世の評判として「オリンピックより良かった」らしい東京パラリンピック開会式。
実はワタクシ、オリンピックの方を観ていないので何とも言えません。
それなりに良かった開会式
ですが、そうですね、パラの方は、中継観ててちゃんと引き込まれました。
欲張らず「片翼の小さな飛行機」で貫いた演出は分かりやすかったです。
でもって、これもオリンピックより(短くて?)良かったらしい、アンドリュー・パーソンズIPC会長のスピーチ。
皆様の信頼とおもてなしに応えます.
日本にパラリンピック大会のレガシーとして,障害のある人々に対する新たな認識を残します.
それにとどまりません.
世界全体を変えたいと思います.
そのため,IPCと国際障害同盟が主導し,WeThe15キャンペーンを立ち上げました.今後10年にわたり,WeThe15は,何らかの障害がある世界人口の15%の人々への見方を変えるべくグローバルに挑みます.20の国際機関,市民団体,企業やメディアの支援のもと,世界12億の障害のある人々を共生社会実現(インクルージョンアジェンダ)の中心に据えます.
世界人口の15%の人々に何らかの障害がある、というのは、皆さん、ちょっと驚かれたのではないでしょうか。
日本国内に限ると(数え方にもよると思いますが)7.6%ほどなのですが、それでもびっくりだろうと思います。
障害者(身体・知的・精神)というのは、やはり、何とはなしに隠れて(隠されて)生きているところがありますからね。
ともあれ・・・
国際パラリンピック委員会(IPC)は19日、東京パラリンピックが24日に開幕するのを前に、世界の障害者12億人に対する差別の撤廃を目指す世界的なキャンペーンを開始した。
IPCが主導し、多様な分野の国際組織が支援するこのキャンペーンは、世界人口の15%に何らかの障害があるとする国連(UN)推計を基に「WeThe15(ウィー・ザ・フィフティーン)」と名付けられ、「史上最大の人権運動」になることを目指している。
・・・のだそうです。
パーソンズさんのスピーチに戻ります。
パラリンピアンの皆さん!
皆様はここに来るために,血と汗と涙を捧げました.
今こそ,世界に,皆様の技,力,強い意志を示す時です.
もしも,世界が一方的にあなたたちのことを傷つけたことがあるなら,今こそそれを覆すときです.
自分はチャンピオン,英雄,友情,仲間,ロールモデル,あるいは一人の人間だと.
皆様は人類最高の姿です.そして,皆様だけが自分たちは何者かを決めることができるのです.
皆様は,本物です.
皆様は,素晴らしいのです.
皆様は,一番の高みを目指すと決められました.
皆様の活躍は,皆様の運命を変えるかもしれません.
でも,何より大事なことは,12億の人々の人生を永遠に変えるだろう,ということです.
それがスポーツの力です.
人々の行く末と社会を変革する力です.
変化はスポーツから始まります.
そして明日から,パラリンピック・アスリートたちは再び世界を変えていくでしょう.
文字で読むとちょっと引いてしまう人がいるかもですが、実際、生で聴いてた時には「おー」ってなりました。
こちら(イマイチ魅力が伝わらない?)短い動画です(ハイライトなんだから、ま、良いんだけど)
そこそこ観ている競技
そんなわけで、競技も、ちょくちょく観ております。
個人的な押し、まずは車いすバスケ。
激しくスピーディ。1対1での戦いからチームとしての駆け引きまで、障害云々全く関係なし。例えばドイツリーグは人気がありプロ選手もいるそうです。
次に、ちょっと意味合いは違うのだけれども競泳。
障害を補うため様々な装具を使う競技が多い中で、競泳では、競技においては全ての装具を外します。
観戦する側は、否が応でもそれを目にするわけで。
スタート前、選手達が服を脱ぎ、装具を外していくのを見ていると、正直なところ、ドキドキすると思います。
そこに悪意はないのだけれども、うっかり「見ちゃいけない」という意識がはたらいて、でも目をそらしたりすれば、それはそれで障害者を特別視していることになるわけで。
そう、障害者に向けられる「まなざし」の問題というやつで、これはもう、はっきり言って、慣れるしかないでしょう。
その意味で、パラ競泳観戦は良いと思います。
顕になる障害に健常者として戸惑うことがあるとしても、レースが進むにつれてソコは気にならなくなり、やがて彼等・彼女等の頑張りそれ自体に共感している自分に気付きます。
そういう体験は、たぶん、千の美しい言葉に勝るのです。
他にお薦め(?)は、卓球・陸上・競泳の知的障害クラスでしょうか。
競技している姿を見る分には「う〜ん、どこに障害が?」という感じなんのですが、試合後のインタビューなど聞いていると、やはりドキドキします。
受け答えが微妙にずれていたり、何かを読んでいるかのように話していたり・・・
ちょっとした違和感に「はい?」となるのは事実ですが、それで何か重大な間違いに繋がるということはありません。これもまあ、そういうもの、として慣れるしかないんだろうと、ワタクシ個人的には思っています。
パラリンピックの意義
パラリンピックそれ自体について、各競技の障害によるクラス分けと、それによるエントリー人数の少なさ(メダルの価値?)に引っかかりを覚える人は少なくないようです。
分からないでもないのですが、でも、男性と女性との「身体能力」の差を認めて別カテゴリーとしなければ、オリンピック競技は成り立ちません。
ならば、たとえそれが障害による能力差であっても認める他ないでしょう。
神様からの「ギフト」(ギフテッドには天賦の才の意味あり)を最大限に引き出すべく、自身「チャレンジ」(チャレンジドには障害者の意味あり)を続け、世界で1番、あるいは2番、3番になるというのは(もちろん、結果としてそこに届かなくても)、やはり凄いことです。
そこに、オリンピック・パラリンピックの別はありません。
というか、そもそも、健常者と障害者との間の線引は人為的なもので、そこには自ずとグレーゾーンがあり、天才と真逆の間には無限のグラデーションがあります。
表面上の障害にとらわれることなく、また、それを無いものとするでもなく、各人それぞれ、身体(と知的)能力の限界に挑戦する人々の姿を観る、というのがパラリンピックの・・・
いや、とにかく、世の中には「障害のある人がいる」ということに慣れる、くらいから始めるってことでも十分かな、とも思います。
それだけに、無観客開催は、返す返すも残念と言う他ありません。
たかがコロナ(を、職業柄必要以上に怖がってみせる人々)のせいで!
そんな中、判断も責任も自治体と学校に丸投げ、というかたちではあれ、かろうじて生き残った「学校連係観戦」。無難に(!)中止とする団体が多い中、それでも実施を決めた人々には頭が下がります。
児童・生徒に東京パラリンピックの観戦機会を提供する「学校連携観戦プログラム」が25日、東京都や千葉市の競技会場で始まった。新型コロナウイルスの感染拡大に対する懸念の声が上がる中、関係者は対策を徹底。生徒らは声を出さず拍手でパラリンピアンの奮闘をたたえた。
本当は、頭の硬い大人にこそ「体験」してほしいんですけどね。いろんな意味で。
最後にこちら。
<東京パラリンピック:開会式>◇24日◇東京・国立競技場
君が代斉唱は武蔵野音大2年、佐藤ひらりさん(20)が務めた。淡いさくら色のドレスに身を包んだ佐藤さんは、若々しい歌声をパラリンピアンが集う国立競技場内に響かせていた。
佐藤ひらりさん、「なないろの夢」でCDデビューしたのは知ってましたが、ずっと続けていたのですね。というか、音大生になってまして。そうなんだ、です。
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本書はこれまでに、数知れぬ読者の心に新たな希望と勇気、人生への力強い信念を与えてきた。
ノーベル生理学・医学賞を受賞したこの高名な科学者は、その豊かな経験と、人間の精神に関する該博な知識を余すところなく尽している。
われわれの未来を導く鋭い考察、叡智にあふれた人生の哲学がここにある。
──ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン評
車いすバスケと言えば、こちら。
バスケを辞めてから何もかも上手く行かなくなった男・野宮朋美。街でナンパした山下夏美をバイクに乗せ事故り、ケガを負わせてしまう。高校も辞めた野宮、ある日、古ぼけた体育館で車いすの男・戸川清春と出会い1on1のバスケ勝負を挑む。体育館でのバスケ勝負から繋がった野宮と戸川。ひょんなことから西高バスケ部キャプテン高橋と賭けバスケ対決をすることに。結果、賭けに勝った野宮と戸川は西高体育館の鍵をゲットした。その高橋がある日、トラックに轢かれてしまい…。
で始まる物語、まだ途中。良いです。
もうひとつ、ワタクシ的に好みの作品。
同じ町に住む3人は、いまだお互いを知らない。
だが、彼らには共通点がある。
そして、やがて彼らは出合うだろう。
ひとつの言葉の下に、ひとつの繫がりの下に、そして、ひとつの覚悟の下に――。
と、これじゃ何のことやらさっぱり分かりませんね。
パラリンピック挑戦への覚悟を決めた山崎。
世界一の伴走者を自負する中居は、彼を強化選手にすべく、ある作戦に踏み切る。
しかし、意気込む中居を前に、山崎は思わぬ宣言をする―――
一方、チーム山崎の前には“あの男"が現れ、ひかり達の心境にある変化が…
それぞれが葛藤、そして決意を胸に、走り出す。
唯一無二、ブラインドマラソン漫画、ついにクライマックス!!
こちらは完結してます。
ついでと言っては何ですが、こんなのがあったりして。