ソフトバンクが子会社ソフトバンクBBのコマース&サービス事業を分社化し、この間買収した米ブライトスターに売却するようです。
ちょっと開示資料を見てみました。
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ソフトバンクBBはソフトバンクの100%子会社で、そのコマース&サービス事業(IT関連のソフトウェア、ハードウェアの販売等)を会社分割(単独新設分割)により切り出します(承継会社名はソフトバンクコマース&サービス(SBCS)です)。
ちなみにこの事業はソフトバンクの創業事業だそうです。
このSBCS株式はソフトバンクに分配されるということで、いわゆる分割型分割ですね。
分割の対象は資産694億円、負債522億円で純資産172億円相当です。
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その後、ソフトバンクはSBCS株式100%を、米ブライトスターが日本に新設するSPCに譲渡します。譲渡の対価はブライトスター(の米国持株会社)の株式です。
譲渡の結果、ソフトバンクのブライトスターへの持分比率は57%から62%に高まるとのことです(ワラント行使後ベースでは、70%から73%になる)。
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この会社分割の税務上の取扱いです。
この単独新設分割は、分割後の株式譲渡を考慮しても、引き続きソフトバンクが株式の50%超の支配する関係にあります。従い、分割するコマース&サービス事業の継続、従業者の引継ぎ、事業の主要な資産・負債の引継ぎといった要件を満たせば、適格分割になるものと思います。
50%超の関係は株数ベースで判定されますので、ブライトスター(の持株会社)が優先株をパートナー株主に発行していれば、50%超の支配関係を満たさない可能性もありますが、これまでの開示資料からすると、おそらくそのような事情はないように思われます。
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次に譲渡価額を見てみましょう。
元々、ソフトバンクはブライトスターの57%(ワラント行使後70%)を12.6億ドルで買収しています。
これをわかりやすく発行済株式100株として計算すると、現時点でソフトバンクの保有株は57株(57%)、ワラントが行使されると、分子・分母ともに43株増加し、発行済143株の内ソフトバンクが100株(70%)保有する関係にあるものと推測されます。
そして、今回の譲渡対価となるブライトスター株式は、ソフトバンクの出資比率が、ワラント行使前で57%から62%、ワラント行使後で70%から73%への上昇に相当する株数になります。
これを逆算すると13株相当になります(60株/113株=62%、113株/156株=73%)。
70株の取得価額が12.6億ドルだったので、13株相当の価額は2.4億ドル程度になります。240億円くらいですね。
分割対象の純資産は172億円なので68億円の譲渡益ということになります。
但し、ソフトバンクはIFRSを採用しており、このコマース&サービス事業はブライトスターを通じて引き続き子会社に該当しますので、この譲渡益は会計上利益としては認識されないものと思われます。
とはいえ、税務上は株式譲渡益に対する課税は発生するのでしょうね。
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最後に、株式譲渡の対価として、日本の子会社から、親会社(ブライトスター持株会社)の株式を受け取るというのは、何となく不思議です。
組織再編でもないのに子会社が親会社株式を一旦保有するということですので、会社法上問題がないのか気になりますが、ここはあまり深入りせずにいきましょう。
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今回はこんな感じです。
ではまた。