邪霊の巣窟 3 | へたれの怖怖日記

へたれの怖怖日記

怖いのほんと苦手なのに、怖い話が大好きという
矛盾に苦しむへたれ男児のつらつら日記です。

肝試し当日の夜、自分は少し後悔していました。
皆を無理にでも止めるべきだったかもしれない・・・
Aが行ってるのに、自分は怖いからという理由で行かないなんて

最低ではないのか?と。自室で悩んでいると、下の階から電話が

鳴り始めました。

 

両親がなかなか電話を取らないので自分が電話に出ると・・

『あ!!T?Aが・・Aが・・大変なんだよ!!とにかくすぐにきて!!』
電話はRからでした。
「大変って、何が起きたの?Aはどんな状態なの?」
『とにかく助けて!!今神社なの!!早く来て!早く!!』
最悪の事態になったと思いました。

自分が臆病なせいでAが大変なことになったと、激しく後悔しました。
もう恐怖心よりAのことが心配でたまらなくなり、神社に行く決意をしました。
しかし、自分一人が行ってもどうも出来ないかもしれない・・・。
少し悩みましたが、両親に相談することにしました。

初めからこうすれば良かったのですが、言えばMとかに『大人にいいつけた

卑怯者』と罵られ、皆に・・Aに嫌われる。


そんな自分勝手で自己保身的な考えで言えずにいました。自己嫌悪な

気持ちでいっぱいでした・・・。

本当は兄に相談したかったのですが、兄はあの事件の後も霊現象に

襲われていました。どうやらあの事件の影響は兄のほうが深刻だったらしく、
退魔士関係の本山(どう表現したらよいのか判らない為、とりあえずこう

呼ぶことにします)で浄化されることになり、今はいないのです。

兄は出発時に、
「俺はあっちに行くから、これはお前が持ってな。一つより二つの方が

効果あると思うから」と、お守りを渡してくれました。


両親に言うと二人は物凄く慌てて、
「町の人たちを集めて、あの人たちに連絡しよう。お前は絶対に

家から出るなよ!!」と言って出て行きました。

自分もAや皆が心配でたまらなかったので、一足先に神社へむかいました。
しかし、その時気づけばよかったのです。
自宅の電話番号は、Aから聞いたり、クラスメイトだから知ってても

不思議じゃありませんが、どうやって神社から電話をかけた?
あの頃はまだ携帯もそこまで普及しておらず、クラスの皆は誰も

持っていませんでした。入り口の鳥居にたどり着きました。
その不気味な雰囲気に、そのままで入るのに躊躇してしまいましたが、

意を決して入りました。


恐怖に震えながら進んでいると、あの悪霊たちが姿を見せないので

不思議に思いました。神社の境内は静かなものでした。

いや、静かすぎたんです。


何か起こっているなら、皆の叫びなり悲鳴なり聞こえてくるはずです。

さらに進むと、誰かが座り込んでいるのが見えました。よく見てみるとAでした。
自分はすぐに駆け寄って、「A!!大丈夫?何があったの?皆は?」と、

Aの肩を抱きながら聞きました。
「あ・・T・・。う・・うう・・」と、Aは泣き出してしまいました。
「一体何があったの?怪我とかはない?皆はどこにいったの?」
「わかんないよ・・しばらく歩いていたら、皆急に無口になって、

先に行っちゃって・・追いかけようとしたら転んじゃって・・

いくら叫んでも答えてくれなくて・・


そしたらへんな子供が出で来て、ここまで引っ張られて・・・」
自分はそれを聞いて、まずいと思いました。あの時と酷似してると。

あの電話の事もその時気づきました。
とにかくAを連れてここから出よう・・そう思って振り返ると、子

供が2~3人こちらを見つめていました。


しまった!!と思い、Aを立たせて逃げようとして、気づきました。

その子供たちは、表情があの時の子供と違うんです。怒った顔で

こっちを見ていました。


「あの子たちだよ・・私をここまで引っ張ってきたの・・・」とAが涙声で言いました。
「帰れ」「ここから早く出て行け」と、その子供たちが自分らに言いました。
どうして?と自分が子供たちを見ていると・・・
知ってる。俺はこの子たちを知ってる。そう感じた瞬間、その子たちが

誰か判りました。あの時巻き込まれた兄の友達でした。
「あぁ・・そっか・・そうなんだ・・君たちがAをここまで連れてきてくれたんだね?

今、悪霊から守ってくれてるんだね?」
自分は泣いていました。


そしてAに、
「あの子たちは大丈夫だから・・今のうちに出よう・・・大人たちも後で

来るから、それから皆を探そう」と言って、落ち着かせました。
Aは素直に頷き、歩き始めました。ところが、いきなり周りの空気が

変わったのです。Aもそれに気づき足を止めました。
そして周りを見ると、悪霊たちが自分たちを取り囲む様に立っていました。

「ひっ!!」「きゃああああ!!」
ほぼ同時に悲鳴を上げ、その場にへたり込んでしまいました。


あの子達が抑えていてくれたのに、限界がきてしまったのでしょうか?
自分たちはお互いを抱き合い、恐怖に震えるしかありませんでした。
しかし、悪霊はこちらに近づいてこようとはしませんでした。

自分はすぐに、お守りがあるからだと気づきました。
Aを見ると、ちゃんと腕にお守りをしていました。
お守りが二つあるから効果も高いのでしょうか?それ以上近寄って

これないみたいでした。


「A・・走るよ・・お守りがあるから何とかなるかもしれない・・

いい?止まったり振り返らないように走るよ」とAに言いました。
Aは頷き、手を固く繋ぎました。自分はその辺の棒切れを掴んで、

無駄な事とは思いながらもそれを振り回しながら走りました。
悪霊たちが追ってきているのを背中越しに感じながらも走りました。

そして鳥居が見えてきました。


「鳥居をくぐれば大丈夫だから!!もうすぐで逃げられるよ!!」
とAに声をかけながら走り続け、ついに鳥居を抜けました・・・。
逃げ延びた安堵感でいっぱいになり、二人してその場に座り込みました。
しかし顔を上げると、なんと悪霊たちがすぐ傍まで来ていました。

かなりの数がいたと思います。
あの時は4~5体くらいだったのに・・。浄化が少しづつ行われて

数は減っているはずなのに・・。

しかも、どうして神社から出てこられるんだ?お守りを持っているのに、

なんでそこまで近寄れるんだ?
さっきまで大丈夫だったのに・・・。


恐怖に震えながらも、そんが考えが浮かび上がってきました。
そして悪霊たちが、自分らに更に近寄って来たのです。
「いゃああああ!!なんで?どうして?私たちが何をしたっていうの?
許して!!許してよぉおお!!助けてー!お母さん!お母さん!」