Mi-Ke「白い2白いサンゴ礁」
画像は収録の『complete of Mi-Ke at the BEING studio』
90年代に活動していたガールズグループ、Mi-Keの5枚目のシングル曲。タイトルの“2”は上付きで、白いの2乗になり、“しろいしろいしろいさんごしょう”となります。
アコースティックギターとつま弾きとパーカッションの音、そして縦笛の音色が印象的なアレンジのこの曲は、フォーク色の強い歌になります。Mi-Keはグループサウンズやエレキ歌謡といった様々な音楽を、今の時代風に翻案して甦らせるというコンセプトでした。今回は70年代フォークソングというわけです。
ただ、フォークと言ってももの悲しいわびしさを軸におかず、アコースティックなサウンドで郷愁を感じさせながら、洗練された爽やかさもあわせ持っている曲となっています。これは後述の詞の部分につながるかもしれませんが、重さやしつこさが軽減されています。
で、その詞ですが、♪夕暮れ時はさびしそう~ の歌い出しからもわかるとおり、フォークソングのタイトルが総勢27曲歌い込まれています。いや、歌い込むというのは違う。「恋の山手線」のような歌詞の一部にはめ込んでいるのではなく、本当にタイトルのみを列挙しています。曲のタイトルじゃないのは“あぁ”という感嘆詞と、この曲のタイトルの“白い2”の部分、(あとコーラスの♪ルールー )だけです。
それでそれなりに意味の通った形にしているのはすごいです。ただ、やはりメッセージ性を残すには無理があるので、あくまでフォークソングの雰囲気を味わうような曲になっています。メロディとかは和のテイストが強いですが、そういった歌詞の意味より響きが重視されているという部分は、ネオアコ→渋谷系に通ずるものがあるかもしれません。
メインボーカルの宇徳敬子さんは、明瞭ながら柔らかさを持つボーカルで、前述のとおりグループサウンズ、ムード歌謡、ロカビリーなどいろんな曲調の曲を歌っていますが、こういう曲が宇徳さんの声には似合っているように思いました。
ちなみにコーラスもほぼ宇徳さんがやっているそうです。はて、あとの二人は…?(というのは言いっこなし)
「白い2白いサンゴ礁」Mi-Ke
作詞(構成):長戸大幸
作曲:織田哲郎
編曲:織田哲郎