ゆえにこそ、最新の論文に飛びつくのは愚の骨頂。メジャーな媒体に掲載された論文でも、10年後まで残るのは1割もないらしい。逆に言うと、1割は定説になり得ると見ることもできる。だからややこしい。人は間違うのだ。
地元ローカルでありながら、地味に全国ニュースでもあります。
豊橋市内で約70年前に発見された化石「牛川人骨」について、東京大学総合研究博物館の諏訪元特任教授らの研究グループは、断面画像や形態的特徴などからヒグマの骨の可能性が高いと結論づけた。論文として、日本人類学会の機関誌に発表した。
化石骨は同市牛川町の採石場で1957年に発見され、鈴木尚氏(東京大学教授)が人骨と鑑定した。一方、動物の骨とする異説も2001年頃から有力視された。諏訪特任教授は昨年11月に豊橋市内であった市文化財センターの歴史講演会で、クマの骨という研究成果の一端を示していた。
今回の研究では化石骨の断面画像と3次元モデルを使った比較分析で2万年前のクマの骨と結論付けた。さらに、形態的な特徴や、当時の本州に生息した哺乳類の分布などを踏まえ、ヒグマの可能性が高いとした。
クマの骨と結論付けられたことで、市文化財センターでは今後、市内の歴史をまとめたパンフレットの解説の修正を検討している。発掘現場付近には当時、地元有志らが建てた記念碑もある。
センター担当者は「鈴木氏はその後、縄文時代以前の日本列島や西アジアの化石人類研究で成果を挙げた。古人類調査研究の基礎を作り、考古学史に大きな役割を果たした意義は変わらない」としている。
●ローカルでグローバル
「牛川原人」。
かつては、教科書に載っていた時期もあったような気がします。
しかしながら、以前から指摘されていた「牛川原人とされているものは人間の骨じゃない」が、どうやら、これからの定説となるようです。
豊橋市民として、素朴に残念なことではありますが、人間、生きていれば、まあ、そういうこともありますね。
ということで、今のうちに(?)と、現地に行ってきました。
「牛川原人史跡公園」の碑。
「牛川原人之碑」。撮影者背中側の住宅街が写り込んでいます。
裏側の銘文。
「牛川原人は昭和32年夏発見され石川一美西郷正男両氏の協力により初の古人類と認められた」とあります。
「牛川洞穴遺跡」解説板。
「なお近年の研究により、牛川第1人骨とされた骨は人骨ではなく動物骨であるという意見が相次いで表明されています。現状では、この化石骨は「ヒト」を含めた何の動物のどの部分の骨か判断が難しいとされ、まだ確定的な解釈には至っていません。また、牛川第2人骨とされた骨についても動物の骨との意見がありますが、これについても未解明のままです」としています。
これが此度、とうとう「クマの骨」であろうという解釈になったわけですね。
それはそれで、鑑定技術の進歩でもあるし、素直に認めるしかないと思います。
さはさりながら、ここで強調しておきたいのは、だからと言って、安易にこれらの碑を撤去しないでほしいということ。
むしろ、現状に追加するカタチで訂正文を書いた碑を立てるなどした方が良いと思うのであります。
●信じた過去は消せない、消してはいけない。
長い間、ここが「牛川原人」発見の地とされてきたのは紛れもない事実です。
それは否定できませんし、否定してはいけないことだとも思います。
間違いを削除して無かったことにする。
それは、気持ちの上ではすっきりするかもしれませんが、おそらく人の歴史を、人生を貧しくします。
誰だって間違えることはある。それを含めてその人なんですから。
最後に、公園の全景。
「牛川原人史跡公園」と言いながら、実態は、よくある小さな児童公園。定番のシーソーとブランコと滑り台。ブランコの女子はウチの娘。
ちなみにシーソーは使用禁止中。黄昏れてます。
●間違いを抱きしめて
新型コロナ禍の折、WHOや厚生労働省が発信する情報以外は「誤った医療情報」として「検閲」の対象とされました。
新聞・テレビに限らず、ネット媒体においても同様でした。
今思えば、そうであったからこそ、「たちの悪い風邪」くらいのものが、大いなる「禍」になったと言うべきかもしれません。
人為による「禍」でありながら、それを利用して儲けた人々がいました。
今なお、儲けようとしている人々もいるように思います。
間違ったことを無かったことにする。
それは、同じ過ちを繰り返すもとでしかありません。
そんな小難しいことを考えた「牛川人骨はヒグマ」というニュースでした。
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12月8日といえば日米開戦。ソレに関わる「定説」も覆る日が来ると良いなと思います。その兆しは、もう何年も前からあるにはある、ことですし。
こちら、過去記事。お時間あれば。
幾度か記事に書き、またお願いもした「豊橋公園東側エリア(アリーナ)事業継続を求める請願書」の件ですが、お陰様で目標(事務局として100,000。ワタクシ個人的には、市内だけで現市長の得票45,491)を大きく超える署名が集まりました。
ワタクシが言うのはちょっと違う気もしますが、感謝申し上げます。どうもありがとうございました。
【豊橋公園東側エリア(アリーナ)の事業継続を求める請願署名総数134,083名】
— 伊藤哲朗 豊橋市議会議員 (@tezloito) December 3, 2024
豊橋 58,931人
市外 75,152人#豊橋 #新アリーナ pic.twitter.com/MJA4NWhVIG
豊橋市の長坂尚登市長が中止を掲げる豊橋公園東側エリアと新アリーナ整備計画について、市民有志らでつくる「豊橋新アリーナを求める会」は3日、市議会に計画継続を求める請願書を提出した。併せて市民らが寄せた13万4000筆を超える署名簿も添えた。今後は付託先の総務委員会で審議し、20日の本会議で採決する。
この数をチカラに、事業継続派の市議会議員が本気で、何なら覚悟をもって議会に臨むことを期待しています。
長坂氏が、自分の間違いに気付くと良いんだけどなあ。
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その長坂氏については、ワタクシ自身、未だ「言いたいことは言わんと体に悪いで」状態。
が、ここで、ソレばっかり、というのも、さすがに気がひけるので、別枠をつくりました。
まだまだ、たぎっております。何なら、一人でも多くの人と「長坂嫌い」を共有したい、とか思っています。
どうでも良いけど多少気にはなる、という方はこちらをどうぞ。