少年探偵団の立ち向かう相手は電人M、妖星人R、宇宙怪人、夜光人間ほか、聞いただけでも探偵とか警察とかの相手ではなく、まして少年たちが相手にするものではないと思ってしまいます。
ところが、どの話もほとんど最初は前に書いた東京タワーを登る大ダコとか空飛ぶ円盤とかが出てきて、普通は自衛隊が対応するだろうと思いきや、自衛隊は確か一回も出てきたことはありません。
もちろん昭和初期から始まったシリーズですから、その頃自衛隊はなかったし戦前は軍隊も必要としない妖怪博士とかが相手でした。
最初に書いた宇宙人のような常軌を逸したような相手は戦後復活したシリーズに出てきたものです。
ところでなぜ自衛隊が出てこないで少年探偵団が活躍するかというと、ほぼ全ての常識はずれの相手の正体が怪人二十面相だからです。
しかも怪人二十面相は初期の作品で少年探偵団と明智小五郎にこっぴどくやられたため、その恨みを引きずって少年探偵団の前にわざわざ出てくるからです。
二十面相はサーカス団員だった過去があり、身体能力がすごく柔道もかなり強いようです。家の屋根から屋根へ跳び移ったりするのは大得意です。時には空を飛びます。もちろん超能力者ではないので道具や機械を使ってですが。
また、大金持ちで家と言うか隠れ家には数々の美術品があって、たくさんの部下がいます。
一番の特徴は変装の名人だと言うところです。場合によったら、明智小五郎に化けて小林少年を騙したりします。
二十面相と互角以上に渡り合えるのが明智小五郎で、格闘しても最後には明智が勝ち、数々の事件で二十面相の裏をかいて捕縛して警察に突き出します。
明智小五郎は江戸川乱歩の大人向けの小説では弱みもあり、ミスもしましたが、少年探偵団シリーズでは完全無欠なヒーロー的な存在です。
二十面相は最後は警察に捕まって留置場に入れられるのに、なぜ次の事件が起こるのかと言うと、変装して脱出するからです。
現実的には変装道具や衣装など物理的になかったら無理なはずですが、大体新しい作品の最初にはいつの間にか留置所からいなくなっていたとか、部下が代わりに入っていたとか、看守と入れ代わっていたとかで済ませています。
この辺りは流石に子供向け小説です。ただ、子供向けであっても、人間以外の非科学的な理由にはせず、常識はずれの登場人物や怪物であっても一応説明をつけています。
そのあり得ない現象を作者がどういうふうに論理的に理由づけするかを見るのも楽しみ方の一つかなと思います。
しかし留置所から脱出するのはいいとしても、毎回隠れ家は警察が捜索して金銀財宝も盗んだ美術品も全て押収し財産なんて残らないはずなのに、出てくるたびに大金をかけて大掛かりな事件を起こすのは不思議です。笑

