という条件に近いので8s残すという手も悪手とは言いにくい。
イーシャンテン12枚で断点上昇なしでシャンテン数を戻すか戻さないか?
例C-1
例C-2(何切るの羅列にある問題2R-10(n0582))
例C-1は打9mとした場合、イーシャンテン受け入れ枚数が12枚→8枚へと変化する。失う受け入れは4枚で7s周りの変化が4倍以上あれば、部分的にイーシャンテンの受け入れ枚数を減らした方がいいと言える。7sは16枚あり、打9mを推奨する。
例C-2は8m9m、5,7pの11枚のイーシャンテン。シャンテン数を戻すときは44枚程度あるかないかで5m6m7m,4p6p,4~9sまで見るとありそうなので打8pを推奨する。打8pで6pを引いた時、4-7p引きで両面テンパイを取れるので受け入れ枚数の損失と捉えておらず、799m5567889pツモ6p打9pで799m5566788pのイーシャンテンもっていくことを重要視する場合は受け入れ枚数4倍の法則の適応外のため打9sとなる。
考え方によって分かれる何切る?であるため、これだ!!と決めることができない。
イーシャンテン16枚で断点上昇なしでシャンテン数を戻すか戻さないか?
例D-1
例D-2
例D-1はイーシャンテン16枚を拒否して64枚を満たす受け入れは存在しておらず、打4mで部分的にイーシャンテンの枚数を減らした場合に限り、56789sの受け入れが受け入れ枚数4倍の法則を満たすため、打4mを推奨する。
例D-2はイーシャンテン479m8m3pの14枚。イーシャンテン14枚を拒否して56枚を満たす受け入れは存在しておらず、打9mで部分的にイーシャンテンの枚数を減らした場合に限り、23m12345sの受け入れで受け入れ枚数4倍の法則を満たすため、打9mを推奨する。
テンパイした時のシャンテン数戻しは受け入れ枚数4倍の法則を適応させにくい。
理由は著:とつげき東北(新)科学する麻雀(これより下は「科学する麻雀」とする)のP38の局収支のデータ(表1-1)では①中盤9巡目の無筋カン2・8先制リーチ2600点と②終盤14巡目の両面25、58先制リーチ2600点の2つの局収支のデータを比較すると①1238点、②1209点と中盤から終盤にかけては大差が見られない。さらに2600点で先制リーチの条件を5200点で先制リーチにすると①1516点と②1182点となり、悪化する場合もあり、中盤から終盤にかけては愚形でもあがりを目指した方がいいという指標もあった。
このことを踏まえて、テンパイ時の受け入れ枚数4倍の法則を適応させるには何かの制約を課さなければならず、P38の局収支のデータから序盤5巡目の愚形リーチ(特に28カンチャン)は中盤9巡目の両面リーチ(25、58両面)にする時、局収支が常にプラスであったことを参考に・・
テンパイ時は5巡目までに限り、受け入れ枚数4倍の法則を適応できると仮説を立てる。
例E-1
例E-2
例E-1は科学する麻雀では326点差で7sリーチが優位とされている。(1巡目の時のみ-7でテンパイ外しが微差で優位)
例E-2は科学する麻雀では-492点差で打3pテンパイ取らずが優位とされている。
例E-1はカン2mの4枚に対して、ツモ5mの4-7m待ちの7枚が優劣の判断が付きにくい点と2mの4枚に対して、4m、5m、7m、6s、8sの18枚あり受け入れ枚数4倍の法則は適応可能の状態ではある。
16枚の条件とカン2mの待ち良さと難しいため、適応しても局収支ではリーチが優位という事がありえる。
例E-2はカン4pはツモ6p7p、3568sのツモでできる両面はカン4p待ちが良いことが多いと判断でき、4pの4枚の4倍の16枚以上がE-2にはあるので受け入れ枚数4倍の法則を適応して3pが選びやすい。
練習問題(リャンシャンテンを含む)
F-1
F-2
F-3
F-4
F-5
F-6
F-7
F-8
F-9
F-10
解説は後日、コメント欄で