校舎の下に下りると優衣が待っていた。


帰り道は『友だちできた?』なんて話をしながら帰った。



家に着くと家には誰にもいない。


晴奈の親は共働きで家にいないことが当たり前だった。小学生

のころから晴奈はいわゆる“鍵っ子”だった。


だけど親とは普通に仲良かったし、お母さんには彼氏の話など

もよくしていた。


部屋に入るなり携帯を取り出すと、由香にメールを送ることに

した。


『明日から仲良くしてね\(^0^)/』


送って5分もしないうちに由香からメールがきた。


チャララ~


『由香もよろしく☆』


『明日一緒に友だち探しにいこう~♪』


チャララ~


『うん☆ってゆうか晴奈は彼氏いんの?』


女の子の間では当たり前な会話だ。私は適当な感じでつき合っ

ていた人がいるので一応、


『いるよ~由香は?』と送った。


チャララ~


『いるんだ~♪由香もいるよ~いま1年目なんだけどね!』


・・・えっまじ? ながっ!!!


晴奈には【1年つき合う】というのは夢のまた夢だった。


もって2~3ヶ月ってとこ。 1年もつき合うなんて。


もう結婚するんだろう・・・・・なんて思うくらい、このときの晴奈

には、【永遠】の響きだった。


『へ~!!超長いね~結婚するんだ??(^0^)』


チャララ~


『えっ?まだ結婚は考えてないよ~☆まだ15だしまぁ今年16

だけど・・・・・晴奈はどんくらい?』





続く☆


*これはteddybearと言う本を写して書いています。

決して私が考えて作ったものではありません。







「あ~やっぱり緊張するなぁ・・・・・」


校舎に入ると、先輩と思われる人たちが何やらパンフレットの

ようなものを新入生に配っていた。


晴奈と優衣は一枚ずつそれを受け取り開いてみる。そこにはク

ラス表と校舎の地図が書いてあった。


同じ学校から二人だけ。予想はしていたものの、案の定・・・・・。


「はぁ~。まじ最悪。クラス違うし階も違うじゃん」


「本当だぁ~。じゃあ終わったらまたメールして?」


そう言うと、不安そうな晴奈をおいて優衣はさっさと生徒たち

の群れに消えていってしまった。


「ちょっ、ちょっと・・・・・」


晴奈はひとり取り残されてしまった。


「この地図わけわかんない!ここどこだよ!」


ひとり取り残された晴奈は、わかりにくい地図を片手にイライ

ラしていた。


「え~と、ここがこの階段で・・・・・」


「あの~?」


晴奈がブツブツ言っていると、ひとりの女の子が後から声をか

けてきた。


「え??」


「クラス何階ですか?」


少し引きつった笑顔で笑いかける晴奈。


「あ、一緒だ! 一緒に行こう?」


そう言うとその女の子は晴奈の腕をひっぱった。


「えっ、・・・・・うん」


晴奈はひっぱられるようにしてついていく。晴奈と同じ茶色い

髪に短いスカート。


晴奈は引きずられながらも不思議と親近感がわいていた。


これが理恵との出逢いだった。


理恵とはクラスは違ったものの、2つ隣のクラスということも

ありすぐに仲良くなった。


クラスに入るとまだ半分くらいの人しかいなかった。


まずは席を探して自分の番号のある席に腰をかけた。晴奈の席

は窓際の真ん中あたり。太陽の光がポカポカと机に差している。


机に触れると少し温かい。


晴奈はふと空を見上げた。その空は雲ひとつない綺麗な青空だ

った。


「綺麗だなぁ・・・・・・」


晴奈はしばらく何かにふけるように見上げていた。


徐々にクラスに集まってきた人たちの笑い声でふと我にかえる

と、晴奈は教室を見回した。


晴奈のほかに2人茶色い髪をした目立つ女の子がいた。


ひとりは少しぽけ~っとしているけど優しい感じ。


もうひとりは髪が長く、机に鏡をセットし化粧直しをしている。


とても可愛いらしい顔の女の子だった。


これが幸子と由香の出逢い。


しばらくすると担任の先生がきて私たちを廊下に‘‘あいうえお

順”に並ばせた。体育館に行き、入学式が始まり退屈な校長の

話・・・・・・。いつもより早起きした晴奈はその間に寝ようと目をつ

ぶった。


「ねぇっ。名前なんていうの?」


ひとり違う世界へといっている晴奈に誰かが話しかけてきた。


目を開けると横に並んだ列の2つ隣の子が晴奈に話しかけてい

る。その子はさっきクラスで鏡にむかって化粧を直していた由

香だった。


「晴奈だよ!そっちは?」


「由香!! さっき教室で仲良くしたいなぁ~って思ってたんだけ

ど、ずっと外見てるから話しかけにくくて・・・・・」


「あ~ごめん!何も考えてなかったんだけどさ」


「そ~なんだぁ~!」


 


入学式終わり、教室に戻ってくるころには晴奈は由香と仲良く

なっていた。


帰り際に由香と携帯の赤外線でメルアドを交換して、


「また明日ね~!」


と言って晴奈は先に教室をでた。








                         ☆つづく★

teddybear


生きるって


きっとツラいことなんだ・・・・・

でもね


『生きてる』って、きっと・・・・・


すごく・・・・・すごく幸せなことなんじゃないかな?


そのことを教えてくれたのは


あなたでした



第一章 ・新しい私



「ちょっと~!!なんで起こしてくんないの~!」


朝からリビング中に響く大きな声で、晴奈が叫ぶ。


「だってお母さんだって今日からあんたのお弁当作らなきゃいけない

の!自分で目覚ましかけなさいよ」


母は台所でせっせと料理しながら晴奈をにらんだ。


「うざ~!!もう朝いらないからぁ~!行って来ます!!」


玄関で急いで靴を履く晴奈。


「ちゃんと食べなきゃ元気でないよ!?何!?そのスカート!!

ちょっと!晴奈!?」


晴奈はスカートを4回も折って、茶色い髪にキラキラひかるピ

アスを付けて玄関を飛び出した。


私、鈴木晴奈。

今日から高校生。

これから始まる、新しい私!


「急がなきゃ~っ」


駅の階段を駆け上がる。はぁはぁ言いながら改礼へ急いだ。


「あっ優衣~!」


「晴奈~!」


改礼の前で友だちの優衣が大きく手をふっていた。


優衣とは小学校、中学校と一緒だったが仲が良かったわけでは

なかった。


だけど、同じ中学から同じ高校に行くのが優衣だけだったので、

初日の朝は一緒に行く約束をしていた。


「っていうか晴奈スカート短くない!?初日からだと目つけら

れるよ?」


晴奈のスカートを見ながら目をまん丸くしている。優衣はもと

もと真面目でスカートも膝よりちょっと上ぐらいだった。


「そんなことないよ!学校行けばみんな短くしてるよ!」


あきらかに引いている優衣を横目に電車に乗り込み、電車の中

を見渡した。




  あ  、あの子同じ制服だぁ。


あ、あの子可愛い!


同じ学校の制服を着ているを見ながら、ひとりでニヤニヤし

ていると、


「・・・るな?」


「晴奈!?着いたって」


気づくともう最寄り駅に着いていた。


「えっ本当だっ!ごめんごめん」


「晴奈~しっかりね!」


優衣が手を前で組みながらもたれている。


「あ~い!」


改礼を出ると、同い年だと思われる同じ制服の子たちがウジャ

ウジャとしていた。


「うわ~すごいね」


「うん。人込みイヤだし早く行こう」


駅からしばらく歩くと、試験を受けたあの校舎が見えてきた。




つづく★