Aが泣き叫んでいました。
自分も叫んで助けを呼びましたが誰も気づきません。
それどころか、街灯や民家の明かりなどが一切無いことに気づきました。
そして、悪霊が自分らを引きずり始めました・・。
自分はあの時の様に、あぁ・・俺・・これで死んでしまうんだろうなぁ・・・
と考えていました。Aは気を失ったのか、もう叫んでいませんでした。
自分らが鳥居の中に引きずりこまれ始めた時、バチ-ーーーン!!と
大きな音がしました。その音に我に返り周りを見ると、悪霊たちの姿は無く、
街灯や民家の明かりも見えていました。
Aも突然のことに呆然としていました。
「え?助かったの?」と、自分らは顔を見合わせました。
すると、腕につけていたお守りが、二人とも壊れているのに気づきました。
まさかこれが身代わりに?と考えていると、向こうから大人たちがやって来ました。
その中には退魔士の人たちや、なんと兄もいたのです。
自分は事情や状況を話しました。きついお叱りも受けましたが、
皆優しく迎えてくれました。中に残ってる人たちを連れ戻すために、
退魔士と大人たちが行くことになりました。
それとなんと、兄も同行するらしいとわかりました。
「俺も無関係じゃないしな。俺をきちんと浄化するには、もう一度入らないと
いけないらしいし」と言ってました。
そして、自分も同行を希望しました。
当然のように大反対をされましたが、自分の責任でもあるし、
そしてなによりも、絶対に自分で確かめないといけないことがあるからでした。
自分も一歩も譲らず頼み込んでいると、絶対に単独で行動しない事、
皆から離れない事を条件に、了承してくれました。
Aを見ると、どうして自分が行こうとしているのか、確かめたいことが
なんなのかを、解かっているようでした。
自分は恐怖心を振り払いながら、皆について再び神社の中に入って
行きました。道中、兄に兄の友達のことを話すと、兄は涙を流しながら、
「うん・・そうか・・・あのな・・あいつら・・・ついこの間・・・息を引き取ったんだ・・・
俺のとこにも来たよ・・・そっか・・お前を守りに行ってくれたんだな・・・
ありがとう、ありがとう・・・」
兄は泣きながら、あの子達にお礼を言ってました。自分も泣きながら
お礼を言いました・・。そしてしばらく歩いていると、兄に変化が出たんです。
いきなり倒れこんで、苦しそうに顔をゆがませていました。
よく見ると、兄に悪霊が圧し掛かっていました。
すぐに退魔士の人が除霊を施したのですが、なかなか祓えませんでした。
数人掛りでやっと祓うことが出来ました。
その後、クラスメイトは神社のご神体(と思われるもの)の前で見つかりました。
中は血の海でした。自分はたまらず嘔吐してしまいました。
すぐに救急車が呼ばれ、運ばれていきました。
幸い、重傷ではあるものの命に別状はないとの事で、少し安心をしました。
しかし、霊が肉体に直接傷をつける事ができるのかと疑問に思いました。
そして・・・神社の裏の大木で、Mが遺体で見つかりました。
自分は見るなと言われて見ておりませんが、自分が確認したかったのは
これの事だったんだと改めて認識しました。理由は後ほど語ることにします。
それから、もうこのままにしてはおけないと、退魔士の人たちが大掛かりな
浄化を行うことになりました。本来はまだ、変質しているとはいえ神がいる
状態なので、少しづづ行い、神を徐々に元の姿に戻していくのが
最善だったらしいのですが、事は急を要する為に、やむを得ず行うことに
なったそうなんです。数日後、その浄化の儀式が始まりました。
自分はTVなどで除霊儀式などを見たことありますが、全く規模が違いました。
自分とAも当事者なため参列することになりました。
自分はこの光景を一生忘れることはないと思いました・・・。
この事件ですが、死者が出たににも関わらず、新聞沙汰などにはなりませんでした。
どうやら、退魔士関係の人たちや町の人たちが根回ししたようでした。
自分は事実を知ることでの感染を防ぐ為だと思っていましたが、別の理由もあったのです。
その理由も先ほどの自分のことと同様に、この数年後に判明することになりました。
今回の事件の真相も・・・。