試しに「九成宮醴泉銘」をググってみると、欧陽詢のこととか書誌の解説とか臨書のコツとかが山ほど出てきますね。つまり言語化される部分はすごく多く、それを認識し頭のなかで意識して練習することってやっぱり大切なんだけど、どこか最終的に身体的なものが残るんだと思います。それは、同じ書体を真似して書いてるはずなのに、個々の臨書にどこか味わいの違いが出てくるところからもわかるかしら・・。
ちなみに、学校で教える(これが唯一正しいものだと文科省が認めた?)「筆順」って、漢字の生理に合っている限りにおいて(つまりは書きやすく形がとりやすい筆順である限りにおいて)とても重要だと思います。そうでない筆順、どっちでもいいやんと思わせる「正しい筆順」(「くさかんむり」の書き順とか)は、わたしはどう書いてもいいやんと思いますけどね。
というのは、漢字であれ仮名であれアルファベットであれ(世界にあるとあらゆる書記文字であれ)、文字はすべて「書く」=「(引っ)掻く」ことによってできる線の軌跡から成り立っているので、その軌跡をなぞる書道が文字の習得に役立つのです。
文字を「線の軌跡」ではなく「画像(の全体)」として認識して、めちゃくちゃな書き順で書く子(例えば右から左へ横線引いたり、つながってる線を一気につなげて書いたり)は、読むときはよくても書くとき覚えるときに難があるような気がしますね。

また、書き順は明らかに右利きに書きやすくできているので、左利きの子が書くのを端で見てると「うわ〜書きにくそう。気の毒・・」と思ってしまいます。この際だから鏡文字も習得してひとつの強みにしてはいかがでしょう?(レオナルド・ダ・ヴィンチのように?)

ちなみに「ひたすら」は「只管」と書きます。
先に書いたことで、そういえば「自覚」が邪魔になることもあるなぁ・・と思いついたこと。
例えば能楽とか文楽とか茶道とか陶芸とか特に伝統芸能の習得には、「頭で考えるな。ひたすら師匠の技を真似よ」と言われますよね。とにかく無心にひたすら真似して、おんなじことを繰り返して、名人の領域に近づこうとする。
これは、おそらく頭(ことばで認識し分節する)とは異なる身体性がはたらいているからではないかと思います。言語に分節しえない身体性を習得するには、考えて工夫したり言語化したりということがかえって邪魔になることもあるかもしれません。
国語や英語の分野でこれに類することといえば、口から出して発音する(喋る)こと、手を動かして書くこと、かな。発音はひたすらネイティブの(あるいは周囲の大人の)真似をして何も考えずに繰り返すことで身につくものだし、漢字なども何度も書いて書き方を手に(あるいは身体に)覚えさせるというのがありますね。まぁそれでも「コツ」はあるけど。
国語教師としてよく小学生の保護者におすすめするのが、「お習字習わせてみられてはいかがですか?」
毛筆の書道でも(あるいはペン習字でもいいけど)、一画一画丁寧に(しかも手先だけでなく全身をつかって)書くことで、漢字の生理を体得する。すると覚え方がちがってくるし、正確に美しく書けるようになるような気がします。
「九成宮醴泉銘」の臨書なんてやってると、もううっとりしますぜ。漢字の楷書の美しさに。
別に先生いなくてもできるし、大人の方は是非とも自分でやってみられては如何?

通ってるジムで、ヨガの先生もダンスの先生も筋トレのコーチも(筋トレは好きじゃないのであまりやらないが)み〜んな言うのだが、いまどこの筋肉(や関節)に効いてるか(どこが伸びててどこが縮んでてどこに負荷をかけてるか)をかならず意識してくださいね。
ヨガなんかとくに、人の体の条件ってみんなちがうから(わたしなんてガチガチに硬いけど)無理して先生のポーズを真似て自分の身体に無茶な負荷をかけても痛いだけで(からだを傷めるだけで)なーんも効果ないです。
勉強もそのとおりです。今やってるその勉強が「自分のどこに効いてるのか」ちゃんと意識してくださいね。
無理して自分のからだに(能力に)合わないことやっても、苦痛なだけでなーんも効果ないです。
「痛気持ち良い」ぐらいがちょうどいい。これってヨガも勉強も一緒。
この勉強がどこに効いているか自覚すること。
小学生でもそれができてる子はできてるし、大学受験生になってもできてない子はできてない。
小学中学年ぐらいまではできてない子が多いので、かならずその都度、あるいは授業の終わりに、この(今日の)勉強がどういうところに効いたね、の確認をする。(勉強をみてあげてる保護者のみなさんもしてあげてください。)
低学年の子なら「今日のお勉強楽しかったね」と反芻させるぐらいでだいぶちがいます。
そのうちそれが自覚的にできるようになってきて、今日の勉強でここを強化しようという目標を立て(弱点強化もあるだろうし強いところをさらに強みにしようという目標もあるでしょう)、勉強しながら「よし思ったとおり負荷がかかってる」「よし効いた」「よし確実に強化された」という確認ができるようになります。
できてない子はねえ・・「人に(先生に/親に)言われたまま」やってれば、それが自動的に「効く」とぼんやり(盲従的に)思ってるけど、「人に言われたまま」やってるだけでどこに効いてるかの自覚がないと、これは、ホントに、全く、意外なほど強化にならないです。
もちろんなんにもやらないよりは少しはマシだけど、マシ程度です。
あーあと、上記は、少なくともジムに通う程度に動機のある子の話ね。そもそも「強化したい」という動機がなければ、「人に(先生に/親に)言われたまま」すらやらないです。勉強は親からうるさく言われてやる嫌なもので、できれば自分の人生からは全て追っ払ってしまいたいもので、親が怒るから仕方なくやる。親の目をすり抜けるという目先の利益だけを追って答えの丸写しであれカンニングであれズルしてでも辻褄合わせに走るだけで、そもそも勉強にならないですね。そういう習慣がついた子は、もっと大きくなってもなかなかそれを抜け出せないです・・。

数年前になるが、家庭教師を受け持っていたある中学受験生。塾の模試で2度ばかりひっどい点数取ってきた。この子の実力ではありえないので聞いてみると、試験中眠くてたまらなくなって寝ていたとの答え。
大人からすると信じられないと思われるかもしれないが、試験中に寝ている子は意外といる。大抵の場合、テスト問題見ただけであきらめてしまって何も考える気がしなくなり、眠気が来てしまうタイプ。これはそもテストを受けに来てるのが間違いなのであって、チャレンジすれば解けるぞと思える試験をまず受けてください。あとは、私のかつて受け持ってた子のように、普段から睡眠不足が続いていて、前夜もあまり寝ていなくて、それが試験の最中に出てしまったというタイプ。この子のお母さまがものすごく真面目な方で、またご自身が受験生だったときもそうなさっていたとかで、塾から出される課題や宿題の全てを「済まさなければ寝ない」ということを日課にしていたため、そうなってしまった・・。
これはいくらなんでも可哀想です。中学受験生といえば心身ともに大きく成長する時期なんだから、受験勉強のやり過ぎで潰してしまったら元も子もない。そもそも関西の大手塾は生徒の拘束時間が長過ぎ。塾の指導する通りに宿題をやりテストに備え補講や講習に出てたりしたら、それを楽々こなせる処理速度のある子はともかく、大抵の子はオーヴァーフローになってしまうだけです。保護者の方々はぜひお子さんの様子を見て、課題を絞って(多過ぎる部分はスキップして)ちゃんと定着するための余裕を取ってあげてください。言われたことをこなすだけに必死で睡眠不足になってしまうようだと、頭に定着する時間がなく、入力したこと(勉強)が無駄になるだけでなく、下手すると心身を壊してしまいます。
大学受験生の年齢になるとそうでもないかと思うと、やっぱり体調管理の下手な子がいるんですね。今年も一人そういう子がいて心配でたまらない。授業してて頭がめちゃ冴えてる時とボーっとしているときの差が激しい。模試で取ってくる点数見ても、その子のベストパフォーマンスが出てないときがよくわかる。「睡眠時間足りてる?」と聞くと「足りてるつもりだけど・・」と答えつつ時間を聞くと明らかに足りてない。何か気になることがあると眠れなくてという場合も多いらしい。お母さんが言ってもきかないようなので、不規則が身についてしまっちゃってるんですね。「頭が冴えてるときとボーッとしてるときの違い、自分でも自覚できるでしょ? テストのときに冴えてる状態に持ってくというコントロールが自分でできない?」と言って自覚を促すしかないのですが・・。
受験は一発勝負なので、その瞬間にその子のベストパフォーマンスが出ない子は可哀想ですね。なんとか受験までに修正してくれるのを応援するしかありません。人間の心身ってホントに個人個人によってさまざまで、いろんなタイプの発達障害(「障害」という言葉はきらいだけど)持ってる子もいるし、そこまでいかなくても集中が続きにくい子もいるし、一律同じ条件で受験というのがそもそも間違っているような気もしますけど・・。(それ以前に能力主義、効率主義の世の中が問題、て気ももちろんしますけど・・。)

「他人ごと」も「ひとごと」と読むのが正しいと(私は)思っているけど、今やNHKでも「たにんごと」と読んでいるので、もう直せないですね。自分で口にするときは必ず「ひとごと」と言うし、文章書くときなどはわざわざルビなどを振って「ひとごと」と読ませる。だって気色悪いんですもん。
「他人様」は「ひとさま」ではないですか?これはさすがに「たにんさま」とは読まないよね? でも「ひとさま」と読ませたいときには「人様」と書くのか。変なの。

消耗(正しくは「しょうこう」だけど「しょうもう」と読んでもOK)、憧憬(正しくは「しょうけい」だけど「どうけい」と読んでもOK)。独壇場(どくだんじょう)は読みどころか漢字まで本来はちがう字。正しくは独擅場(どくせんじょう)。(今や悲しいかなパソコンの変換でも後者は出てこない。)
施工は「せこう」と読んでも「しこう」と読んでもOKらしいけど(わたしは「せこう」かな?)、法の施行(せこう)と政策の施行(しこう)は、単に法曹界などの慣用によるものらしい。ただし施行(せぎょう)は別の意味になります。
行を「こう」と読むのは漢音、「ぎょう」と読むのは呉音読みで、仏教用語は呉音が多いのね。
そういえば、勤行を「きんこう」と読んだ子がいました。○ちゃん、恥さらして御免!お寺のお子さんでした・・。

今や実年齢からいって当然だし、私の場合もっと若い頃から「あなたの使う日本語は古めかしい」と言われてました。
先日作文の授業で高校生相手に「ごはんをよそう」「おつゆをつぐ」と口にして、ちょっと古めかしい言い方だった?と気にすると、高校生素直にそのまま書いていた。そのように言うそうです。大阪の子ですが。
ただし関西では「おつゆ」は汁物全般で、おすましもお味噌汁も「おつゆ」です。まあ西洋風のスープは違うかな?
「今晩のおつゆは何?」「豆腐とわかめのお味噌汁」
「天つゆ」「そばつゆ」などの「つゆ」は「お」をつけません。
もひとつ。
いまではある年代以下の人はそう口にするし、親世代がそう言うのでその子ども世代もふつうに言うけど、いつも聞いていて違和感あるのが「夜ごはん」という言葉。それを言うなら「晩ご飯」でしょう。
「夕ごはん」「夕食」「晩ごはん」ならOK。「夕食」とは別の意味の「夜食」もOKです。でも「夜ごはん」だと、夜食だか夕食だかわからないでしょ?
夕食を食べる時間帯が晩くなってきているし「夕ごはん」より「夜ごはん」のほうが実感に近いとすれば、この言い方もだんだんふつうになっていくのかもしれません。

(でも私は死ぬまで使いません。)

決して鉄ちゃんでも撮り鉄でもないのだが(鉄道旅は好きですが)たまたま乗れてしまって嬉しかった…。



先般の記事に書いた Badfinger は the Beatles のコピーバンドと言われ、' Day After Day' も George Harrison がプロデュースしてギターも弾いてることで有名だけど、私は、例えばそのビートルズの歌とか、なかでも一番好きだった John Lennon の歌とかで、英語を覚えたなぁ・・。
外国語を学ぶときに、その外国語の歌の歌詞を覚えるとか、詩や小説や戯曲や映画の一節を暗唱するとか、マジで役に立つと思いますぜ。
残念ながら私は同時代でビートルズに夢中になった世代より少し遅れてやってきた世代で、気がつくと解散してしまったけど、その解散後初めてJohnとYokoが作ったアルバム "John Lennon/Plastic Ono Band" 『ジョンの魂』はお小遣いで購入しました。
あのアルバムって、歌詞の簡単な曲が多いのよね。覚えました。初めて覚えたのが'Mother'かな。
同級生はもっと難しいフォークソングの歌詞とか覚えていたなぁ。そういえば、英語の授業内で Joni Mitchell の 'Both Sides Now'もやった。私はジョニ・ミッチェルならむしろ 'The Circle Game' の方が好きで、しかもその Buffy Sainte-Marie版が好きで、ただいまも公開中の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のなかで流れるのは、このバフィー・セントメリー版です。(・・って思わずオタクぶりを見せてしまいましたね・・ここではそのキャラではなかったはずなのに)
いまは高校の音楽の時間に 'Hey Jude' を教えるんだそうですね。John が Yoko に走ったせいで先妻の Cynthia は捨てられ、その息子である幼い Julian を励ますために Paul McCartney が作った歌・・なんて背景も教えるのかしらん?

♪ I remember finding out about you
    Every day my mind is all around you
 ・・・
朝からこの歌が口をついて離れない。
ああ、とすぐ思い出した。昨日の英語の家庭教師で day after day というフレーズが出てきたのでした。
'Day After Day' って歌あるでしょ? Badfingerの・・と言ったところで相手が知るはずもなく・・。
わたしのイタリア語の先生(イタリア人)もよくやる。
あるフレーズを教えてくれるときに、'・・・' という歌がある。と教えてくれるのだが、こちとらそれほどイタリア語の歌を知ってるはずもないので、知らないことの方が多い。
教える側にたってみると、好きな歌ごと教えたい気持ちはわかるのだけどね。
I can't help ...ing なんてさ、
あの名曲を歌わずに教えられるなんて信じられないんですけど・・
♪ Wise men say only fools rush in
    But I can't help falling in love with you
恥ずかしいから熱唱はしませんが・・