Audibleで初めて知った作家の作品にはドラマや映画の原作になっていることも多いと最近知りました。
「赤ずきん旅の途中で死体に出会う」は映画になってますし、「私の嫌いな探偵」や「アリバイ崩し承ります」はドラマで見ました。
そんな中で「天久鷹央の推理カルテ」シリーズは最近になってアニメやドラマになっています。
作者の知念実希人の作品は新しい推理小説をAudibleで探していて、「XX荘の殺人」といったクローズドサークルものの探偵小説を読みたくなって偶然目に入ったものでした。
「硝子の塔の殺人」という作品で何の予備知識もなく読みました。
プロローグで犯人が捕えられて塔の一室に監禁されているところから始まる意外なストーリーでした。しかも希望通り名探偵が登場しワトソン役も出てきて順調に事件を解決していくと思いきや、途中から予想外の展開になり、ネタバレになるといけないのでこれ以上は書きませんが名探偵だけではなく名犯人まで登場するという意表を突いたストーリーでした。
いろんな推理小説を読んで来たけど、最近はこんなに凝ったストーリーでないとダメなのかと感心するくらいでした。
それで知念実希人の他の作品を読んでみたいと思うようになり、天久鷹央シリーズを18冊、その途中で死神シリーズ3冊、「仮面病棟」、子供向けの放課後ミステリクラブシリーズ5冊などを聴きました。
ミステリクラブシリーズは小学生向けくらいなのでそれほど推理小説として感心するほどではありませんが、作者が推理小説好きで子供にもそのジャンルを広めたいという気持ちが伝わってきます。
そのシリーズだけはそうでもありませんが、作者が現役の医者というだけあってほとんどが病院とか医療が関係した小説です。
そのことを知ったのは「硝子の塔の殺人」を読んだ後で、医療関係ばっかりだったら面白くないか理解できないかと思ったのですが、合計20冊以上読んだ今でも面白いし楽しめています。
もちろん病気や専門用語は初めて耳にすることも多いのですが、作者が医療を知らない一般人にもわかるように書いてくれているのでその辺りは大丈夫でした。
また天久鷹央シリーズや死神シリーズはユーモアも多いので楽しいです。
死神シリーズはタイトルとは裏腹にある事情で犬と猫が主人公になっていますので、犬や猫の好きな人は余計に楽しめるかもしれません。
天久鷹央はシャーロックホームズの「不可能を排除すれば、残ったものは、いくら奇妙に見えても真実だ」という名言をしばしば引用するなど、知念実希人の推理小説愛はここでも発揮されています。
ドラマ版で橋本環奈扮する天久鷹央のイメージはちょっと思っていたものと違うところもあるけど、2作見た限りでは概ね合格点だと思っています。
今のところ原作では存在感が強い鴻ノ池 舞の印象が薄いですが、今後に期待です。
アニメ版の方が声がAudibleで聴いたものに近く、絵も本の表紙に似ていて全体のイメージが想像していたものに近かったのですが、コトリ先生の存在感のなさなどやや期待はずれで終わってしまいました。