大抵の人は自分に都合の良い物語を思い描くもの。そして、それに合わせて言葉を選ぶもの。好ましければ「多様性」、気に入らなければ「分断」。「巨人・大鵬・卵焼き」の、時代は遠くなりにけり。です。
皆様、令和6年(2024年)も、コメント、リブログ、メッセージ等ありがとうございました。
今回で、年内最後の記事となりますでしょうし、ならばこの1年を振り返って、的なものを書くのが王道なのでしょうけれども。
日本国首相石破さん(ムリ:苦度0.8)、愛知県知事大村さん(若干ムリ:苦度0.3)、そして豊橋市長長坂氏(めっちゃムリ:苦度1.7)・・・
ワタクシにとっては、2.8重苦の年の瀬。逃避衝動に駆られ、それを抑えるのに苦労しております。いろんな意味で。
それでも、何とか、人として現在地に踏みとどまっている、といったところです。
●イメージ先行の「人気投票」
さて、今年の流行語大賞は「ふてほど」。
いやいや・・・
確かに「不適切にもほどがある」は、しばしば聞きはしましたし、使いもしましたが、なぜ、あえて省略形とする必要が? それは使ったことありません。
それとは別に「裏金」もランクイン。決して裏金ではないものをマスメディアが“裏金”と呼び続けたせいで、そのまま定着。恐ろしいことです。
そして今年の漢字は「金」。
いやいやいや・・・
正直「またか」です。
オリンピクのメダルに「政治とカネ」。ぶっちゃけツマラナイから、今後、一度選ばれた漢字は選考外、とかにならないものでしょうか。
●「陪審」による「顕彰」
ということで、気持ちだけ海外に逃避。
昨年も紹介しましたが、ドイツ版”流行語大賞“⎯⎯ドイツ語協会 (GfdS) の「陪審」によって下された今年の言葉⎯⎯です。
こちらは・・・
Seit 1977 küren wir regelmäßig Wörter und Wendungen, die das politische, wirtschaftliche und gesellschaftliche Leben eines Jahres sprachlich in besonderer Weise bestimmt haben. Aus einer Sammlung von mehreren tausend Belegen aus verschiedenen Medien und Einsendungen von Außenstehenden wählt die Jury, die sich aus dem Hauptvorstand der Gesellschaft sowie den wissenschaftlichen Mitarbeiterinnen und Mitarbeitern zusammensetzt, kurz vor Jahresende zehn Wörter, die die öffentliche Diskussion dominiert und ein Jahr wesentlich geprägt haben.
Für die Auswahl der Wörter des Jahres entscheidend ist dabei nicht die Häufigkeit eines Ausdrucks, sondern vielmehr seine Signifikanz und Popularität: Die Liste trifft den sprachlichen Nerv des sich dem Ende neigenden Jahres und stellt auf ihre Weise einen Beitrag zur Zeitgeschichte dar. Die ausgewählten Wörter und Wendungen sind jedoch mit keinerlei Wertung oder Empfehlung verbunden.
1977年以来、その年の政治・経済・社会生活に言語学的に特別な影響を与えた語句を定期的に顕彰しています。様々なメディアから集めた数千の例文と、外部からの応募の中から、本学会の理事会と学術スタッフで構成される審査委員会が、年末の少し前に、その年の世論を席巻し、その年を顕著に特徴づけた10語を選出する。
ワード・オブ・ザ・イヤーの選考の決め手となるのは、その表現の頻度ではなく、むしろその重要性と人気である。リストは、終わろうとしている年の言語的神経を刺激し、それ自体が現代史への貢献を表している。しかし、選出された語句は、いかなる判断や推薦を意味するものでもない。
・・・というモノ(和文は機械翻訳。必要に応じて言い回しに手を入れています)。
真に「いかなる判断や推薦を意味するものでもない」かどうかは置いといて、今年は、以下のとおりだそうです。
Die Wörter des Jahres 2024(2024年の言葉)
1.Ampel-Aus (信号機消滅)
2.Klimaschönfärberei (気候美化屋)
3.kriegstüchtig (軍備増強)
4.Rechtsdrift (右傾化)
5.generative Wende (世代転換期)
6.SBGG (das Selbstbestimmungsgesetz:自己決定法)
7.Life-Work-Balance (ライフ・ワーク・バランス)
8.Messerverbot (ナイフ禁止)
9.angstsparen (不安による節約)
10.Deckelwahnsinn (“蓋”の狂気)
堂々の1位は「信号機消滅」。
実はこれ、2023年でも5位にランクインしてました。要は、信号機の色に象徴されるドイツの3党が連立解消に至ったよ、という話。
[ベルリン 6日 ロイター] - ドイツのショルツ首相が6日、自由民主党(FDP)のリントナー財務相を解任し、3党による連立政権が崩壊した。欧州最大の経済大国で政局不透明感が強まった。
リントナー氏解任を受け、ショルツ氏は自身の社会民主党(SPD)と緑の党による少数政権を率いる見通し。法案可決には議会で過半数の支持を集める必要があり、ショルツ氏は来年1月15日に内閣に対する信任投票を実施すると表明した。これによって、来年3月に総選挙が実施される可能性がある。
政府の支持率が低下し、極右や急伸左派が勢力を増す中、連立政権内では財政政策や独経済の方向性を巡り数カ月にわたり対立が続いていた。
ショルツ氏は「わが国に必要な決定を下す強さを持つ、行動できる政府が必要だ」と記者団に述べた。リントナー氏については、公共の利益よりも自らの政党の利益を優先したと説明した。
ちなみに、こちらの3党です。
◆緑の党(同盟90/緑の党):Bündnis 90/Die Grünen
◆FDP(自由民主党):Freie Demokratische Partei
◆社会民主党(SPD):Sozialdemokratische Partei Deutschlands
もうひとつ、注目してほしいのは、6位の「SBGG (das Selbstbestimmungsgesetz:自己決定法)」です。
【11月2日 AFP】ドイツで1日、性別変更手続きを簡易化する法律が施行された。LGBTQ(性的少数者)コミュニティーにとって「歴史的な」一歩だと評価されている。
ドイツで1980年代初頭に制定された法律では、法律上の性別の変更を希望する場合は精神科医による診断書2通を提出し、裁判所の決定を待たなければならなかった。しかし、新法により、誰でも理由や診断書などを提示することなく、地元の戸籍役場で簡単な登録申請を行うだけで法律上の性別および氏名を変更できる。
これこそ「ドイツ見習っちゃダメ」事象のひとつ。
個人ブログですが、詳しく書かれているものがありました。まあまあ中立で基本認識を得るには良いと思います。
現在フランスのパリではオリンピックが開催され、各国非常に賑わいを見せております。一方で、男性競技・女性競技の区別に関して色々と物議を醸しているシーンも散見されます。昨今ヨーロッパでは「性自認」や「自己決定」について頻繁に議論されており、従来の価値観を否定し、多様性を認めて行こうという考え方が主流になって来ているようです。今回は、オリンピック大会の裏でドイツ国内で成立した「とある法律」について書きます。
以上、ドイツの“流行語大賞”についてでした。
興味と時間のある方は、こちらを。機械翻訳でも十分に楽しめます。
では、おもむろに、恒例「私的、今年の7曲 2024」参りましょう。
●今年の7曲 2024
◆星めぐる詩/suis from ヨルシカ
道徳とか倫理とか、常識とか平均とか普通とか、多くの人が、いろんなもので縛られてきたのはそのとおりなのだけれども、何もかも「自由」が良いかと言うと・・・
自由という刑に
かけられたようだ
遣る瀬のないまま叫びたい衝動
誰にも知られず
何処にも行けずに
◆Will die Hoffnung/SILBERMOND
2024年は、年頭から辛いことが起きたけれども、だから全て黒、ということはない。絶望と希望、寄せては返す波の如し。
Ist grade hart es leicht zu nehm‘
Nicht alles schwarz zu sehn
Bei all der scheiße die passiert
Ich will die Hoffnung nicht verliern
気楽に考えるのは難しい
すべてを黒だと思わないで
何が起きても
希望を失いたくない
◆風がちがう/TARAKO
2018年、さくらももこさんが亡くなり、そして今年、TARAKOさんも・・・
人は必ず死ぬ。でも、残るものがある。それは、素晴らしいことだと思う。幸せだったかどうかは、ご本人にしか分からないけれども。
街角に流れるメロディ 昔流行ったあの歌
風景は少しも変わらない ただあの人がいない
時の彼方に流されて 眠りについた彼の
囁く声が聞こえる なぜ 夢? シャボン玉のはかなさ
◆Believe/心悠-みゆ-
すっかり擦れて汚れちまったワタクシですが、たまに猛烈素直になってしまう。
信じることを 諦めはしないわ
約束した あの日の自分と ともに輝け
I believe!
◆ユリイカ/ロクデナシ
リアルで「ここ」にいてくれる人がいるのは幸せなこと。もちろん、いなければ不幸に違いない、というわけでもないけれども。
みんなひとりぼっちだけど孤独だけじゃない
あなただけここにいれば孤独じゃない
◆レーヴェの秤/Lyolite
ときに情報遮断、しばし沈思黙考。
神様 何故貴方は
こんな世界を作ったの?
幸福に溺れて 驕って 見失う
愚かな私たちを
神様 ねえ、貴方は
私に何をして欲しいの?
不運な誰かを哀れんで それでも
救えないから ただ祈るだけ
◆Atemlos durch die Nacht/Helene Fischer
たまたま知った。日本で言うところの「歌謡曲」的位置付けらしいのだけれど、なるほどと思う。
Wir sind heute ewig, tausend Glücksgefühle
Alles, was ich bin, teil' ich mit dir
Wir sind unzertrennlich, irgendwie unsterblich
Komm, nimm meine Hand und geh mit mir
私たちは今日も永遠、千の幸福感
私のすべてをあなたと分かち合う
私たちは切っても切れない不滅の関係
さあ、私の手を取って、一緒に歩こう
以上、誠に支離滅裂な「私的、今年の7曲」でした。
皆様、良いお年を。
おまけ。2024年、豊橋まつり「JICHIKAIアンバサダー」が使った曲。
世の中的には、こんなニュースになったりもしましたが・・・
愛知県豊橋市の「ええじゃないか豊橋まつり」(10月19、20両日開催)をダンスで盛り上げる「JICHIKAIアンバサダー」が、市役所講堂で練習を始めた。一昨年まで「豊橋まつりクイーン」の名称で、校区ごとの自治会が推薦する女性が選ばれていたが、昨年から性別の条件を撤廃。今年は男性が昨年の2人から増え、7人が選ばれた。
まつりクイーンは、婚姻の有無や年齢などの制限があったが徐々に撤廃されてきた。名称も変わり、今年は18~41歳の男女45人が華麗な衣装に身を包み、ダンスを披露する。牟呂校区の松田拓実さん(22)は「友人の誘いで興味を持った。街を盛り上げるため手助けができたら」と話した。
まあ、何であれ、人はいつしか慣れてしまうし、いずれは「そういうもの」になる、こともありますね。良いか悪いかは別として。
◆世界はあなたに笑いかけている/Little Glee Monster
とりあえず、何に、どのように使用、引用されたとしても、楽曲(作品)に罪はありません。
ほら 笑って Alright !
世界は ずっと
あなたに 今日も笑いかけている
🍥🍥🍥 🍥🍥🍥 🍥🍥🍥 🍥🍥🍥 🍥🍥🍥 🍥🍥🍥 🍥🍥🍥
現実から逃げ切れずに書いたヤツ。
豊橋市長と豊橋市議会と。
先に「無理」を仕掛けたのはどちらか、「道理」を示しているのはどちらなのか、それを、よくよく考えることの方が今後の糧になると思います。