新アリーナ(正確には「多目的屋内施設及び豊橋公園東側エリア整備・運営事業」)問題で揺れる愛知県豊橋市。実は、選挙期間中配布された法定ビラの記載内容に虚偽が含まれるのではないかという“疑惑”も、ずっとくすぶり続けておりまして・・・

 

ぶっちゃけローカルな話題ではありますが、ひところエラい騒ぎとなった(そして、今も一部で尾を引いている)兵庫県知事の問題にも通じるモノがあると思っています。まずは読み物として楽しんで、その上で、関心を持っていただければ幸いです。

 

 

公職選挙法第235条 2(虚偽事項の公表罪)

第二百三十五条2 当選を得させない目的をもつて公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者に関し虚偽の事項を公にし、又は事実をゆがめて公にした者は、四年以下の懲役若しくは禁錮こ又は百万円以下の罰金に処する。

 

 

 

●ウチにも来ました。

 

問題になっているビラはこちら。

 

 

まずは表。

 

そこそこ大きな字ではありますが、賛成とも反対とも書いてない「給食無償化」「新アリーナ」という公約(?)。

 

ま、それは良いとして(良くはないですが)。

 

 

 

そして裏。

 

「市長が代われば、新アリーナ契約を解除できます。市議会の議決事項でもありません。」とか、「新アリーナ計画の中止(契約解除等)」とか。

 

赤字や太字になっているとはいえ極々小さな文字であり「木の葉を隠すなら森の中」的な意図を感じます。

 

こういうの、後に「公約に掲げていた」と主張するためのアリバイ作りでしたか、と思わないでもないのだけれど、ま、それも良いとして(良くはないですが)。

 

 

問題となっているのは、「1 浅井市長のパワハラ体質が報じられました。」という項目。裏面全体の1/4ほどのスペースをとっています。

 

 

 

私自身、これを目にした時「何じゃ、こりゃ?」でした。

 

正直、「◯◯ハラスメント」の類は「いつ、どこで、誰が犯しても同じ罪、とは限らないところがある」という意味で胡散臭く、また、それと「鬱病」発症との因果関係ともなれば、それこそ証明するのは難しいからなあ、といったところ。

 

なので私としては、「こんなん書いて良いのか?」とちょっぴり思ったくらいで捨て置き、それほど深刻なこととは受け止めていませんでした。

 

 

が!

 

 

●つまりは「伝聞情報」かつ「無断引用」

 

「浅井市長のパワハラ体質が報じられました」というタイトル、それはつまり、自身で事実確認をしたわけではない伝聞情報だということ。

 

しかも、引用元が示されているとはいえ、転載について了解を得たわけではなかったというオマケ付き。

 

それによって収入を得る文書ではないにしても「法定ビラ」ですからね。

 

 

こちら、引用元サイトにあった記事。お怒りです(記事全体の趣旨はここに留まりません)。

 

腹に据えかねることがもうひとつある。今回の市長選でまかれた長坂候補の選挙ビラと折りこみ広告である。前市長が市職員に対しパワハラを働いていたことをスクープした本サイトの記事「どたける浅井(由崇)・豊橋市長に公開質問状」の一部を無断引用して、「浅井市長のパワハラ体質が報じられました」と、あっけらかんとパクリ掲載した。

 

 

「ストイカ」記事を無断引用

 

12月の豊橋市議会で、市はその内容を確認するよう求められるとともに、長坂市長は記事を無断で借用したのではないかと問い詰められた。市長はダンマリを決め込んでいるようなので、筆者が市長に代わってお答えしよう。

 

この記事には長坂候補を応援する意図などなかったし、選挙ビラの作成に当たって、長坂陣営からは筆者にもストイカ編集部にも、引用の承諾を求める連絡は一切なかった。いくら豊橋市民のために無料公開とした記事とはいえ、無断で選挙に流用するなどの勝手を「ストイカ」は断じて許さない。

 

 

 

ちなみに、「一部を無断引用」された記事はこちら(上と同様、この記事も全体の趣旨は被引用部に留まりません)。

 

 

 

●大手新聞・テレビは、ほぼスルー


この問題については、地元ローカル紙以外ほとんど報道していないので、多くの方がご存知ないと思います。

 

ですが、事と次第によっては公職選挙法違反に問われかねない話で、ひょっとしたら(いや、しなくても)新アリーナ問題以上に厳しく追求すべき事案かもしれません。

 

 

そう捉えているからこそでしょう。

 

地元ローカル紙は、しっかりフォローしています。

 

 

以下、Web版から、かいつまんで紹介しておきます。

 

 

■2024/12/12 00:00(公開)

 

 豊橋市長選(11月10日投開票)で配られた選挙ビラを巡り、市は11日、記載内容の真偽について調査に乗り出すと明らかにした。長坂尚登市長の関係者が選挙期間中に配布した法定ビラが対象。この日の市議会12月定例会で、伊藤哲朗氏(自民)の一般質問に広地学総務部長が答えた。

 

 法定ビラには「(前市長の)のパワハラ体質が報じられました。」の見出しがあり、インターネットメディアが報じた告発記事の内容とともに紹介されている。引用した記事には、前市長の4年間に秘書2人がパワハラに遭ったとしている。

 

 9~10日の一般質問でも星野隆輝氏と坂柳泰光氏が同じ内容で、長坂市長に就任前後の事実認識をただした。

 

 長坂市長も答弁で、ビラの記載内容や新聞折り込みで配布した経緯などを知っており、制作にも関与している点を認めていた。一方、市長就任以前に事実関係を確認していたかは「市政の一般事務ではない」として答弁しなかった。

 

 伊藤氏はこれらの経緯を踏まえ「前市長のパワハラがあったかの事実確認を含め、人事課を所管する総務部で公平公正に調査すべきだ」と市に対応を求めた。

 

 広地学総務部長は「不正や偽装が疑われる事案には、公平公正に調査することになってる。この法定ビラの内容については調査した上で市議会に報告する」と答えた。

 

 

 

■2025/02/14 23:00(公開)

 

 長坂尚登市長が豊橋市長選で前市長のパワーハラスメントやそれに伴う秘書2人がうつ病を発したとするネット記事を法定ビラに記載したことを巡り、長坂市長は14日の記者会見で、公職選挙法に触れないかとの質問に「違法性の認識はない」と述べた。パワハラの事実や因果関係については現在、調査委員会で調べているとした。

 

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記載事実の真実性は「評価する立場にない」

 

 記者会見では、記載事実の真実相当性については「評価する立場にはない」と回答を控えた。公職選挙法の「虚偽事の公表」に問われないかを尋ねると「問われない」との認識を示した。

 

 広地学総務部長によると市議会での質疑を受けて、副市長以下の職員6人と弁護士など外部有識者3人の調査委員会で事実確認を進めている。

 

 

市議会自民などが調査報告求める

 

 一方、市議会の自民や公明、とよはしみんなの議会が7日付で、市長宛てに調査結果を報告するよう申し入れた。19日までの回答を求めているという。

 

 

 

■2025/02/21 22:00(公開)

 

 豊橋市の長坂尚登市長が昨年11月の市長選で配った法定ビラを巡り、市議会12月定例会の一般質問で記載内容の事実関係をただした市議3人が21日、長坂市長に質問状を送った。ビラ発行前の事実確認の有無などを尋ねる内容。併せて、事実関係を確認する調査委員会について、結果を早急に議長へ報告するよう求める申し入れ書も提出した。

 

 質問状は議会で関連質疑をした伊藤哲朗氏と坂柳泰光氏(自民)、星野隆輝氏(まちフォーラム)の3氏の連名。

 

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 坂柳氏は取材に「公職選挙法に照らし、ビラの記載事実を確認なしに広めたなら大問題だ」との認識を示した。質問状を出した理由は「行政の長としての順法意識を議会でただしたが、明確な答えがもらえなかったため」と説明した。

 

 

 

■2025/02/26 18:00(公開)

 

 豊橋市の長坂尚登市長が昨年11月の市長選で配った法定選挙ビラに、前市長のパワーハラスメントに関する引用記事を載せたことを巡り、市議会4会派が市長に調査結果の早期報告を求め申し入れた。市議らによると回答期限とした25日までに報告はなかった。

 

 申し入れたのは自民、公明、まちフォーラム、とよはしみんなの議会の4会派で22日付。

 

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 4会派の申し入れに先駆け、議会質問した3氏が21日に市長へ事実関係の解明を求め質問状を提出している。市長と島村副市長宛てに早期の結果報告も申し入れた。

 

 

 

■2025/02/28 00:00(公開)

 

 豊橋市の長坂尚登市長が市長選で配った選挙ビラに記載の前市長のパワーハラスメントに関する記事の引用を巡り、市へ事実確認を求めている市議会4会派が27日、市役所で記者会見した。同日付で市長に調査結果と状況を3月4日までに報告するよう求めた。27日午前の市長定例記者会見で市側は「内容を精査中。報告時期も未定」とした。

 

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 4会派の記者会見は自民、公明、まちフォーラム、とよはしみんなの議会の代表と、一般質問で関連質疑をした星野隆輝氏(まち)、伊藤氏と坂柳泰光氏(自民)が経過報告と今後の対応などを説明した。

 

 

昨年末の約束から2カ月超  調査委設置は2月中旬

 

 4会派によると今年2月7日、まちフォーラムを除く3会派が市長に対し14日までに調査結果の報告を求めた。一方、市が初の調査委員会を開いたのは2月10日。さらに市長は14日の回答で「現在は調査中」などと返信したという。

 

 12月定例会で関連質疑した3氏は21日、市長へ質問状と早期の結果報告を求めて申し入れた。4会派も同日付で25日までの報告を申し入れたが現在も回答がない。そこで同日付で再度、4回目となる調査報告を求めて申し入れた。

 

 

選挙結果への影響を懸念  調査委報告に市民の問い合わせ相次ぐ

 

 まちフォーラム代表の星野氏は「市の調査委はパワハラの事実を確認するだけだ。昨年12月議会で約束したのに、調査委が立ち上がったのが2月だ。遅れた理由も説明なく議会軽視ととれる」と経緯を振り返った。報告後の対応について「調査の結果次第では選挙ビラの正当性も問われる。議会では選挙結果にも影響する重大事案と捉え、一日も早い情報公開を訴えていく」との見通しを示した。

 

 他会派の代表らも、この選挙ビラの影響について述べた。尾林伸治氏(公明)や小原昌子氏(自民)は「選挙期間中だったので驚いたし、有権者からの問い合わせが相次いだ。今でも調査委の進展など問い合わせが続いており、市民は早く結果を求めている」と市側の対応を促した。

 

 古池氏は市内全域に配られたビラについて選挙中、SNSで「相手をおとしめる行為はいかがなものか」と投稿。「その後も会う有権者から『浅井さん(前市長)はパワハラした人でしょう』と聞かれ続けた」とし、確定事実がない状況で個人の人格や社会的なダメージを与えかねない選挙手法に疑義を呈した。

 

 会見に先駆けた長坂市長の記者会見では、調査委の動向や報告時期に質問が集まった。委員長の島村喜一副市長は「事実関係を調査し、検証、評価を踏まえ報告内容を精査中だ。調査委から市長報告を経て議長へ届けられるが、時期やめどは分からない」と答えた。

 

 

 

と、まあ、こんな経過を辿っているわけでございまして。

 

 

要するに・・・

 

渦中の(という自覚を、あえて持たないようにしている?)長坂氏は、ノラリクラリと先送り戦術。

 

“既存の政治枠組みを打破する若き市長”といった物語(あるいは虚構)は、その設定変更を迫られていると言って良いかと思います。

 

 

●「反アリーナ無罪」?

 

有り難いことに(というか、本来、当たり前のことですが)大手新聞・テレビの報道も、新アリーナ、を含む多目的屋内施設、を含む豊橋公園東側エリアの問題に関しては、その推進(契約履行)反対(契約解除)、双方の立場を、そこそこ公平に扱うようになってきました。

 

が、先にも述べたとおり、この「法定ビラ問題」については、未だにほぼスルー。

 

それを良いことに、市井の新アリーナに反対する人々界隈では、この問題を「ネタが弱い」ものとして、できるだけ矮小化しようとする発信が後を絶ちません。

 

 

[X]にこんなポストがありました。

 

 

 

至極まっとうなご意見だと思います。

 

が、それに対して、以下のような驚愕の返信を付けた人がいます(というか、元ポスをした方が「理論が破綻してる」と言って教えてくださったのですが)。

 

 

は?

 

は?

 

 

「ちょうど別スレに書いてました」という挨拶(?)は、まあ、良いとして。

 

「普通って、よく分からないのですが、」という前置きも、それこそ、まあ、置くとして。

 

 

「2人候補の落選運動ではないので、公職選挙法的には問題ならないとか、時々話題になりますよね」って・・・

 

その微妙な言い回しは何? 一般の受け取り方を言ってるのかアナタの意見か、一体どっち?

 

「2人の候補」というのは対立候補だった浅井さんと近藤さんのことですよね。

 

そしたら「落選運動ではない」も何も、まずもって他候補に対する誹謗・中傷と取られかねない内容であり、それを法定ビラに掲載するのは、とりもなおさず「当選を得させない目的をもつて公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者に関し虚偽の事項を公にし、又は事実をゆがめて公に」する行為の可能性、大いにありでしょう。

 

 

「事実関係や著作権等についても、一種の公知の事実とすると、違法性を問えないだろうし」って、そんなわけあるかい!

 

「一種の公知の事実とすると」って仮定法じゃん。実際、当時「公知の事実」なんかじゃ全然なかったし。

 

てか「事実関係」と「著作権等」を並列にしておいて「違法性を問えないだろうし」と結んでしまう辺り、日本語としてもオカシイし。記述内容の虚実がどうであれ、著作権等における違法性とは関係ないでしょ。

 

 

「市長なら対策済みかも」に至っては、一体何を期待してんだよって話で。

 

言い訳? 言い逃れ? それとも、お得意のこっそりアリバイ作り、もしくはダンマリ・引き伸ばし戦術?

 

 

何を隠そうこの方、私のポストにもちょくちょく絡んでくるのですが、毎度こんな調子で呆れるやら笑うやら、なのです。

 

 

いや、もう、ホント、アリーナに反対している人達の(長坂氏に対してだけの)寛容の精神には頭が下がりますわ。

 

「反日無罪」じゃないんですから、もう少し、真面目に考えてからモノを言ってもらいたいなと思います。

 

とりあえず、良い子は真似をしないようにしましょう。

 

 

 

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豊橋市内はもちろん、東三河・三遠地域、さらに全国のバスケファン、スポーツ文化に理解ある13万余の人々が署名し、市議会が採択した「豊橋公園東側エリア(アリーナ)の事業継続を求める請願書」。

 

それに対して、市が示した「採択請願の処理の経過及び結果報告書」は、まさに「不誠実で無責任な、問答無用のゼロ回答」でした。

 

私の感覚としては「マイナス回答」と言っても良いくらい。

 

 

こちら、署名しまた署名を集めもした者として、静かな怒りを綴っております。

 

 

以下の2文は、同じ日、同一人物が口にした言葉です。

 

「議会の議決は重いことであると認識しています。私も胸が痛く、陰鬱になるくらい考えたが、市長選の結果を踏まえて判断しました」

 

「アリーナの契約継続を図ることは、現時点において検討していない」