人は、その人を知る人の数だけ顔を持つ。好きも嫌いも人それぞれ。評価するも批判するも各人の自由。ではあるのだけれども・・・
まずは、こちらのニュースを。
豊橋市議会3月定例会は26日の本会議で、昨年12月定例会で豊橋公園での新アリーナ関連事業継続を求める請願を採択したのを受け、長坂尚登市長がその後の事務処理経過や結果を報告した。長坂市長は市長選結果の尊重を理由に「現時点で契約継続は検討していない」と述べた。請願提出者らは議会後の会見で「不誠実で無責任な、問答無用のゼロ回答」と憤った。
●「本当の無所属」度し難し
以下の2文は、同じ日、同一人物が口にした言葉です。
「議会の議決は重いことであると認識しています。私も胸が痛く、陰鬱になるくらい考えたが、市長選の結果を踏まえて判断しました」
「アリーナの契約継続を図ることは、現時点において検討していない」
「私も胸が痛く、陰鬱になるくらい考えた」
この言葉、皆さんは「へー、そうなんだ」と半ば共感するでしょうか。それとも「ふうん、そうなんだ」と冷ややかに受け止めるでしょうか。
●市長の直接指示か、担当部署の忖度か
こちら、某市議会議員がネットにあげていたので共有します。
一読、拍子抜け。
二読、もやもや。
三読、静かな怒り、フツフツ。
ということで、以下、個人の感想です。
読み難いので、一文ごとに番号を付けました。
●ソレ、関係ありますか?
(令和6年12月定例会採択分)受理番号7 豊橋公園東側エリア(アリーナ)の事業継続を求める請願
①令和6年12月20日、本請願は12月定例会において採択することとして議決された。
②併せて、地方自治法第125条の規定に基づき、本請願は執行機関に送付し、処理の経過及び結果の報告を請求することが議会で決定された。
③また12月13日の総務委員会において、本請願に関し、請願者の集め方について質疑があり、市民からの情報提供があった旨、答弁した。
④そして、12月20日、市議会議長から市長あて、「採択請願の処理及び結果の報告について(依頼)」〔資料1〕の送付があった。
⑤しかしながら、市議会議長から請願(全134,092人)の送付はなかった。
ここまでが第1段落。
③、⑤は、署名の集め方や集まった署名について、不正を匂わせるような物言いですが、これは「採択請願の処理」とは直接関係のない、いわばイチャモンであって、わざわざ此処に書くことかね、と思います。
⑥令和7年2月3日、市長から市議会議長あて、全134,092人の請願書(請願を紹介する議員が署名した表紙を含む。)の送付を依頼〔資料2〕した。
⑦これに対し、令和7年2月10日、市議会議長から市長あて、請願書の写しの送付は省略するとの回答〔資料3〕があった。
⑥については、市として署名を確認したい、という意味で理解できなくもないですが、直接請求(例えば「〜〜〜の賛否を問う住民投票条例の制定を求める」といったもの)の署名と違い、人数を精査する必要はありません。
仮に全ての署名用紙に10人の名前があるとしても1万3千枚を超えるわけで、実際には、それよりはるかに多い枚数のはず。写しを用意する労力を考えれば、そこは省略してもバチは当たらないのではないでしょうか。
仮に、市側が精査して(それもまた時間と労力が必要)、1割がダメ署名だったとしても、それでも12万ですし。
つまりこの第2段落も、請願に対して悪印象を持たせようとするの難癖の類ですね。
そもそも、こうなるのを見越して「全134,092人」分の「送付を依頼」したのかもしれません。
大切なのは「請願の趣旨」に賛同して署名した人、署名を集めるため「汗をかいた」人が、私自身を含め“たくさんいる”ということ。
そして「豊橋公園東側エリア(アリーナ)の事業継続を図られたいこと」という「請願事項」を議会が採択した、ことです。
他にも、請願書(名簿)の管理が杜撰だの何だのと言った、本筋でない、為にする意見が散見されますけれども、放っておきましょう。
●そして「ゼロ回答」
⑧市としては、令和6年12月定例会において、本請願を採択する議決がされた重みは、認識しているところである。
ふむふむ、ようやく本題です。
そうですか、請願を「採択する議決がされた重みは、認識している」のですね。
⑨しかしながら、本事業については、先の市長選挙の結果を尊重すべきものと考え、「豊橋公園東側エリア(アリーナ)の契約続行を図」ることは、現時点において、検討していない。
・・・
いやいや・・・
「先の市長選挙の結果」は分かってますがな。
けれど、その後の長坂氏の言動(市長就任後初めて役所に赴いたその日に、市議会への相談も報告もなしに、いきなり「契約解除に向けた協議に入る」よう担当部署に指示した)があればこそ、危機感を抱いた人々が請願書を起草し、署名をし、署名を集め、議会に提出し、採択されたのであって。
つまりこれは、選挙後の(!)長坂氏の振る舞いによって現出した採択請願だということ。
なのに「検討していない」理由として「先の市長選挙の結果を尊重すべき」だと言われても、こちとら「変われない人だなあ」と思うしかないわけで。
その市長選挙の結果にしても、長坂氏の得票率は36%でした。
また、有権者が「新アリーナ計画の中止(契約解除等)」という公約に、どの程度重きを置いていたかは人それぞれ、本人にしか分からないことです。
●請願以外にも「要望」続出
ところで、上の「採択請願の処理の経過及び結果報告書」が出るより前、「多目的屋内施設及び豊橋公園東側エリア整備・運営事業」に関係の深い諸団体から、市長に対して「要望」が相次いで提出されました。
以下は、その時々に発せられた長坂氏の言葉。
「確かに受け取りました」
「皆さんの切実な声をしっかり聞かせていただいた」
「引き続き、契約解除に向けて手続きを進めていく」
「まあ、そうでしょう」と取りますか。
「何か、ちょっと、色々無責任」と感じますか。
●何を信じれば良いのか・・・
最後に、長坂氏ビフォー・アフター(ホワイト・ブラック)。
投票日前。
(三遠ネオフェニックスは)「地域にとってかけがえのない存在で、豊橋だけでなく三遠地域に根付いたプロスポーツチームです」(中日新聞R6-11/8-18面 東三河版)
当選後。
「三遠が初年度からBプレミアに入れなくても豊橋で引き続きやっていくのか、Bプレミア入りを重視して他の場所に移る検討をするのか。あくまで一民間企業の判断と考える」(中日新聞R6-11/13-13面 東三河版)