11月の三連休、二日目!
日本二百名山、東北百名山に名を連ねる会津朝日岳に登ってきました。
この日も天気予報は晴れだったのですが、夜が明けるとなにやら雲が多い空模様。
空気も湿っぽく、文字通り雲行きが怪しい感じですが…晴れることを信じて登山口へ向かいました。

登山口までのアプローチは比較的簡単で、国道から「いわなの里」という施設までは舗装路です。
道幅は狭いですが険しいわけでもないので比較的楽に通行が可能。
いわなの里から登山口駐車場までの100m程度が未舗装となりますが、普通車で問題なく通行可能です。

この山は四方から登山道が上がっている浅草岳とは対象的に一般登山道は一本しかありません。
なので登山者が集中するかなと思い早めに行動したつもりだったんですが、我々が行った日は午前7時で満車になってしまいました。
ヘロヘロ隊、最後の1台分のスペースを確保。ギリギリでした。
15台くらいは駐車可能なんですが満車です。

ちょっと気になったのは登山届ポスト。
用紙も備え付けられていてしっかりした物なのですが、中身がしばらく回収されていないようで満杯になっていました。
無理やり押し込んで登山届を提出しましたがこれでは登山届を出す意欲が失せます。
登山会界隈では、登山届を出せ~、出せ~とキャンペーンを張っているのですから真面目に提出しようとする人の意欲を失わせるようなことは良くないと思うんですよね。
いろいろ理由はあるんだとは思いますが。

ちょっと前置きが長くなりましたが満を持して入山します。
登山口からすぐのところに川が流れているのですが、ここはいきなり渡渉となります。
それなりに水量があるので渡る場所を考えないとスタート直後に濡れる羽目に…。
よく見ると対岸に橋だったものが横たえられています。
落ちたのか落とされたのか…。






広々とした登山口だがこの日は満車


 

いきなりの渡渉

 

初っ端からドボンは勘弁なので慎重に…




この渡渉を無事に通過すると、道はしばらくの間平穏を取り戻します。
一ヶ所、いかにも滑りそうな木橋がありますが、そこ以外は鼻歌交じりのお散歩道ですね。
紅葉が進む林間の小径を抜けて谷あい深く入り込んでいきます。
沢に沿ってあまり高度を上げずに進んでいく登山道、これは沢から離れた途端に猛烈な急傾斜になるヤツだ。




紅葉が進む林間の小径




滑りそうな木の橋

 

谷あいを奥まで分け入っていく 



沢に沿ってゆるゆると進んでいく




赤倉沢の支沢を何度か越えていくとやがて本流の流れも細くなっていきます。
いよいよ沢が行き詰まるその手前から、登山道はようやくやる気を出して標高を稼ぎ始めました。
あちこちから水が湧いているのでしょうか、湿っぽいガレ場の登りです。

このガレ場を登り切ると「三吉ミチギ」の水場に到着です。
登山口から1時間ほど、まずはウォームアップ完了といったところでしょうか。
ここからは自分たちが通ってきた谷を見渡すことができます。
歩いた距離の割には標高が上がってないなぁという感じでしょうか。
いや、それにしても谷が深い。

それにしてもこの「三吉ミチギ」ですが、どういう意味なんでしょうね?
三吉…は人の名前かな?という感じですがミチギって…。
ネットでさらっと検索したくらいでは答えはわかりませんでした。
誰か知っている方いらっしゃったら教えて下さい。


 


何度か小沢を越え… 




湿っぽいガレ場を進んでいくと… 




三吉ミチギの水場に到着 




最後の水場なので水分補給を忘れずに


 

通ってきた谷が見渡せる




三吉ミチギの水場から先は予想通り急な登り坂となりました。
直登でないだけマシなのですが、それでもかなりの急坂です。
斜面のわずかな弱点を縫うように細かなジグザグが延々と続いていきます。

また路面には大量の落ち葉が積もっていて、滑るのはもちろん路肩が判然としません。
あまり谷側に近づくと地面だと思っていたのが落ち葉だった~なんて感じで滑落しかねませんな。
これは下りの時怖いやつだなぁ…。


 


ジグザグの急傾斜が続く 




右へ左へ…


 

大量の落ち葉が路肩を覆い隠していた




果てしなく続くジグザグを無心にこなしていると突然目の前に変なものが現れました!
クワガタの怪人!? いや、太陽の塔!?
…なわけはなく立ち枯れた樹木でした。
いや、しかしなかなかキャラが立っているではないですか、この枯れ木。

このクワガタ怪人が現れると「人見の松」と呼ばれるランドマークも近いです。
三吉ミチギから約50分、ようやくジグザグ道も終りを迎えました。
会津朝日岳の登山道において、この50分の区間が最もタフな区間でした。
体力的に。
なぜ、体力的にという注釈が着くのかと言えば…まぁそれはまたのちほど。



 

うお!? いきなり変なの現れた!




ん~? 思ったより天気が…




人見の松に到着 




さっきのクワガタ怪人も枯れる前はこんな感じで登山者を見守っていたのだろうか 



人見の松を過ぎるとキツイ急坂はすっかり鳴りを潜めます。
しかし、その代わりに微妙に谷側に傾斜した露岩地帯となるので油断はできません。
今日は岩が乾いているのでそれほどでもないですが、これが濡れていたりしたら非常に嫌らしい感じ。

えっ!? あ! 花!
突然ツートンが叫びました。
何事かと指差す場所を見てみると岩の間に白い小さな花が咲いています。
なんと季節外れのアカモノの花でした。

よく見るとところどころにポツリポツリと花の姿が見えるではないですか。
アカモノの他にはイワカガミも一輪咲いています。
秋も深まったこんな時期に花を見ることができるとは…。

まさかの花の登場にツートンは嬉しそう。
珍しい花ではないですが、この季節に再会できるとは夢にも思いませんでした。
これは単に狂い咲き…ということなんでしょうか?
それとも他の個体との差別化を図る生存戦略…とか?





人見の松を過ぎると露岩地帯となる


 

微妙に谷側に傾斜している


  

季節外れのアカモノが咲いていた! 




イワカガミも! 




も一つアカモノ 




至るところに季節外れの花が咲いていてツートン大歓喜




花に出会えた興奮冷めやらぬまま「叶の高手」というピークに到着しました。
ここはまだ朝日岳本体ではなく、その前衛峰に当たります。
ただ、ここまでですでに登山口から2時間以上をかけ標高差800m以上を登ってきています。
しかもそのうちの半分以上は急な坂が連続する区間ですから体力的にはかなり削られました。

ほんわりと山の斜面を染める終わりかけの紅葉を眺めながら一休み。
朝日岳本体へアタックする英気を養います。
すっかり葉を落とした樹木の間から、目指す会津朝日の姿も見えます…が、まだ遠いですねぇ。



 

叶の高手の後ろに朝日岳本体がチラリ


 

終わりかけの紅葉が周囲の山のをほんわり赤く染めあげる


 

叶の高手に到着!




叶の高手からはいよいよ目指す会津朝日岳の姿が!



つづく