Sugar「ウエディング・ベル」
画像は収録の『ゴールデン☆ベスト』
ミキさん（ボーカル＆キーボード）、クミさん（ボーカル＆ギター）、モーリさん（ボーカル＆ベース）の３人組。こちらがデビュー曲です。ジューンブライドという事で６月が終わる前にこの曲を。
と言いつつ、ヒットしたので知っている方も多いと思いますが、結婚をお祝いするような曲ではとてもありません。てか結婚式では絶対に歌えない曲です。
♪ウエディング・ベル～ という美しいハーモニーから始まるこの曲、その美しさ、清楚さとはうらはらに、♪ひと言言ってもいいかな くたばっちまえ アーメン～ という強烈なフレーズが出てきます。
それもそのはず、自分を振った元彼の結婚式に呼ばれた女の人の視点で歌った曲なんです。♪そうよ あなたと腕を組んで祭壇に上がる夢を見ていた私を なぜなの教会のいちばん後ろの席に ひとりぼっちで座らせておいて 二人の幸せ見せるなんて～ というかなりヒドい状況です。まぁこの新郎さんはよほど無神経なのか鈍感なのか、あるいはドＳなのか。
とにかくそんな状況なので、決めゼリフとも言うべき♪くたばっちまえ アーメン～ にカタルシスを感じられます。それをあくまで清楚そうで、ある意味地味なSugarのメンバーが美しい声で♪くたばっちまえ～ と言うのに、とてもインパクトがあります。♪どうもありがとう招待状を 私のお祝いの言葉よ くたばっちまえ アーメン～ で終わるのはスカッとするのと同時に、この後どうなるのかな？という意地の悪い想像も楽しめます。
メインボーカルのミキさんは、甘くて可愛らしい声ですがキンキンしていない柔らかさを持っているので聞きやすいです。♪ふらつきそうだわ～ の所なんかは自然な媚で可愛らしさを強調しています。コーラスのお二人の声も爽やかです。ちなみに♪くたばっちまえ～ はミキさんではなくモーリさんが担当しています。これもタメが効いている感じでいいと思います。
♪私の方がちょっときれいみたい～ とか、お嫁さんの涙を♪悲しい涙にならなきゃいいけど～ と言う、みたいな小ネタもピリッと効いていて面白く、人間の心の本質を突いた（のに楽しい）曲だと思いました。それにしてもこんなドロドロの内容であの爽やかさはすごいですよね。
Sugarは６年の活動後、解散しています。ミキさんはソロで、クミさんはデザイナーとして活躍していますが、モーリさんは29歳の若さで亡くなってしまいました。もう三人でのこの曲が二度と聞けないのが残念です。
「ウエディング・ベル」Sugar
作詞：古田喜昭
作曲：古田喜昭
編曲：平野 融