仮面ライダーBLACK SUN 第八話 備忘録 | Slipperの部屋

Slipperの部屋

『仮面ライダー』等の特撮ヒーローを愛好しております。気ままに書きますので不定期更新で失礼。

「勝利は学ぶべきだろ?」

 

「ずぅっと負けてる」

 

 

 どうも、当ブログ管理人のスリッパです。

 こちらは初見時の私が書いた感想ツイート。ええ、あくまで備忘録ですので、ご容赦を。

 

 正直に言って「(感想記事も)託したい」って気持ちが強いというか、うまく勢いに乗れずに書ききれずでまたモヤモヤする日々と申しますか……

 

 いろんな意味でキツい後半戦、少しでもモヤモヤが消えるようにできたらいいな……

 

 

 

※当記事は、各話ごとにストーリーを追ってはおりますが、ネタバレ等を含む可能性があります。できれば、ご視聴後の閲覧を推奨いたします。

 

 

『仮面ライダーBLACK SUN』

第八話

監督:白石和彌

脚本:高橋泉

 

 

  第八話ストーリー

 

 自らの最後を覚悟した莉乃から託された「鍵」を、彼女の娘である葵に手渡す〝ノミ〟。

 そして目覚めた光太郎と再会した葵は、キングストーンを守り切ったことを伝え、微笑む。

 ダロムのやり方を否定し、ゴルゴムの変革を叫ぶ新たに頂点に立った信彦は、愛機ロードセクターを故郷へと向けた。

 

(Amazon prime video『仮面ライダーBLACK SUN』エピソード文より)

 

 

 

 

  スリッパの備忘録

 

1:託す《自由》

 

 いきなりなんですが、新城ゆかりが女スパイだったって話で『仮面ライダーX』の霧子さんを思い出したのは私だけかしら!?

 

 

 これ言おうと思っていたことが、すってんころりんと抜け落ちるタイプのダメ人間のため、先に書いておきまする。

 

 しかし「みんなのXライダーになって」と言ってくれた霧子さんとは違い、SHADOWMOONにとっては「もっと怒って良い」と伝えた……ある意味、彼女自身、心の中にあった《怒り》だけを託して。

 

 そんな彼女の託してしまったもの、その力を借りて、第三話ではあの演説。

(逆に考えると、あの演説の精度が高すぎたきらいはあるかもしれない……演者の巧さによって「彼自身の本当の気持ち」と初見時には捉えてしまったけれど、本当は「好きだった人の考えをなぞっただけ」だったのかもしれない……)

 

 対して、前回のラストでは怪人達の怒りの代弁者としてヘイターを処刑した。

 

 若い頃は「暴力を良しとは思わない」と言っていた彼が、一線を越えた瞬間。

 それこそ過去ではバラオムに割とサクっとやられていたけれど、あれも彼自身の迷いだったり戦いたくないという気持ちだったりがあったのかもしれなくて……。

 要するにきちんと自分の中に覚悟がなかった。

 

「相手を傷つけてでも、我を通す」

 

 そういう覚悟が、今にしてようやく固まった。

 それを示すのは、ゴルゴム幹部たちを前にしてのダロムとの会話。

 

「多少の不遇? 犠牲?

 これまで怪人が受けてきた屈辱を、お前はそう捉えているのか」

 

「ならばSHADOWMOON、お前は怪人の生きる道を示せるのか?

 貴様らも、人間に擦り寄って、甘い汁を吸ってきたではないか!」

 

「それはいつか訪れる《自由》を信じていたからだ」

 

「俺は怪人がありのままの姿で生きていける世界を創る……

 それはすなわち怪人が人間と仲良く共存する世界などではない!

 怪人が人間の上位として生きる世界だ!

 俺がゴルゴムを変えてやる……」

 

「俺を信じるか、人間に媚びへつらうかは、お前たちの《自由》だ」

 

「俺についてこい……俺がダロムに代わって怪人を守る。

 人間に従属せずにだ!!」

 

 

 王者の風格を示す変身とこの啖呵。

 人間に従属する道に疑問符を提示したビルゲニアも「俺は、SHADOWMOONに従う」とまで言ったなら、他の幹部たちも次々にSHADOWMOON派に。

 

 いや、考えてみれば普通にそうなるよね……

 堂波真一がどれだけ恐ろしい男だったとしても、結果的には単なる人間に過ぎない。

 それなのに見下され、金儲けの道具として扱われ、得られる取り分(ヒートヘブンやその他の利権)と言えば、まさに雀の涙。

 

 むしろ今までクーデター的なことを画策した奴がほとんどいないことの方が……いや、逆なのか。

 反旗を翻そうとした実力者なんていなかった。

 それこそ《王者》と呼べる者はいなかった。

 だから誰も堂波たちの蛮行に逆らえなかった……。

 

 なら、半世紀という長すぎる沈黙を破ってようやく表舞台に出てきた彼にこそ「託したい」と思ったのも頷けるところではある。

 ただでさえ《自由》を踏みつけられてきたのだからこそ……

 

 

 しかしSHADOWMOONの新体制、ダロムのような「これまで人間の下につくことに慣れ過ぎた」幹部は無慈悲に除去。

(ダロムはビシュムによって処刑、その是非を問うバラオムも幽閉……)

 

 ビルゲニアに至っては。

 

「お前は人間の匂いが染みついている。もう消せない!」

 

 と、かつて堂波真一の下についてでも牢獄から出た時のことを思い出しながら、目覚めた念動力で力量差を見せつけてゴルゴム党から追い払う。

 

 

 ここ、逃げていくのを追わないの……「今のあいつは殺す価値もない」という意味だったのかもしれないけれど……正直、すごくモヤモヤする……

 それはおそらく、原点『BLACK』ではシャドームーン様復活&その圧倒的な強さを見せる意味で、ビルゲニアは大事な役どころだっただけに……むむむ……

 SHADOWMOON、発する言葉は最高に良いのに、いちいち中途半端に見えてしまうというか……むむむ……

 

(良ければ、ビルゲニアの暴れっぷりと、シャドームーン様の存在感が凄まじいエピソード、ご覧ください……!)

 

 

「君のお母さんは本当にすごい人だ」

 

 また、託されたものを探しに行ったのは、葵も。

 ノミ怪人さん、まさかの葵の母親から「鍵」を託されていたと。

(ここ、口の中に隠していたってところはアレかな……身包み剝がされてもバレない場所ってことなんだろうけれど……あの大きさのものが口の中に常時あると思うと、怖いな……それだけ本気で隠しているっていうのはわかるんだけれど……)

 

 2002年(現代から20年も前)にオリバー・ジョンソンから託されたのは《キングストーン》だけではなく。

 怪人が日本発祥である証拠を掴もうとした彼の意志を継ぎ、必死にかき集めてきた資料の隠し場所と最大の秘密が眠る、この「鍵」も。

 そうして葵が見つけたのは、堂波道之助の写真や署名・印鑑が入った極秘レポート。

 

 ここ、ツッコミを入れたい気持ちは、きっとあるでしょう。

 

 それだけの資料があるなら、既に政府転覆の材料はあるじゃないか、と。

「怪人は日本が軍事兵器として研究していた、非道な人体実験によって生まれた産物」で、今を生きている怪人のほとんどが「過去に改造を施された哀れな犠牲者」だとか、そういうことを突きつけられるはず。

 

 ではなぜ、ここまで隠すのか。

 

 当然ながら「潰されるから」でしょう?

 

 現在の総理である堂波真一からすれば、祖父の代から続く怪人ビジネスは自分を潤す悪くない事業であり、その悪行によって得られる収益であれだけ調子に乗っていられる。

 それこそ総理の立場を追われる要因ではあっても、こんな甘い汁を簡単に放り出せない。

 ならば、それを壊しかねない者があればどれだけの金を積んでも、潰しに掛かる。

 金で雇われた人間に「正義の為にこれを公表しなければいけないんだ! 話せばわかる!」と命乞いしたくらいで、見逃してくれるなんてケースはほぼない。

(BLACK  SUNは葵を助けてくれた? それ、レアケース中のレアケースでは??)

 

 そういう意味では、葵が国連でのスピーチをしていたのも、実はあの両親が促していた可能性も。

 かき集めた情報が潰される前に国際社会へ暴露さえできれば。

 堂波真一がどう弁解しようと、人々は真実に気付くはずだと。

 

(嫌な言い方ですが、いくらでも暗躍して命を刈り取れる立場の人物が生殺与奪の権を握っている状況であると明記しても「いや主人公さ、何でさっさと真実を教えてやらんの?」と言ってしまえる読み手がいるのを、未だに私は根に持っていまして……いや、結局は私の至らなさが悪いんでしょうが……説明力というか読者が納得して安心して読み進められる情報開示能力とか欲しいな……)

 

(根に持ってしまっているけれど、個人的にはすごく熱を込めて書いたエピソードです……「シリーズものなら、事前知識がないと分かりづらいのでは?」と仰られるかもですが、自分のできる範囲で、これが初見でも『だいたいわかった』と言ってもらえるよう書いたつもりです……いや、そうなってないから言われるんでしょうが……むむむ……)

 

 脱線にして宣伝、失礼。

 

 そういう意味で葵のお母さんは、「私の話を聞く準備がある証拠だ」と。

 ビルゲニアとの僅かな会話からノミ怪人さんの本質を見抜き、あの「鍵」を託したんでしょうね……。

 臆病だけれど、現状に対して口にこそ出さずもきっちり反感を抱き、同時に人間相手にも非情になり切れない優しさのようなものもある、そんな怪人の彼に。

 これはやはり演じる黒田大輔さんの、あの感じが良い具合に作用しているんだろうな……嫌いじゃないわ!!

 

 もちろんさ、ノミ怪人さんはあそこで「ビルゲニア!こいつ隠し持ってましたぜ!?」と託された鍵を売ってしまえば安泰だったとも言える。

 

 けれど、それを隠し持ち、改造してしまった娘へ託す。

 

 個人的には「自由って時に考えがまとまらなくなって頭が痛くなるし、場合によっては無秩序を生み出しかねない」と嫌になることもあるけれど。

 

 それでも、さ。

 一人では届かないものや、そこを目指す気持ちを託す……そんな《自由》なら、やはり失くしちゃいけない気がする。

 

 だって《仮面ライダー》って、《自由を守る》……そういうヒーローだもんね?

 

 そんな原義は知らねえって方もいるでしょうし、今時はそんなん流行らないかもしれないけれど。

 忘れちゃいけないものも、あるんじゃねぇのかな?

 などと思うスリッパの備忘録でした。

 

 

(そんな《自由の戦士》らしい心を、割と最初から持っていた南光太郎=仮面ライダーBLACKの活躍も良ければ!! というか、こっちを宣伝したい気持ちもあるよ!! 毎日『仮面ライダーBLACK』生活までしたくらい好きだからな!!)

 

 

2:「負け」と《哀しみ》と

 

 正直さ、この作品は「主役級に扱いたいキャラ飽和問題」が顕著過ぎるのでは?

 

 というか、監督たちの中であったんではないかと思うんですよ……「原点の何をもらって、何を切り捨てるか」という問答が。

 インタビューでは「ビルゲニアに向き合わないと」と宣い、「クジラ怪人はアイドル」と言い放ち、とても原点へ興味を惹かれている様が感じられました。

 

 ただ、まあ、正直に言えばですね……

 

「いやいや、南光太郎と秋月信彦の《二人の哀しき宿命の対決》だろうが?!」

 

 とか思ってしまうのが本音。

(いや、確かに魅力的なキャラクターが多いのが『BLACK』の良さであるのは事実としてあるぞ!)

 

 ぶっちゃけると第四話で「いやクジラさんの方がヒーローしとるやんけ?」とか、後々にTwitterでフォロワーさんと語った第五話での「完全体に変身したにも拘わらず、結果的にビルゲニアを取り逃がし・改造された葵を守れず・キングストーンも奪われた……きちんとカタルシスが感じられない……」という話もしたくらいで。

 

 ここ、一人の視聴者として以上に(一応は)物語を書いている私なりの観点で考えてみたい部分でもあって。

 

 作劇的にもバトル描写的にも「BLACK SUNが勝った!」と思えるシーンって、ほとんどない。

 第一話での臓器を引き摺り出しての残虐バトルで勝ち、という以外はほぼ「引き分け」とか「殺せたけど見逃すことになった」とかで。

 第五話に至っては「守りたいものを守れないまま、まんまと逃げられる」という負け描写……。

 第二話や第四話ではそもそも怪人を撃破する以前の状態。

 いや、「俺の方が強い!」と稚拙な事を言い出すSHADOWMOONには勝っているけれども!

 結果的に、葵を守ったのはクジラさんというオチのせいで「主役は何やってんのよ!?」と思われる。

 

 実は自分が書いている作品で「変身ヒーローに該当する人物を乱立させない」というのは意識しているのは、実はここも一つありまして。

 下手すると、後続の変身者が本来の主役よりカッコよく見えてしまうと、もう主役が必要なくなる。

 初代『仮面ライダー』の2号ライダーは「撮影時のアクシデントが発端で、やむを得ない理由から制作されたキャラクター」ですが、私の一次創作でその交代劇をやる理由はないので……。

 

 極論ですが、この作品のBLACK SUN先輩、そういう「この負け続けの人、本当に主役なのか?」状態になってませんかとも。

 

 もちろん前回の第七話で、BLACK SUNは曲がりなりにも《創世王》を半殺しにしているんですが……しかしそれすら「心臓が生きている!? なんて生命力なんだ!?」と彼の知らないところで提示されて終わっているせいで「イマイチ決まってないな……主役なのに……」と。

 

 極論、ビルゲニアやクジラ怪人を「主役級の人物として扱いたい!」という意図があるからこその、この展開への舵取りだったのでしょうが……

 やはりエピソードを区切ってまでの美味しさが感じられないのは、単純にニチアサが染みついて消えないからでしょうか?

 とかくタイトルに名が冠された《主役》に「勝った!」という感触が視聴者に提示されないまま、物語は進んでしまって。

 

 

 ただ、今にして思えば、実はそれすら監督たちが描きたかったことなのかもしれない。

 

 それはクジラ怪人とBLACK SUNの会話からも読み取れる気がして。

 

 

「どうしてここにいる? 俺は敵だろ?」

 

「誰が敵かなんて、もうわからないね」

 

「俺は50年前、お前らを追って森に入った。

 結局何もできずに、お前らはゴルゴムに負けたんだ。

 それなのに、また戦いに行った……そして負けた。

 ずぅっと負けてる。

 バカなんじゃねぇかって思うよ」

 

「けど……その続きが見てみたくなった。そう思っただけだよ」

 

 

 そう、どこまでもBLACK SUNの戦いは負け続けているんですよ。

 50年前には、ゆかりに唆されて創世王を殺そうとして「負け」。

 現代に至るまで表舞台に出ようとせずに隠れて、状況が悪化するのを静観していたのも「負け」。

 葵との出逢いで再びキングストーンを巡る戦いに参戦したけれど、結果的には「負け」……。

 

 もう「負け」の大盤振る舞い、「負け」のフルコース。

 本当に「バカなんじゃねぇか」って言われても仕方ないくらい、「負け」。

 

 しかし、そこまでして「負け」を描写するのは、なぜなのか。

 

 雑な解釈ですが、敢えて言いましょう。

 

「SHADOWMOONの《怒り》に対して、

BLACK SUNは《哀しみ》を描きたかったから」

 

 

 何言ってんだコイツ、と仰る前に、まあ一つ聞いてくださいな。

 

 SHADOWMOONは、これまで虐げられてきた怪人達の《怒り》にようやく目覚め、王者として君臨してみせた。

 しかしBLACK SUNは?

 

 徹頭徹尾、彼は「怪人になって良かったと思ったことは一度もない」というスタンスを取る。

 だからこそ、創世王の候補としてBLACK SUNと組みたいと、《キングストーン》奪回を狙って現れたSHADOWMOONとはこんな会話をする。

 

「なあ光太郎、俺は怪人になってから一度も満たされたことがない。

 その理由がやっとわかった」

 

「違う価値観と知性を持った生物が、この世界には2種類いるからだ」

 

「お前は、怪人だけの世界を望むんだな」

 

「人間は劣等種族を排除してきた。

 その戦いに勝ち続けることで栄えてきた。

 勝利は学ぶべきだろ?」

 

「価値観が合わないなら、奪い合う。

 思想が違えば排除する。

 今度はそれを、俺達怪人がやる」

 

「俺はこの世界を牛耳る。

 一緒に来い、光太郎。

 お前を創世王にしてやる」

 

「断る。

 お前に、《キングストーン》は渡さない」

 

「そうか……それがお前の答えか」

 

 

 あくまでSHADOWMOONは、自らを上位種だと笑ってきた人間を排除する姿勢。

 その根底には、俊介の死を発端にした、明確な《怒り》がある。

 

 対してBLACK SUNは、その怪人だけの世界を否定する姿勢。

 きっとその根底には、怪人になったことで視えていた《哀しみ》があるのでしょう。

 

 本編で光太郎を通した描写がそこまで多いわけではないので、これはあくまで憶測ですが。

 単に少数派だからではなく、抑圧されたことへ反発するために《兵器》であるがゆえの暴力を行使した怪人。

 それを「あー暴力はいけないんだー悪者だからやっちまえー」と、さらなる暴力で弾圧する人間。

 

 数においても性能においても、旧時代の遺物でしかなくなっていく怪人達の力では、シーソーゲームにすらならない……一方的なワンサイドゲーム。

 

 50年前のゴルゴム闘争も経験した彼からすれば、こんな不毛なことが延々と終わらないのは、目にするだけで哀しかったはず。

 

 だからといって立場が逆転して、今度は怪人が人間を虐げる側になったところで、結果的には何も解決していない。

 ただ傷つける側が傷つけられる側になるだけで、本当の意味での「勝ち」になってない。

 

 では本当の意味での「勝ち」……つまりBLACK SUNにとっての勝利とは?

 

 無論、ゆかりが彼に伝えた「もう怪人が増えない」「今を生きている怪人が寿命を全うできる」という、極論すれば「怪人の絶滅」にはなるのですが……。

 

 それはつまりさ。

 

「この《哀しみ》の終わり……相手を傷つけ、奪い合う世界の終わり」

 

 ではないでしょうか?

 

 そんなの綺麗事?

 

 ええ、確かに彼は作中では言いませんが。

 私はそうだったらいいなと思った。

 父親たちによって改造されて怪人になり、しかしそれが理由でずっと地獄を見つめ続けて、そうして「負け」を繰り返してきた彼だからこそ……ずっと想う綺麗事もあるのでは?

 考え過ぎかしらん。

 

 

 え?

 あのダークでクールで最高にイケてる西島秀俊さん演じる南光太郎はそんなこと考えてない?

 かもですねー。

 もう正直「この作品、土台がフワフワだから、何を考えても『でも~』が出てきちゃうなー」って感じますのことですよ?(頭がパンクして言葉がいつもよりおかしい)

 

 ぶっちゃければ「主役のクールさと、しかしその心の内側に秘めた優しさや哀しさを感じ取って言葉にしてくれるヒロインの欠如」みたいなのも、割と問題だと思う自分もいます。

 いや、葵がビルゲニアという格上な敵を相手にしてなお「強くてカッコいい啖呵を切る女の子」であることに意義があるのかもしれんけれど……

 

 何だろう……もうそういう女子以外は存在しちゃいけんのか?

 もちろん、ずっと何も決められず「ウジウジ」ってだけじゃ、いくら外見が可愛くても観ている側が「魅力がないな」と思うけれど。

 蟷螂怪人……切れ味が強すぎる……ていうかもう、君が主役で良かったんじゃないかな?

 いや、最初から「原点『BLACK』なんざ知らんぜ」という人たちが感情移入する主役として設定されているのかもしれんけれど……。

 もちろんね、今回のエピソードでは「優しい子」という面はちゃんと強調されるんですよ。

 大事な友人の死に直面して、その家族の哀しみゆえの縋り付く手から何か感じて……っていうシーン。

 ただ直後に「私を舐めるな」とビルゲニアをボッコボコにするの……いや、守られてばかりじゃないことが重要だとは思うけれど……正直に言えば、その直前のビルゲニアが総理にボッコボコにされているのを見ちゃったせいで、余計にいたたまれない……

 

 強くてカッコいいヒロイン……好きだけど……何か、惜しいんだよな……何でなんだろう……?

 

 

 時にその葵さん、残された資料のおかげか、遂に秋月博士とご対面。

 彼女をこっそりと追跡していたビルゲニアくん、まさかの恩師(?)にご対面。

 

「秋月博士、俺は……どこから間違えてしまったんでしょうか」

 

 

 次回、秋月博士が語るのは、まだ隠されていた真実。

 あ、私が一番に好きなキャラクターの話をするわけだから、きっと早く書くぞ!(なお、この遅筆)

 違うんですよ……勢いが出ないと、この作品の記事を書くの、マジで大変で……

 はい、言い訳フェイズは終わります。ついでに今回の記事もここまで。

 

 

 こんなところまで読んでいただき、どうもありがとうございました。