「スラップ訴訟」⎯⎯勝訴の見込みが乏しいにもかかわらず、批判的言論を行った個人に対し報復・威圧・嫌がらせを目的として提起される訴訟。それを国政政党やその幹部がやってしまう。さすがに高みの見物というわけにはいかんでしょう。
ワタクシ、ちょっと前に「何処へ行く、日本保守党・・・」という、いささか要らん世話なことを書いておりました。
ですが、さて、夏の参議院選挙(ひょっとしたら衆議院も?)では、結果を残せるのでしょうか。
いや、それ以前に、どれくらいの候補者を立てられるのでしょうか。
とりあえず「ナマ」を加えて暖かく見守ります。
そこから一月ちょっと、残念なことに、ナマ暖かく見守ってて良い状況ではなくなってしまいました。
ワタクシは、そう思います。
●「スラップ訴訟」
日本保守党、ならびにその代表たる百田尚樹氏、事務総長たる有本香氏が、特定個人(飯山陽氏、近藤倫子氏)を名誉毀損で訴えるという、あらら、それ、本当にやってしまうんですか、という挙に出たのです。
それを受けて「日本保守党の言論弾圧から被害者を守る会」なるものが発足。
以下のような「呼びかけ」をするに至っております。
各位
このたび、日本において、国政政党が有権者個人を相手取り、言論抑圧を目的とした連続訴訟を提起するという、我が国の憲政史上前例のない事態が発生しております。つきましては、本件について広くご認識を深めていただきたく、以下の通りご説明申し上げます。
1.現在発生している言論弾圧の状況
現在、百田尚樹氏を党首、有本香氏を事務総長とする日本保守党が、国政選挙における同党の公認候補者であった飯山陽氏に対し、名誉毀損を理由とする損害賠償請求訴訟を提起しております。その訴訟内容は、雑誌記事における些細な記述を名誉毀損とするものであり、法的に勝訴の可能性が極めて低いものと考えられます。
2.「スラップ訴訟」について
本件のように、勝訴の見込みが乏しいにもかかわらず、批判的言論を行った個人に対し報復・威圧・嫌がらせを目的として提起される訴訟は、「スラップ訴訟」(SLAPP:Strategic Lawsuit against Public Participation、公的活動の参加者に対抗する戦略的訴訟)と呼ばれます。
このような訴訟は、財力や権力を有する社会的強者が、金銭的・精神的・時間的負担を課すことで、社会的弱者の言論活動を抑制することを目的としています。被告とされた個人は、法的対応に多大なコストを要し、言論の自由が著しく制限される結果となります。
なるほど、なるほど。まずは、状況説明ですね。
そして・・・
3.日本保守党によるさらなる訴訟の可能性
4.民主主義社会における「議論の文化」の重要性
5.「自由な社会」を守るために
・・・と続けています。
その内容についてはリンク先、ご自分でご確認ください。
●記者会見の予告
とは言うものの、個々人によって触れている情報源が違い、したがって事実認識の隔たりも大きい昨今です。
日本保守党が、かような行為に走っているということ自体、知らない人の方が多いことでしょう。
そこで、広く一般に開かれたカタチで記者会見を行うことにした、とのことです。
ちなみに・・・
※当日は日本保守党の言論弾圧から被害者を守る会のYouTubeチャンネルにて生配信を予定しています。
・・・ということです。
平日の昼下がり、生で視聴できる人は多くないでしょうけれども、アーカイブ配信もするとしています。
こちら、ほぼ同じ内容の「お知らせ」動画。
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公平を期すため、日本保守党の記者会見も押さえておきますが、この件に関しては全く触れていないようです。
[X]でも同様。ただ、政党代表らしきことをしてます、なポストはありました。
本日、#日本保守党 の百田尚樹代表が、台湾外交部 @MOFA_Taiwan を訪問、林佳龍外交部長と約1時間にわたり会談しました。#日臺友好 @Hoshuto_hyakuta pic.twitter.com/ugkeIOyHgE
— 日本保守党(公式)Conservative Party of Japan (@hoshuto_jp) April 18, 2025
はてさて、今、日本保守党が「保守」しようとしているものは何なのでしょうか。
たまたま、なのでしょうけれども、こんな動画がありました。
彼の国においては「誹謗・中傷」までいかない、単なる「悪口」ですら訴えられ罰金を支払う羽目になる、らしいです。
川口マーン恵美さんと言えば、こんな本を読みました。
ドイツの現在は日本の未来か
今やドイツは国際競争力が24位まで急降下!
異常な「極右」排除が突き進む「全体主義」!
エネルギー政策の失敗で優良企業が次々に国外へ!
【目次】
序 章 メルケルの「理想」がドイツの「凋落」を招いた
第1章 「移民・難民」…先進国で次々に巻き起こる異変
第2章 異常な「極右」排除が突き進む「全体主義」
第3章 非科学的で不合理だった「脱原発」と「再エネ」
第4章 地獄に堕ちても中国を捨てられない
終 章 日本はドイツよりも先に「米国依存」から脱せよ
あとがき
こちら「序章」から。
これまでの私は、ドイツと日本は似ているようでいて、実は似ていないと主張し続けてきた。しかし、今、ドイツと日本はやはり似ていると、つくづく思い直している。これまで40年間、ドイツと日本を観察してきたが、日本の社会現象や、人々の思考は、常に若干の時間差でドイツの後を追いかけてきた。では、両国のいったい何が似ていたのか、そして、これ以上、似てしまっては何が危うくなるのか。今、距離を持って、それを冷静に考えてみるのが、本書の目的である。
そして、こちらは「あとがき」に引用されている言葉。
Wer halb Kalkutta aufnimmt, rettet nicht Kalkutta, sondern der wird selbst Kalkutta.
カルカッタの半分を受け入れる者は、カルカッタを救わない。自らがカルカッタになるだけだ。
Peter Scholl-Latour(ペーター・ショル=ラトゥア)という、アルザス生まれのジャーナリスト(国籍は独仏両方らしい)によるもの。
噛みしめましょう。