久しぶりに東北自然歩道歩きに行ってきました。
今回歩いたのは「高村光太郎のみち」で、区間は寒沢川起点から尻平川公民館です。
途中に八方山登山があり、自然歩道としてはなかなか体力が要求されるコースとなっています。

起点となる場所には駐車場が無いため花巻駅に車を駐めました。
8時間まで300円と良心的なお値段。
そして花巻駅から鉛温泉方面行きのバスに乗り、クレー射撃場前で下車。
北上線横川目駅まで歩き、JRを乗り継いで花巻に戻っています。

さて、前置きはこれくらいにして…行ってみましょう!

 

 

 



前回、ゴールにした鉛温泉近くのクレー射撃場前を出発。
お茶「いくでー」

ちなみに前回の自然歩道歩きの記録はこちらから

 


 

 

ペンギン「ジェラート屋さんがあるっぺ!」
残念、まだ営業時間前。
ペンギン「ぐぬぬ…」
ちなみに、スタート地点にコンビニ&アイス屋さんがあるが、それ以外には自販機の姿すら乏しい。
人里歩きと侮らず、飲食物の用意はしっかりとしていくのがオススメ。



スタート地点から暫くの間は田畑の間を縫うように進む。
寒沢川にかかる橋が今回の自然歩道の起点となるので、そこを目指して歩いていく。

 

ノビタキがあらわれた!



モズがあらわれた!
ペンギン「鳥がたくさんいて楽しいっぺ♪」



自然歩道起点周辺はガイドマップに記された観光りんご園が閉園していたり、道路が付け替えられていたりと様子が変わっている場所が多い。
コースが設定された頃からの時間の流れを感じさせる…。
道標も少ないので地図必携である。
2時間ほど歩いたところで、ようやく自然歩道を示す立て看板が現れた。

 

高村山荘前で自然歩道のコース案内表示板を発見。
ようやく自然歩道を歩いている実感が湧いてきた。

 

高村山荘は高村光太郎が晩年を過ごした庵…を保存のために上屋で囲ったものだ。
中を見るには入場料が必要となる。
今日は歩くことに専念したいのでパス。
いずれゆっくり見に来よう。
ちなみに、自然歩道が通る庭園などを散策するだけなら入場料は不要だ。

 

高村山荘を抜けると道はいよいよ自然歩道らしく…。
お茶「おい、これはちょっと『自然』歩道すぎないか」
ペンギン「あぜ道…いや、これはもうあぜそのものだっぺ」
すごいところに遊歩道を設置したものである。
久しぶりに「こんなところを通っていいのか?」という、どことなく後ろめたい気分を味わった。

 

八方山へ向かう道のりは農地の中を縫っている。
たま~に道標があるが基本あまりあてにできない。

 

見覚えのある道になってきたなぁと思っていたら八方山の登山口に着いた。
久しぶりの八方山登山口。
ペンギン「まさか歩いて来ることになるとは思わなかったっぺ」

 

ペンギン「もう昼前だけど登山開始~」
お茶「早朝から歩いているんだけどね」
このあと、続々と下山してくる人たちとすれ違った。

 

花の最盛期は過ぎたようだが、さっそくカタクリを発見。
あちこちに群落ができていて見ごたえがある。
八方山は春の花が素晴らしいのだ。

 

途中、広く伐採された場所があり景色が変わっていた。
動かざること山のごとし…だが、しばらく来ないと山の景色も変わるのだ。
遠くに焼石連峰が見える。

 

グリーンシャワーが気持ちいい♪
ペンギン「いい季節になってきたっぺ」

 

八方ザウルスはすっかり歳を取った。
ペンギン「歯がかけてるっぺ」
肉食から草食に転向したらしく、口にたくさんの松ぼっくりを頬張っていた。
ペンギン「丸くなったっぺね」

 

進むにつれて春の花が次々と姿を見せてくれた。
オオカメノキ。

 

イワウチワがちょっとだけ残っていた♪
これを目当てに八方山を訪れる人は多い。
我々も昔は毎年来たもんだ。

 

スミレ

 

イチゲ~

 

道の脇に踏み跡があるなと思ったら三角点があった。
373.4ピーク?
以前来たときは気が付かなかった。

 

お茶「あ、鳥!」
ペンギン「正解!」
お茶「え?」
ペンギン「アトリだっぺ」
お茶「え?」

 

幸せの青い鳥、きたー!!
ペンギン「今年もオオルリに会えたっぺ♪」
花だけでなく野鳥観察にも余念がない。
上を見たり下を見たり大変だ。

 

尻平川コースへの分岐点までやってきた。
まずは山頂へ行ってこよう。

 

分岐点から山頂までは相変わらずの急登だ。
緩やかに登ってきた分を、ここで一気に取り返す。

 

10分ほど急登と格闘すると祠のある広場に至る。
以前は祠の前に「八方山」というプレートがあったのだが無くなっている。
その代わり祠の近くに「←八方山山頂◯◯m」と書いた標識が設置された。
ちゃんと三角点まで行けということだろうか。
以前はここを山頂とするという人が多かったのだが。

 

イチゲ~

 

というわけで、ちゃんと山頂まで来ましたよっと。
お茶「八方山、登ったどー」

 

とはいえ、山頂は樹林帯。
あまり休憩するような環境でもない。
祠まで戻ってコーヒータイムにする。

 

下りに使う尻平川コースは実は通るのは初めて。
どんな道なのか楽しみだ。

 

カタクリの白花発見!

 

コミヤマカタバミ

 

長根岬山コースよりは通る人が少ないようだが道はしっかりしている。
記録の数にあまりに差があるので何か問題のある道なのかも…と少々不安に思っていたのだが杞憂だった。

 

むしろ素直な地形なので冬に登るならこちらのほうが楽ではなかろうか。
いやらしいトラバースなどが少なく、歩きやすそうに思える。

 

植林地に入ればゴールも近い。

 

下山!
突然農家の庭先のような場所に出た。
主と思われる人から「おかえりなさい」と声をかけていただいた。

 

登山口の入口にはこんな立派な看板もある。
登山者ウェルカム!という雰囲気なのだが、駐車場と農家の敷地との境が判然としないため敬遠されるのだろうか。
いいコースだと思うが利用率は低いようだ。

 

無事に八方山セクション終了!
単体でもそれなりの山だと思っていたので、25km以上歩く中に組み込んでしまってはたして大丈夫かと思っていたがなんとかなった。
ペンギン「うちらも強くなったっぺ」
お茶「初心者の頃によく来てたから、もっとキツイ山だと思ってたよね」

 

 
尻平川公民館の前で「高村光太郎のみち」は終了だ。
ペンギン「お疲れさまでした!」
お茶「まぁ、まだ先は長いけどね」

 

自然歩道として設定されている区間は終了したが、引き続き横川目駅を目指して歩く。
どこを歩いても自由なので地図上で最短と思われる道を選んだつもりだ。
ところが、なんかだか雲行きが怪しくなってきた…。

 

まさかの廃道状態!
地図で実線表記されている道で尚且つ集落の近くの道なのにこの状態は想定外だ。
ペンギン「これ、大丈夫だっぺ!?」
お茶「わからん!」

 

抜けた!
戻ることにならなくてよかった…。
歩き旅で道間違いして引き返すのは精神的にかなり苦痛だ。
お茶「こうやって遭難するんだな、きっと」

 

焼石連峰が近づいてきた。
ペンギン「次は歩いて焼石に行く!とか言い出さないよね?」
お茶「さすがにそこまでは…たぶん…」

 

鳥とか、花とか、山菜とかを探しながら進む。
八方山の麓でいくつかタラ坊を見つけてしまったのが採集本能に火をつけた(笑
ペンギン「そうは言っても藪に入ってまで山菜採りしたくないっぺ」

 

キョロキョロしながら進んでいくと鳥でも花でも山歳でもなく野生動物を発見した!
お茶「ありゃキツネか?」
ペンギン「たぬきはよく見るけど、キツネは珍しいっぺ」

 

こちらに気付いたようだ。草むらに伏せてしまった。
ペンギン「ほんとにキツネ目だっぺ。めっちゃ目つき悪い!」
お茶「キツネ目といえばグリコ・森永事件」
ペンギン「懐かしい! アイツのせいで一時期おやつにグリコ・森永の製品を買ってもらえなくなったっぺよ」

 

あぜ道やら土手道を繋ぎ県道に出ることができた。
あとはこの道沿いに歩いていけば横川目に着くはず。

 

しかしそこからが長かった。
車だとすぐ近くのような気がしていたが、横川目の集落に入るまでには舗装路を30分以上歩かねばならなかった。
ペンギン「疲れたっペ!」

 

駅に着いたものの、次の列車は2時間後…。
駅前に飲食店などもなく(国道まで出て少し歩けばコンビニはある)時間を持て余す。

 

あたりが薄暗くなり、なんだか心細くなって来た。
ようやくやってきた列車のヘッドライトの光が頼もしい。
ペンギン「やっと帰れるっぺ!」
お茶「お疲れさまでした!」


東北自然歩道「高村光太郎のみち」無事に踏破できました。
全体的に道標が少なく、地図が無いと歩くのは厳しいと思います。
土地改良や道路工事などで消えた道標が多そうです。

八方山区間に入ってからは道は明瞭になります。
多くの人が訪れる山ですし道の手入れもされているので安心して歩けます。
下山に使った尻平川コースを通るのは実は初めて。
八方山には何度も登っているのですが長根崎コースしか歩いたことなかったんですよね。
今回、こういう形で通ることができて良かったです。

八方山から下山後、横川目駅までのコースは地図を見て適当に引いたんですが、思いの外自然度が高いコースでした。
自然度が高すぎて、一部廃道化していたのには焦りました。
途中で飲料水が不足してきたり、列車の時間を間違えて二時間も待ったりとアクシデントもありましたが、楽しく歩くことができました。
なにより多くの花や鳥を見ることができたのが良かったです。

おしまい


詳しいルートなどについてはヤマレコにて