穴井夕子「DANCING DOLL」 | へーさんのCD棚~リサイクルマークはエコマーク

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持っているCDの中で、あ、いいなという曲(たぶんアイドルポップスがメインになると思います。)をのんびり書いていこうと思います。

ども。へーさんです。西日本や南日本は観測史上最も早い、レベルで梅雨入りしたのに対し、東日本北日本はすっかり置き去りにされていて、いつの間にか梅雨入りの平年も過ぎてしまいました。さすがに明日くらいから天気が悪くなって、ようやく梅雨入りしそうな気配です。そんな所で1512曲目。






穴井夕子「DANCING DOLL」
画像は収録の『SIN』



東京パフォーマンスドール(元祖の方)のメンバーとして活躍していた穴井さんの、2枚目のアルバム収録曲。



デジタル風味のダンスミュージック、ちょいマイナー調という東京パフォーマンスドールでは王道の曲調なんですが、それだけではなく歌謡曲のような哀愁を強く感じる曲となっています。



それはサビ…というか何度もくり返し入っているリフレインの♪ライライラララライララライ~ というフレーズです。これが歌謡曲さを激しく出していて、さらにすごく切なさも帯びています。で、実は音では♪ライライラララライララライ~ ですが、実際の歌詞表記では♪Lie Lie la la la Lie la la Lie~ となります。



これは“Lie”つまり“嘘”という事を表しています。で、何が嘘かと言うと、♪Lie Lie la la la Lie la la Lie 零れ落ちる涙も~ Lie Lie la la la Lie la la Lie 飾り立てた言葉も~ と、涙や言葉を嘘と言っていて、ちゃんと意味が通じるようになっています。(この後に♪みんな嘘ね Dancing doll~ ときちんと歌っている所もあります)



ただ歌謡曲っぽさや切なさを出すためのフレーズだけではなく、そこにちゃんと歌詞の意味としての“Lie”を込めている所に技を見た気がしました。アウトロはご丁寧にこのフレーズをフェードアウトしながらくり返して終わるので、その余韻もとても強いものとなっています。



というわけで、ダンスポップながらとても切ない気分にさせる曲です。歌詞も哀しく終わってしまった恋に、無理して気にせず振る舞う様子を、ただ躍り続けるDOLLに重ねています。穴井さん自身が“東京パフォーマンスドール”というアイドルグループに所属していて、大人に操られて躍り続けている、というアイドルのイメージとも重なっています。そんな所も哀愁を感じる要素になっているかもしれません。



穴井さんは高めで可愛らしい声ですが、薄くリバーブがかかっているのか倍音が効いたミックスとなっていて、ソフトな印象です。♪零れ落ちる涙も~ の“も”が“むぉ”みたいな発音で、不思議な印象を残しています。そして真骨頂は、♪声かけられても~ からの二重ハモりです。単純に気持ちのよいハモになっているだけでなく、それまでの倍音気味なミックスからの流れもいいです。



スピード感のあるダンスポップという王道に、歌謡曲臭を足す事でより切なさを強くした曲でした。それにしても穴井さんの歌声は、“裏に哀しみを秘めた女の子”というシチュエーションにすごくハマりますねえ。



「DANCING DOLL」穴井夕子

作詞:山田裕彦
作曲:広瀬 隆
編曲:吉澤瑛師