この記事は「蓼科山編」のつづきです。

 


山頂でゆっくりとコーヒータイムをとった。
考えてみれば、昨日からセカセカ歩きすぎた気がする。
ペンギン「欲張りすぎて時間に余裕のない計画にするからだっぺ」
お茶「返す言葉もございません…」



ゆっくりと山頂を満喫。
満足したので下山開始。
山頂碑の文字が消えかけていたので、ここで「蓼科山」に来た証拠写真をしっかりと撮影しておく。



まずは一旦蓼科山荘まで戻り、そこからは進路を南へ。
天祥寺原を経由して双子池を目指す。
お茶「ぐるっと一周する感じになるね」
ペンギン「山頂で会った人は良い雰囲気の道だって言ってたっぺ」



枯れ沢みたいな道だなと思っていたら途中から本当の涸れ沢になった。
浮き石も多く、荷物が重いこともあり歩きにくい。
ペンギン「良い雰囲気? むしろちょっと怖いんですけど…」



枯れ沢を下りきると天祥寺平に着く。
天祥寺平は蓼科山と北横岳の間に広がる美しい笹原だった。
蓼科山山頂の喧騒が嘘のような、静かな場所だ。



天祥寺からの蓼科山。
いや~、こんなにきれいに晴れるとは!
ペンギン「日頃の行いだっぺよ」



きれいな笹原の中を進み天祥寺原に到着。
このまま直進すれば大河原峠に向かうが我々は右手へ。
昨日も通った亀甲池を経由し双子池へ向かう。



人気のない峠道を越えていく。
交通量はそれほど多くなさそうだが、しっかり刈払されていて安心して歩ける。
踏み跡の部分しかなかったら笹が覆いかぶさってきそうな場所だ。
ペンギン「クマが怖くて歩きたくないっぺ」



亀甲池をかすめ…



もう一個峠を越えると双子池。
今朝のスタート地点に戻ってきた。
ペンギン「ただいまー」



勝手知ったる場所は我が家のような安らぎを覚える。
ペンギン「それはちと大げさな…」
ここでもう一泊したいところだが、明日の行程も鑑み予定通り麦草峠へ戻る。



まずは林道歩き。
麦草峠への帰路は稜線縦走ではなく、山腹を巻いて雨池を経由する。



林道は車両通行のために大回りになっている。
登山者用に林道ショートカットの道があることになっているのだが、この道は藪に沈んでいた…。
ちょっと入ってみたが整備されている様子がない。



しかたないので林道を歩くことにしたのだが、こちらも大荒れだ。
ひどい洗掘で車両通行は不可能だろう。
なんだか嫌な予感がする…。



麓に近くなるにつれて林道の状況も少しずつ改善していく。
倒木が撤去されていたりとまったく手つかずというわけでもないことが確認できた。
やがて大岳川に架かる橋が現れる。
この橋が林道からの脱出ポイントだ。



雨池に向かう道は八ヶ岳という有名山域にある道とは思えないほど頼りない道だった。
東北の山を歩いていると、こんな道はいくらでもあるが…。
お茶「…この道、大丈夫なんだろうか…」
ペンギン「計画立てた本人が不安にならないで!?」



踏み跡が分散していて時折笹薮の中に道が消失してしまう。
このあたりで何度か道に迷ってしまった。



ようやく雨池が見えてきてほっとした。
ペンギン「つーかーれーたー!!!」
お茶「無駄にウロウロしたしね…」



双子池から雨池まで、出会った人の数ゼロ。
静かでいいけど少々不安になってしまった。
雨池の周囲にも人影無し。
八ヶ岳にもこんな静かな場所があるんだね。



雨池から先は再び整備された道になった。
いやー、整備された道がこんなに歩きやすいとは…。



麦草峠まであと少しと自分を励ましながら進む。
ペンギン「…あと3kmって書いてあったっぺ」



実際のところ地形図から想像していたより起伏が大きくて大変だった。
おまけに遠雷が聞こえ始め、雨がぽつりぽつり落ちてきた。
本格的に降り出す前に麦草峠に着きたい。



ようやく見覚えのある風景が!
ペースを上げた無理がたたって精根尽き果てた。



このあと、すぐに土砂降りの雨が降ってきた。
ギリギリセーフだった。

つづく