○○ はじめに ○○
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麻耶雄嵩さんの本でまだ未読の本を数冊ですが買えるだけ買ったので、その中の1冊であるこの作品を読んでみました。
この作品を読み終わって、麻耶ワールドは存分に楽しめました。
そして麻耶理論は少々強引でしたが、麻耶ワールドの中にあれば、麻耶理論の強引さなど問題にならないくらい些細なことです(笑)。
しかし他の方のこの作品のネタバレや感想を見て、今までの私の読書履歴の中で初めての感情が沸き起こりました。
それはこの作品の前に「夏と冬の奏鳴曲」を読まなければならかったことを知り、激しく後悔しました。
もともと訳が分からない麻耶ワールドなので、読んでいる最中もいろいろな疑問を持ちながらも、そんなもんか~と思っていました。
しかし「夏と冬の奏鳴曲」を読んでいればもう少し深く物語を理解できたかと思うと残念でなりません。
そこで次に麻耶さんの作品を読むときは順番に気をつけて読もうと決意しました。
そう言っても始まらないので今のところの感想を書きます。
上でも書きましたが、この作品はかなり麻耶ワールドを堪能させていただきました。
まず麻耶さんの作品の登場人物の名前が独特なのは今に始まったことではないとは言え、わぴ子ってなんだ!!ということです。
わぴ子という名前が誰も何もツッコミを入れず、普通に通用するとは・・麻耶ワールドサイコーです(笑)。
そう考えるとバナナの皮に滑って転んで頭を打って記憶喪失、絵を見て行動を操られる、波都島を脱出後に地震で火山が噴火して島が沈むなんてのは麻耶ワールドにおいては極めて序の口だと思いました。
ストーリーやトリック、またこの物語が書かれた時代背景などは、物語が面白かったと思えるので、今ここで語ることはありません(笑)。
相変わらず文章もところどころ笑える表現があります。
「太陽が眩しかった。全然明るくない。」などニヒルな烏有を表す表現は目新しい気がします。
また烏有が二回目のピブルの会に参加したときのメンバーの言う意見に対しての、烏有の心の中でのツッコミがコミカルで面白いです。
この物語には木更津と香月とメルカトル鮎も登場し、さながらオールスターを思わせます。
ただ、烏有がメルカトルの失敗で犠牲者を出したことはあるかの問いに、メルカトルが無いと答えたのには笑ってしまいました。
桐璃の表記がすべてダブルクォーテーションで囲まれた”桐璃”なのは「夏と冬の奏鳴曲」が関係してるのかなと思いますが・・
また桐璃自体がかなり怪しい存在で謎めいています。
またたいもんも何のために桐璃が烏有のところに連れてきたのかはっきりしないのも不気味です。
何より桐璃が子供ができて3ヶ月と言っていましたが・・”10月7日に寝た”と記述があって12月9日に”3ヶ月だって”ってこれは明らかな嘘か、烏有との子どもではないか、桐璃の言葉のアヤか・・もしくは誤植(笑)か・・とにかく怪しすぎです。
桐璃が連れてきたたいもんが死んだのも病気か寿命かはっきりしないのも釈然としません。
もっとも烏有が虐待したのでそのせいで死んだとしてもおかしくないですが。
この作品において存在自体が怪しくない奴はいないですけどね。
「夏と冬の奏鳴曲」を読んでみたいと思いますが、他の麻耶さんの作品もまだいくつか未読を持っているので、順番に気をつけながら読んでいきます。
(個人的評価)
麻耶ワールド ☆☆☆☆☆
麻耶理論 ☆☆
メルカトル ☆☆☆☆☆
わぴ子のかわいさ ☆☆☆☆☆